「妄信」の意味・読み方・類語【使い方や例文】「妄信」と「盲信」の違い
「妄信」とは、「具体的根拠もないのにむやみやたらに信じること」や「一方的な思い込みによって軽率に信じること」です。
「妄信」の「意味・読み方・類語・言い換え・使い方・例文と解釈・英語・妄信を使った言葉・妄信と盲信の違い」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「妄信」の意味とは?
- 「妄信」の類語や言い換え・似た言葉
- 「妄信」の言葉の使い方
- 「妄信」を使った例文や短文(解釈)
- 「妄信」の英語
- 「妄信」と「盲信」の違い
- 「妄信」を使った言葉と意味を解釈
「妄信」の意味とは?
「妄信」の意味は、「具体的根拠もないのに、権威・イメージによってむやみやたらに信じること」や「一方的な思い込みによって軽率に信じること」です。
「妄信」の「妄(もう・ぼう)」という漢字は「妄想(もうそう)」に使われているように、「客観的根拠や具体的証拠もないのに妄り(みだり)に信じ込む」といった意味合いがあります。
「妄信」とは、「具体的根拠がないこと」や「客観的証拠がないこと」をむやみやたらに信じることであり、その信じ込んでいることを修正・変更することが困難な状態を示唆しています。
人は「妄信」に陥っている時には、冷静な判断や現実的な思考をすることが難しくなり、軽率な思い込みによって失敗をしやすくなるのです。
- 「妄信」の読み方
「妄信」の読み方
「妄信」の読み方は、「もうしん」になります。
「盲信」には「ぼうしん」の読み方もありますが、一般的には「もうしん」と読まれることが多くなっています。
「妄信」の類語や言い換え・似た言葉
「妄信」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「妄信」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「盲信」【もうしん】
- 「誤信」【ごしん】
- 「迷信」【めいしん】
「盲信」【もうしん】
「妄信」の類語・言い換えとして、「盲信(もうしん)」があります。
「盲信」という言葉の意味は、「具体的な理由や意味が分かっていない状態で信じること」や「盲目的に訳も分からずに信じること(現在は盲目的という言葉が視覚障害者を例にしていて差別的であるという意見も強まっていて、盲目的の使用を差し控えることもあります)」になります。
「妄信」の意味として「きちんとした根拠がないのにむやみやたらに信じること」があるので、「妄信」と「盲信」は類語として理解することができるでしょう。
「誤信」【ごしん】
「妄信」の類語・似た言葉として、「誤信(ごしん)」があります。
「誤信」という言葉の意味は、「内容・意味を誤って信じること」や「自分が信じていたことが結果として間違っていたことが分かること」になります。
「妄信」という言葉の意味は、「内容が正しいという根拠もないのに、軽率に信じること」になります。
その意味から、「妄信」に似た言葉として「誤信」を上げることができるでしょう。
「迷信」【めいしん】
「妄信」の類語・言い換えとして、「迷信(めいしん)」があります。
「迷信」という言葉の意味は、「科学的根拠(客観的根拠)がないのに、過去の慣習や伝統文化などを理由にして信じ込むこと」や「昔から地域に伝わっている風聞・伝承を元にして、非科学的なことでも信じ込むこと」になります。
「妄信」という言葉の意味にも、「客観的根拠がないのに、むやみやたらに信じること」があります。
そのことから、「妄信」の類語として「迷信」を指摘することができるのです。
「妄信」の言葉の使い方
「妄信」の言葉の使い方は、「客観的根拠・具体的証拠もないのに、一方的な思い込みや社会的権威に基づいてむやみに何かを信じている時」に使うというものです。
自分以外の第三者から見て、「具体的根拠もないのに、社会的権威・イメージなどによって一方的に正しいと思い込んでいる」というように見える時に、「妄信」という言葉を使用します。
「妄信」の典型的な言葉の使い方として、「テレビのニュースを妄信する」や「有名な文化人の意見を妄信する」といった使い方ができます。
社会的な権威を持っているマスメディアや有名人・知識人(大学教授・専門家など)を、自分で再検証せずに一方的に信じ込んでいるような時にも、「妄信」という言葉を使えるのです。
「妄信」を使った例文や短文(解釈)
「妄信」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「妄信」の例文1
- 「妄信」の例文2
- 「妄信」の例文3
「妄信」の例文1
母は大学教授という肩書きがあるだけで、その人の過激な意見を妄信している。
この例文における「妄信」は、大学教授という社会的権威を伴う肩書きに対して、「他の根拠がなくても無条件にやたらと信じること」を意味しています。
例文に登場する母親のように、「社会一般で通用する権威・肩書き」を一方的に強く信用して、まったく疑わないというタイプの人もいるのです。
「妄信」の例文2
インターネットが発達した現代では、新聞・テレビに登場する知識人(識者)の主張のすべてが正義だと妄信することは難しくなった。
この例文における「妄信」は、新聞・テレビなどのマスメディアの主張をすべて正しいと軽率に思い込むことを意味しています。
しかし、インターネットが発達して普及した現代では、世の中の様々な立場にいる人たちの意見を手軽に読めるので、「マスメディアが採用する知識人(識者)の主張・論説だけが正しい」と妄信することは難しくなっているのです。
「妄信」の例文3
何事も妄信するのではなく、自分の頭で考えた上で判断することが大切です。
この例文における「妄信」は、「自分の頭で考えずにむやみやたらに信じ込むこと」や「客観的根拠もないのに軽率に信じること」を意味しています。
色々な場面・状況で正しい判断をするためには、妄信せずに自分の頭で粘り強く思考することが大切なのです。
「妄信」の英語
「妄信」の英語は、“misbelief”や“blind acceptance”、“swallow”、“blind belief”、“credulity”、“leap of faith”などになります。
“Acceptance without questioning is misbelief. ”(疑問もなしに受容することを妄信というのです。)
“Am I considered to swallow that excuse?”(私にその言い訳を妄信しろというのですか?)
“Blind acceptance has'd better stop. ”(妄信はやめたほうがいい。)
「妄信」と「盲信」の違い
「妄信」と「盲信」の違いは、「妄信」は「具体的根拠もないのにむやみに(軽率に)信じること」であり、「盲信」の方は「理由や意味が分かっていない状態で信じること」になります。
「妄信」も「盲信」もほぼ同じ意味合いを持っていますが、「妄信」の「妄」はみだりに(妄想的に)軽率に信じ込むというニュアンスを強めています。
「盲信」の「盲」は目が見えない状態からの連想で、訳も分からずに方向感覚なく信じることのニュアンスがあります。
一般的に「妄信」の方が「盲信」よりも、「慎重さ・冷静さ」に欠けていて軽率に信じる程度が強いとされています。
「妄信」を使った言葉と意味を解釈
「妄信」を使った言葉とその意味を、分かりやすく解釈していきます。
- 「妄信に陥る」
- 「妄信の病」
- 「妄信を解く」
「妄信に陥る」
「妄信に陥る」という言葉の意味は、「具体的証拠のない事柄を、一方的に信じる傾向にはまり込んでしまうこと」を意味しています。
自分自身では修正できないような深刻な妄信を抱くようになってしまう変化を、「妄信に陥る」といいます。
「妄信に陥ること」は、自分で自分を暗示や催眠、洗脳にかけているようなものであり、いったん根拠のない妄信(ある種の軽い妄想状態)に陥ってしまうと、簡単にはその妄信を解除することができないのです。
「妄信の病」
「妄信の病」という言葉の意味は、現代の精神医学でいうところの「パラノイア(偏執病)」や「妄想性障害・妄想性パーソナリティー障害」のことを意味しています。
客観的根拠のないことをむやみに信じる妄想が強まっている状態が「妄信の病」であり、妄信の病を発症してしまうと、現実の社会や人間関係に適応することが難しくなってしまいます。
「妄信を解く」
「妄信を解く」という言葉の意味は、「具体的根拠もなく軽率に思い込んでいる内容から解放されること・解放すること」や「むやみやたらに信じ込んでしまった妄想的な内容に囚われなくなること」を意味しています。
「盲信を解く」というのは、一方的で軽率な思い込みである盲信が解除されたこと、あるいは誰かの妄信を解除することを示唆しているのです。
「妄信」という言葉について徹底的に解説しましたが、妄信には「具体的根拠もないのに、権威・イメージによってむやみやたらに信じること」や「一方的な思い込みによって軽率に信じること」などの意味があります。
妄信の類語・言い換え・似た言葉としては「盲信」「誤信」「迷信」などがあります。
「妄信」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。