「扇情的」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「扇情的」という言葉を、何となくその雰囲気だけで使用したり解釈してはいなでしょうか。
実は、上記のような例は、決して珍しい事ではないのです。
ですから「扇情的」の本来の意味、正しい解釈の仕方を理解している人は多くありません。
これから「扇情的」について正しい理解を深めていきましょう。
目次
- 「扇情的」の意味とは?
- 「扇情的」の類語や言い換え・似た言葉
- 「扇情的」の言葉の使い方
- 「扇情的」を使った例文と解釈
- 「扇情的」の英語
- 「扇情」を使った言葉
- 「扇情的」と猥褻の違い
- 「扇情的」の対義語
「扇情的」の意味とは?
「扇情的」の意味を調べると「感情や情欲を煽りたてること」とあります。
とはいっても感情には、怒りや悲しみなど様々な情感があるものです。
「扇情的」はこうした感情を煽りたてるという意味があるのですが、「情欲」という言葉に表されている通り、感情の中でも特に性的な感情や欲望などを煽る意味が強くなります。
ですから「情欲を煽りたてること」という意味を第一に覚えておくと良いでしょう。
- 「扇情的」の読み方
「扇情的」の読み方
扇は「おうぎ」と読まれる事も多いですが、扇子といった使い方をする時には「せん」とも読みます。
「扇情的」の場合は、後者のせんが使われ「せんじょうてき」と読みます。
割りと浸透している言葉なので「おうぎじょうてき」と読み間違える人はいないでしょうが、一応注意しておきましょう。
「扇情的」の類語や言い換え・似た言葉
「扇情的」についての知識を深めたかったら、類語や似た言葉についてと覚えておくと事をオススメします。
様々な方面から知識を集める事によって、「扇情的」という言葉に対しての理解も深まっていくでしょう。
それでは、いくつか「扇情的」と類似していると言葉を並べていきます。
- 官能的
- 肉感的
- セクシー
官能的
官能的という言葉を聞くとドキドキしてしまう人もいるかもしれません。
官能的とは肉体的な快感を享受する働きや、性的な感情をそそる様のことです。
しかし「官能」の意味には、性的な感覚だけではなく聴覚や味覚といった五感全てを含む側面もあります。
そのため「官能的な美味しさ」といった使いかをする事も可能です。
肉感的
肉感的とは、性的な情欲をそそる、煽りたてるという意味です。
また、肉感的は人物の身体から感じられる印象を指す事もあります。
ガリガリだったり華奢な身体は、肉感的とはいわず、少しムチムチとした体つきこそが肉感的です。
扇情的は、肉感的をオブラートに包んだような言葉であり、肉感的はより直接なニュアンスがある言葉だと言えます。
セクシー
性的な魅力を感じるものや性的なものを感じさせる様をセクシーと言います。
例えば「扇情的な女性」と「セクシーな女性」では、どちらも性的なものを感じる、情欲を煽る女性といった意味合いになるでしょう。
使いどころは違う場合もあるものの、扇情的に似ている意味の言葉としてセクシーは申し分ありません。
「扇情的」の言葉の使い方
扇情的は品詞の種類でいうと、形容動詞として活用します。
感情の中でも欲情は性的な欲望、欲求を高めるような人や物などを表す際に使う事が多い言葉です。
ただし、扇情的にはその他の感情を煽る場合に使用する例がない訳でもありません。
その多くは、前者の性的な感情を煽る場合に使いますが、感情を煽るといった意味で使用する事も多々あるのです。
「扇情的」を使った例文と解釈
普段の生活で頻繁に扇情的という言葉を口にすることはないでしょう。
ただ、文学作品の中には扇情的という言葉が頻繁に登場します。
また、扇情的という言葉は使わなくても、実際にそういった心情を抱く事も少なくありません。
扇情的を使用した例文から、その使い方のヒントを得ていきましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「扇情的な視線を向けられて、鼓動が激しく高鳴った」目は口ほどにモノを言うといった言葉があるように、扇情的な視線は人の感情を高めたり、強く動かす力があるでしょう。
ですから、扇情的な視線を向けられると、感情が煽られ鼓動が激しく高鳴るようなケースも珍しくありません。
この例文では、異性を表す言葉はないものの、大抵は男女の間で発生する感情です。
例文2
「テレビに映る女優の胸元が大きく開いたドレスは、扇情的過ぎる」この場合の扇情的は、明らかき情欲や性的な感情を表していると分かります。
上記の例文は「扇情的」の基本的な使い方のひとつでしょう。
このように扇情的は、性的なものに絡めて使用されるケースが多いのです。
例文3
「扇情的な本は、図書館に相応しくないとして撤去された」性的な事柄について書かれていたり、絵や写真が過激だったりする本は、扇情的な本と表現されるものです。
また、ただ闇雲に感情を煽るだけで本質を見極めておらず、事実にも基づいていない本も「扇情的」と言います。
どちらも公共の場にあり、どんな人でも手に取れる図書館には相応しくない本だとして撤去される事もあるでしょう。
「扇情的」の英語
扇情的の英語として「yellow」という単語があげられます。
yellowというと、黄色というカラーを表す単語として認知されているでしょう。
しかし、扇情的という意味を持つ形容詞として使われる事もあるのです。
他には「sensational」にも扇情的という意味があります。
ただし「sensational」の場合はすばらしい、驚くべきという意味もあり、扇情的と訳す場合はけなして使われる単語です。
性的な情感という意味であれば「fleshly」や「sexy」が相応しいでしょう。
「扇情」を使った言葉
文学作品や記事、コラムなどでは「扇情」という言葉を度々目にする事が出来ます。
扇情的以外に「扇情」が使用される言葉にはどんなものがあるのでしょう。
- 扇情主義
- 扇情報道
扇情主義
扇状主義は、故意に大衆の感情を煽ったり掻き立てる事によって、狙った方向へ人を先導しようとする主義のことです。
ですから、この扇状主義の場合は性的な情欲を高めるといった意味合いで使われる訳ではありません。
人は感情で動く生き物ですから、扇状主義的な行いは利に叶っていると言えます。
必ずしも悪いものではないのですが、政治やマーケティングの手法として使われる事が多いため、良くない印象を持つ人が少なくありません。
扇情報道
本来、報道とは出来るだけ感情を排除し、事実のみを客観的に伝えなければいけないものです。
しかし、扇情報道とは事実よりも感情を優先した報道のことです。
根拠がなくても、より人の注目を集めるような報道の仕方をするのが扇情報道であり、事実を歪めたりと怖い側面を持っています。
事実、扇情報道によって、事実を歪めて大衆に伝える事が度々起きているのです。
「扇情的」と猥褻の違い
扇情的には、情欲や性的な感情を煽るといった意味がある事は先に述べました。
そこで猥褻という言葉を連想する人もいるでしょう。
しかし「扇情的」と「猥褻」は全く異なる意味の言葉なのです。
「猥褻」とは社会的に反するみだらでイヤらしい事を意味します。
「猥褻罪」や「猥褻事件」という言葉があるように、罪に問われる行為や公序良俗を乱すモノに対して「猥褻」という言葉が使われるのです。
一方「扇情的」は、人の感情を煽ることではありますが、いたずらに羞恥心を煽ったり法や道徳的な概念から外れるといった意味合いはありません。
「扇情的」の対義語
正確には「扇情的」の対義語として表示される言葉はありません。
ですが、もちろん「扇情的」とは対照的な意味合いを持つ言葉や表現の仕方は存在します。
もし、扇情的の反対になるような表現をしたい場合は、以下に紹介する言葉を利用してみると良いでしょう。
扇情的には、性的な意味合いしかないと勘違いしている人も少なくありません。
確かにそういった意味合いもあり、欲情を駆り立てられる様なシーンで使われる事も多くなります。
しかし、性的なものに限定せず、人の感情を総合して煽り立てるといった意味もあるのです。