「携える」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
スマートフォンが主流になってからは、携帯電話、ということばも聞くことが減りました。
携帯の「携」の字は、「携える」ということばでもあります。
ここでは、「携える」という語句について紹介していますので、「携える」ってなんだろう?なんだっけ?という方はぜひ一読くださいね。
目次
- 「携える」の意味とは?
- 「携える」の類語や言い換え・似たことば
- 「携える」の使い方
- 「携える」を使った例文
- 「携える」の英語
- 「携える」を使ったことばや誤用
- 「携える」の対義語
「携える」の意味とは?
「携える」とは、手に持つ、手に下げる、身につけて持つ、連れだって行く、伴って行く、という意味のほか、「手を携える」のかたちでは、手を取りあう、協力する、といった意味で使われています。
「携帯する」というのも、身につけて持っておく、ということですから、「携える」の意味もなんとなくはわかる、という方も多いのではないでしょうか。
- 「携える」の読み方
「携える」の読み方
「携える」は、「たずさ(える)」と読みます。
「携」という字にはほかに、「ケイ」「たずさ-わる」「はな-れる」などの読みがあります。
「携える」と「携わる」はとても似ているように思いますが、「携わる」とは、ある物事に従事したり、関係する、参加することを意味します。
「携わる」には、身につける、などの意味はありませんので、気をつけましょう。
「携える」の類語や言い換え・似たことば
「携える」は、日常会話のなかでも使えないわけではないことばですが、日頃使っていない方には容易に出てくることばではないように感じます。
そのような場合には、似たことばや類語表現を知っておくといいでしょう。
類語表現で代用のきくことは多々ありますし、「携える」と関連があるのだ、と知ることで、今後「携える」が正確に使えるようになるかもしれません。
- 「持つ」【もつ】
- 「身につける」【みにつける】
- 「所持する」【しょじする】
「持つ」【もつ】
もっともわかりやすく使いやすい類語表現です。
「〇〇を携えて」というのがむずかしいときには、「〇〇を持って」といえば事足りることが多くあります。
どのように「持つ」のかによって、「抱えて」などの表現のほうがしっくりくる場合もありそうですね。
「友人がゲーム機を携えてきた」でも、「友人がゲーム機を持ってきた」でも、大きなちがいはありません。
「身につける」【みにつける】
「持つ」と「身につける」は、すこし違いますね。
「身につける」というと、身の回り品など、ごく自分の身近に持っておくものに使われることが多いです。
「持つ」というと、手放したり、また持ったり、という印象ですが、「身につける」では、もうすこし、持っている時間が長い印象があります。
「携える」には、「身につける」に近い意味あいも含まれますので、こちらも類語表現といっていいでしょう。
「ハンカチを携えて行く」でも、「ハンカチを身につけていく」でも、意味あいとしては大差ありません。
「所持する」【しょじする】
「所持」は、一般的には持っている、という意味のことばです。
その意味では「携える」の類語表現といえるでしょう。
しかし、「所持」には法律用語としての意味や、支配する、といった意味も含まれますので、その部分については「携える」と異なる点もあります。
「携える」の使い方
「携える」は「〇〇を携える」の形で使われることがよくあります。
〇〇には物や人、手などが入ることが多いです。
「携える」の意味は大きく三つに分けられ、簡単に述べると、①持つ②一緒に行く③協力する、になります。
これらのどの意味で使われているか、どの意味で使うのかがわかれば、「携える」を日常会話に使ったり、メッセージなどやりとりに使うこともできるでしょう。
「携える」を使った例文
「携える」の使い方を、具体的な例文のなかで見ていきましょう。
- 持つ
- 一緒に行く
- 協力する
三つの意味のうち、どの意味で使われている例文なのかを考えながら読んでみてください。
これをおさえておけば、どの意味で出てきても、「携える」ってなんだっけ?と思わないで済みます。
- 「携える」の例文1
- 「携える」の例文2
- 「携える」の例文3
「携える」の例文1
「手荷物を携えて、彼女の両親に挨拶に行く」
行くのだから、一緒に行く、だと思いがちですが、これは持つ、の意味で使われている「携える」になります。
一緒に行く、という意味で「携える」が使われる場合には、「携える」対象は人間になりますので、その違いを覚えておきましょう。
「携える」の例文2
「妻を携えて海外赴任する」
今度は妻という人間を「携え」て、どこかへ移動するのですから、一緒に行く、という意味の「携える」になります。
妻は物ではありませんので、持つという意味はそぐわないですね。
一緒に行く、というよりも、連れ立つ、「携える」といったほうがいい場面はありそうです。
「携える」の例文3
「兄弟手を携えて、父の誕生日を祝う計画をしている」
兄弟は人間ですから、一緒に行く、という意味で使われる場合もあるでしょうが、ここで重要になるのは、「携える」の前に、「手を」という語句が入っていることです。
前述していますが、「手を携える」はひとつのフレーズになっていて、これは協力する、という意味で使われています。
ここでは、兄弟が協力して、という意味で解釈すると意味が通ります。
「携える」の英語
「携える」は、“carry”や“take”,“bear”,“have”などの単語を使って表すことのできる場合が多いようです。
手に持つ、ですと、“take something along”や、“carry something in one's hand”などを使うことができます。
連れ立つ、では、“go together with somebody”や、“bring somebody with one”などが使われます。
協力する、では、“go hand in hand”というフレーズを覚えておくと便利でしょう。
「携える」を使ったことばや誤用
「携える」を使った決まり文句などもいくらかありますが、そのなかには間違って使われているものもあるようです。
ここでは、そのどちらもを紹介していますので、自分は間違って使っていないだろうか、と心配な方は読んでおきましょう。
- 「髭を携える」
- 「剣を携える」
- 「相携える」
「髭を携える」
髭を伸ばしておくことを、「髭を携える」とはいいません。
もしもいったことがある、という方は、今後は、「髭を蓄える(ひげをたくわえる)」というようにしましょう。
自分自身の髭についていうより、他人が髭をよく伸ばしているときなどに、立派な髭を蓄えておられますね、なんていうことが多いかもしれません。
「剣を携える」
今の時代、こんなことをいう場面はなかなかありませんが、武士が帯刀していた日本の歴史から見れば、「剣を携える」ということばがあるのはうなずけます。
「帯刀する」「刀を腰に携える」など、さまざまな語句が残っているのも興味深い点ではないでしょうか。
「相携える」
「あいたずさえる」と読みます。
互いに手を取りあう、互いに協力する、連れ立つという意味のことばですから、「手を携える」の形で使われる「携える」や、一緒に行く、という意味と似たことばといえるでしょう。
「二人は相携えて難局を乗り越えようとしている」
「携える」の対義語
「携える」の対義語は、意味ごとに考えるといいでしょう。
持つ、という意味ですと、捨てるや離す、といったことばが対義語に当たります。
一緒に行く、連れ立つでは、一人で行く、離れる、といった意味あいのことばが対義語に当たるでしょう。
手を携える、協力するでは、妨害する、邪魔するといったことばが対義語になります。
「携える」は、持つ、連れ立つ、協力する、といった意味のあることばだとわかりました。
持つ、連れ立つなんていうとありきたりですが、「携える」ということばを知っていると、なにかのときに役立ちそうですね。
いろんなことばを知ることで語彙が増え、会話の幅も広がると、コミュニケーションをとるのも楽しくなりそうですね。