「諸般の事情」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「諸般の事情」の意味や類語を紹介します。
さらに「諸般の事情」の使い方や、「諸般の事情」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「諸般の事情」の意味とは?
- 「諸般の事情」の使い方
- 「諸般の事情」の類語や同義語
- 「諸般の事情」を使った例文
- 「諸般の事情」をビジネスで使う時
「諸般の事情」の意味とは?
「諸般の事情」という言葉を知っているでしょうか。
ある程度以上の年齢になっている人は、「諸般の事情により○○」という言葉を目にしたり耳にした事があるのではないでしょうか。
一方で、若い世代の方は「諸般の事情」という言葉を知らないかもしれません。
そこで、大人になるまでに知っておきたい言葉、「諸般の事情」の読み方と意味を紹介します。
- 「諸般の事情」の読み方
- 「諸般の事情」の意味
- 「察してください」までが「諸般の事情」
「諸般の事情」の読み方
「諸般の事情」は「しょはんのじじょう」と読みます。
「諸般」は「しょはん」、「事情」は「じじょう」と読みます。
それほど難しい漢字が使われていませんので、読み間違いは少ないかもしれません。
「諸般の事情」の意味
「諸般の事情」の「諸般」には、「いろいろな事柄、様々」などの意味があります。
そのため「諸般の事情」は、「いろいろな事情」「様々な事情」という意味になります。
例えば「今回の合コンは、『諸般の事情』により、中止になる事になりました」などというメールやメッセージが届く事があるかもしれません。
この場合は、「いろいろな事情により、合コンを中止にします」という意味があります。
「察してください」までが「諸般の事情」
みなさんは「諸般の事情」という言葉に含まれる、「いろいろな事情」って何だろう?という疑問が湧くかもしれません。
先ほどのメッセージを読んだら「合コンを中止にする、いろいろな事情って何だろう」と思うでしょう。
しかしそれはメッセージを出した側からすれば、「察してください」という事になっています。
「諸般の事情」には「いろいろな事情」という意味があります。
しかし「いろいろな事情の中身を言う事はできませんので、察してください」という所までが、「諸般の事情」の意味である事が多いでしょう。
「諸般の事情」の使い方
「諸般の事情」には、「いろいろな事情」という意味があります。
そして、「いろいろな事情については察してください」という意味も含まれるという事でした。
このように「諸般の事情」は、何かしらの問題があるけれど、その理由を詳細に話す事ができない時に使われる言葉です。
例えば「『諸般の事情』で、アイドルのコンサートが中止になります」という場合、ファンは本当に理由を知りたいと思うでしょう。
しかし本当の理由を話したら、アイドルにとって大きな不利益があるかもしれません。
コンサートを中止にするよりも、アイドルが大きなダメージを受ける事になるかような時は、「諸般の事情」と説明し、詳細は語らないようにするでしょう。
このように、詳細を語りたくない時や、いちいち理由を説明できない時などに「諸般の事情」という言葉を使います。
「諸般の事情」の類語や同義語
続いて「諸般の事情」に似た意味の言葉を見て行きましょう。
「諸般の事情」と同じような表現の言葉が登場します。
- 「止むを得ない理由」【やむをえないりゆう】
- 「もろもろの都合」【もろもろのつごう】
「止むを得ない理由」【やむをえないりゆう】
「止むを得ない理由」には「どうしようもない理由」という意味があります。
「諸般の事情」と同様に、事情は理由をはっきりさせないものの、相手に「仕方ない」という事を理解してもらおうとする言葉です。
大人の世界には、「止むを得ない理由」と言われてしまうと、「仕方ない」と納得する暗黙の了解があるかもしれません。
「もろもろの都合」【もろもろのつごう】
「もろもろの都合」という言葉も、イベントスタッフなどがイベントの中止の際の説明に使う言葉です。
「もろもろの都合」にも、「様々な都合」という意味があり、「もろもろって何だ」と言いたくなりますが、「そこは察してください」という気持ちが込められています。
「諸般の事情」を使った例文
「諸般の事情」を使った例文を紹介します。
「今日のイベントは、『諸般の事情』により、中止します」、「君は良く頑張ったが、『諸般の事情』により、今日付けで辞めてもらう」、「時間を掛けて作ったアルバムだったが、『諸般の事情』でお蔵入りになった」などです。
本当はハッキリ理由を説明してもらいたいところですが、本当理由を聞くのも怖いという、受けて側の問題もあるかもしれません。
「諸般の事情」をビジネスで使う時
「諸般の事情」という言葉は、仕事をしているとたびたび登場する言葉です。
「諸般事情」という言葉を使う側としては、詳細な理由を明かさなくていいので、便利な言葉と言えるかもしれません。
しかし信頼関係がある仕事相手なら、「諸般の事情」という理由で納得してもらえる事もありますが、そうでない相手がいる事も忘れてはいけません。
相手が詳細の理由を聞かせた欲しいと言った時に、きちんとした答えを持っておく必要があります。
また自分勝手な理由や事情を「諸般の事情」と言ってごまかしていると、いつか信頼を失ってしまうでしょう。
「諸般の事情」という言葉の意味や使い方を見てきました。
「諸般の事情」は、ややグレーゾーンな言葉かもしれません。
そこで詳細を説明した時に、「なるほど諸般の説明と言ったのも理解できる」と思われるような理由がある時だけ使うようにしましょう。