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「醸成」の意味・読み方・類語【使い方や例文】

「醸成」とは、「ある状態・気運などを徐々に少しずつつくり出すこと」「ある雰囲気・気運などを段階的に形成すること」です。

「醸成」「意味・読み方・類語・言い換え・使い方・例文と解釈・英語・反対語・醸成を使った言葉」などについて、詳しく説明していきます。

醸成

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目次

  • 「醸成」の意味とは?
  • 「醸成」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「醸成」の言葉の使い方
  • 「醸成」を使った例文や短文(解釈)
  • 「醸成」の英語
  • 「醸成」の反対語はある?
  • 「醸成」を使った言葉と意味を解釈


「醸成」の意味とは?

「醸成」の意味とは?

「醸成」の意味は、「ある状態・気運などを徐々に少しずつつくり出すこと」「ある雰囲気・気運などを段階的に形成すること」です。

「醸成」の元々の語源は、「大豆・お米などの原料を菌類で発酵させて、しょうゆ・味噌・お酒などを造ること。

段階的に醸造すること」
にあります。

発酵食品を造る「醸成(醸造)」の意味から転じて、「醸成」という言葉は「少しずつ段階的にある状態・気運をつくり上げること」の意味を持つようになりました。

「醸成」の意味は「徐々に雰囲気・状態・気運をつくり上げていくこと」であり、「ある状態・雰囲気の感じを少しずつ醸し出すこと」なのです。

「醸成」「短時間ですぐに成り立つ現象」ではなく、「一定以上の長い時間をかけて成り立つ現象」という特徴を持っています。

  • 「醸成」の読み方

「醸成」の読み方

「醸成」の読み方は、「じょうせい」になります。



「醸成」の類語や言い換え・似た言葉

「醸成」の類語や言い換え・似た言葉

「醸成」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。

  • 「醸す(かもす)・醸し出す(かもしだす)」
  • 「涵養(かんよう)・成熟(せいじゅく)」
  • 「醸造(じょうぞう)」

「醸す(かもす)・醸し出す(かもしだす)」

「醸成」の類語・言い換えとして、「醸す(かもす)・醸し出す(かもしだす)」があります。

「醸す」という言葉の意味は、「麹 (こうじ) を発酵させてお酒・醤油などをつくること。

醸造すること」
「ある状態・雰囲気などをそれとなく自然に生みだすこと」になります。

「醸し出す」という言葉には、「ある状態・事態・雰囲気などをそれとなく作り出していくこと」の意味があります。

そのことから、「醸成」の類語として「醸す・醸し出す」を上げることができるのです。

「涵養(かんよう)・成熟(せいじゅく)」

「醸成」の類語・言い換えとして、「涵養(かんよう)・成熟(せいじゅく)」があります。

「涵養」という言葉の意味は、「水が自然の大地に染み込むように、急がずにゆっくりと養い育てていくこと」です。

成熟には「一定以上の時間をかけて、人の心・身体などが十分に成長していくこと」という意味があります。

そのことから、「醸成」という言葉は「涵養・成熟」という言葉に言い換えられる場合があるのです。

「醸造(じょうぞう)」

「醸成」の類語・似た言葉として、「醸造(じょうぞう)」があります。

「醸造」という言葉の意味は、「米・大豆などの原料を発酵させて酒・醤油などをつくること」であり、「醸造」「(発酵食品を醸してつくるという意味の)醸成」とほぼ同じ意味を持っています。

そのことから、「醸成」の類語として「醸造」を指摘することができます。

「醸成」の言葉の使い方

「醸成」の言葉の使い方

「醸成」の言葉の使い方は、「ある状態・気運などを徐々に少しずつつくり出している時」に使うというものです。

「醸成」という言葉は、「短時間ですぐに生み出される状態・結果」ではなく、「ある程度の時間・期間をかけて作り出される状態・空気(雰囲気)・機運」に対して使うという特徴があります。

特に、学校や職場といった集団組織のメンバーに対して、少しずつ段階的に「空気・価値観・行動・文化」などが浸透していく現象(変化)を「醸成」という言葉で表現することができます。



「醸成」を使った例文や短文(解釈)

「醸成」を使った例文や短文(解釈)

「醸成」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。

  • 例文1
  • 例文2
  • 例文3

例文1

体育祭の毎日の練習を通じて、クラスの一体感・連帯感が醸成されることになった。

この例文における「醸成」は、体育祭のためにみんなで一緒に練習したことによって、段階的に「クラスの一体感・連帯感というポジティブな変化」が生み出されたことを意味しています。

例文2

職場や学校の集団環境でいったん醸成された空気・雰囲気は簡単には変えることができない。

この例文における「醸成」は、職場や学校などで「少しずつ自然に醸し出されてくる空気・雰囲気」のことを意味しています。

職場・学校といった集団生活で、徐々につくり上げられた空気・雰囲気は、個人の意思・希望だけで簡単に変えることはできないのです。

例文3

国家安全保障と関係した政治の外交では、諸外国との協力関係・信頼関係の醸成が何より大切である。

この例文における「醸成」は、政治外交の大きな目標の一つである「諸外国との協力関係(信頼関係)を段階的につくり上げていくこと」「外国との良好な関係の雰囲気を醸し出していくこと」を意味しています。

「醸成」の英語

「醸成」の英語

「醸成」の英語は、「foster(雰囲気・感じを醸成する)」「ferment(雰囲気・感情を醸成する)」「brew(ビールなど酒を醸成・醸造する)」「develop」「create」などになります。

They foster the sense to study in classroom. (彼らは教室で勉強する気分を醸成した。)

This company developed an atmosphere conducive to unite. (この会社はみんなが一致団結する機運を醸成した。)

foster(develop) a trusting relationship. (信頼関係を醸成する。)

「醸成」の反対語はある?

「醸成」の反対語はある?

「醸成」の反対語は国語辞典では明記されているものはありませんが、徐々に雰囲気・気運が形成されていくという「醸成」の意味と反対の意味を持つ反対語(対義語)として「急拵え(きゅうごしらえ)」「即効・速効(そっこう)」「拙速(せっそく)」などを上げることができます。

「急拵え」の意味は、「急いで仕上げること・短期間で準備すること」です。

「即効・速効」とは「時間をかけずにすぐに効き目が現れること」であり、「拙速」「出来栄えは良くないが仕事が早いこと・行動の速さを優先して仕上がりが悪いこと」を意味しています。

「醸成」を使った言葉と意味を解釈

「醸成」を使った言葉と意味を解釈

「醸成」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。

  • 「機運醸成」
  • 「雰囲気を醸成する」
  • 「醸成月(かみなしづき)」
  • 「組織文化を醸成する」

「機運醸成」

「機運醸成」という言葉の意味は、「物事を行うのにちょうど良い機会・時機を、段階的に(徐々に)つくり上げていく」ということです。

機運を醸成することによって、個人や集団が大きな目的・目標を達成しやすくなるというメリットがあります。

「機運醸成」という言葉には、大きな目的・目標を実現するチャンス(時機)をつくり上げるために、少しずつその準備を整えているというニュアンスもあります。

「雰囲気を醸成する」

「雰囲気を醸成する」という言葉の意味は、ある集団(集まり)や組織に共通する気分・感じを、徐々に形成していくことを意味しています。

「雰囲気を醸成する」ということがポジティブな方向に働ければ、「集団組織のモチベーションアップ・連帯感や協力意識」につながります。

反対に、ネガティブな方向で雰囲気を醸成すれば、「敵対感情・排除や仲間はずれ・いじめ」の問題が生まれやすくなります。

「醸成月(かみなしづき)」

旧暦10月のことを「神無月(かんなづき・かみなしづき)」といいますが、「神無月」の語源の一つが「醸成月(かみなしづき)」であると言われています。

「醸成月」とは、その年に収穫された新しい穀物で新酒を醸す月という意味です。

旧暦10月は、出雲(現島根県)の「出雲大社」に全国の神様が集まってこの一年の問題を話し合うとされ、出雲以外の国には神様が居なくなる月という意味で「神無月」と呼ばれました。

出雲国では、旧暦10月は「神在月(かみありづき)」と呼ばれます。

「組織文化を醸成する」

「組織文化を醸成する」という言葉の意味は、企業・団体などの集団組織のメンバーに共通する行動理念や目的意識を、段階的に時間をかけてつくり上げていくという意味になります。

「組織文化を醸成する」ことは短期間で簡単にはできず、ある程度の時間をかけて組織に共通する価値観・理念を根付かせていく必要があるのです。

icon まとめ

「醸成」という言葉について徹底的に解説しましたが、醸成には「ある状態・気運などを徐々に少しずつつくり出すこと」「ある雰囲気・気運などを段階的に形成すること」などの意味があります。

醸成の類語・言い換え・似た言葉としては「醸す・醸し出す」「涵養・成熟」「醸造」などがあります。

「醸成」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。