「狭量」の意味・類語【使い方や例文】
日本語には、色々なジャンルの言葉がありますが、普段、意識して使っている言葉には、どんな意味があるのか、改めて考える機会を持ったことがあるでしょうか?
私達が友人としゃべっている時が、今どきの流行語を使ってみたり、仕事をしている時が専門用語や英語を語源としたカタカナ語を使うこともあります。
しかし、日本語には、昔の還流や思想を由来としたことわざや熟語もあったりします。
今回は、普段の会話の中ではあまり耳したことのないような「狭量」という言葉についてじっくり見ていきたいと思います。
目次
- 「狭量」の意味とは?
- 「狭量」の類語
- 「狭量」の言葉の使い方
- 「狭量」を使った例文
- 「狭量」の英語
- 「狭量」の対義語
- 「狭量」を分解して解釈
- 「狭量」を使った言葉と意味を解釈
「狭量」の意味とは?
「狭量」という言葉の意味を知っている人が、どれほどいるでしょうか?
日常的な生活の中でごく普通に使っている人は、あまりいないのではないかと思うのですが、この言葉には「人を受け入れる心が狭いこと」ということを指している言葉ですが、「狭量な小人物」、「狭量な上司」などで表現されることがあります。
「狭量」は「量」が「狭い」ということから、熟語の意味としては、「度量が狭いこと」や「人を受け入れる心の狭いこと」という解釈になった言葉です。
- 「狭量」の読み方
「狭量」の読み方
「狭量」は「きょうりょう」と読みますが、「狭」を「りょう」という発音で読むことが少し難しいかもしれませんね。
「狭量」の類語
「狭い心を持っていること」という意味がある「狭量」は、他に似ている言葉があるものでしょうか?
言葉の意味が決して難しい解釈ではないので、類義語を探していると、結構、同じ意味を持つ言葉が結構あることに気付きます。
- 「ケツの穴が小さい」
- 「けちな野郎」
- 「ちんけな奴」
- 「了見が狭い」
「ケツの穴が小さい」
「あいつは、本当にケツの小さな男だから、いつもセコいんだ」
少し、下品で品位に欠ける表現ですが、「狭量」と同じ意味持つ言葉として、普段の日常会話の中でよく使われています。
「ケツ」とは「お尻」のことですが、「穴」が小さなことで、「大したことができない程度の人間」という理解になります。
「けちな野郎」
「けちな野郎」も「狭量」と似ている意味を持つ言葉で「けち」とは「むやみに金品を惜しむこと」や、「そのような人」、「そのさま」を指していたり、「粗末なこと」、「価値がないこと」という内容も持っています。
ここで「けちな野郎」というと、「みずぼらしくて心が狭くくだらない様」という意味になります。
「あいつは本当にけちな野郎だな」
と器の小さい人を指して例えることがあります。
「ちんけな奴」
「ちんけ」という言葉にも「貧相で器量が小さい」という意味がありますが、上品な言葉ではないので、粗野な印象を覚えますし、このような言葉を使っている人も少々、荒っぽい感じがします。
「了見が狭い」
「了見」とは簡単に言うと、「考え」、「考え方」という内容になりますので、「狭量」と同じように、「狭い考え方」→「度量が狭いこと」になります。
「どうして、そんな了見が狭いことばかり言うのだろう?」と、「視野の狭い」行動や判断しかできない人に対して言うことがあります。
「狭量」の言葉の使い方
では「狭量」はどのようなシーンで使われているでしょうか?
文章の中で「度量の狭い人」ということを言いたい場合には、「狭量な人だ」などと例えて使われることがあります。
ここで言っている「度量」とは、言い換えると「心の広さ」のことを指していますので、他人から批判された時でも、その批判が客観的に正しいことなのであれば、受け入れるべきなら、しっかり受け入れるというような「心の広さ」と言えるでしょう。
人の忠告やアドバイスに全く耳を貸さなかったり無視したり、批判されるとますます意固地になって反省もしないことや、ヒステリーを起こして機嫌を損ねてしまうだけといったような人が、まさに「狭量な人」ということになるのです。
私達の時々、感情的になることもあるでしょうが、できることなら、人から「狭量なヤツ」と言われないように注意しておくことです。
「狭量」を使った例文
では、この「狭量」を使った例文を見ていくことで、どのような場面で使われる言葉なのか、理解を深めていきましょう。
- 「狭量」の例文1
- 「狭量」の例文2
- 「狭量」の例文3
「狭量」の例文1
「あの狭量な社長のいるかぎり、従業員の待遇が良くなることが、絶対にありえない。もう、この会社はおしまいだよ」
会社の経営者、トップは業績を上げることばかりに目を向けていてなりません。
しかも、経営が厳しい時こそ、勇気を持って判断・決断しなくてはならないのに、心が狭い社長だと、将来も危うくなります。
ましてや、社員の待遇も改善されることにも、全く関心を示さないとなれば、最悪とした言いようがありません。
「狭量」の例文2
「あの人の言動を見ていると、あまりの狭量さにがっかりするほどだ」
人には、色々なタイプの人がいますが、心の狭い人と話していると、もう、それだけで、その人に対する信頼感を持てなくなってきます。
心が狭い人は、本当に自分本位で他人に厳しい人が多く、心から人を信頼することができないのかもしれませんね。
「狭量」の例文3
「あんな狭量な男に何を言っても、無駄だから放っておくことだ」
会社でも、このようだタイプの人がいいないでしょうか?
あまりにも「セコいタイプ」の人間なので、他人から陰口を叩かれるだけでなく、信頼もされないし、大きな仕事をやり遂げることもできないでしょう。
「狭量」の英語
「狭量」を英語で表現すると、“narrow‐mindedness”という表現になります。
「狭量」の対義語
では、「狭量」と反対の意味を持つ対義語には、どのような言葉があるでしょうか?
- 「太っ腹」
- 「雅量」
- 「広量」
- 「寛容」
- 「懐が深い」
「太っ腹」
「太っ腹」という言葉が「狭量」と反対の意味を持つ対義語として挙げられますが、この言葉の意味は「図太いこと」や「度量が広いこと」を指しています。
「社長は太っ腹なので、社員全員から信頼されている」
こんな場合に使われていることを聞いたこともあるのではないかと思います。
ただ「太っ腹」には、「お金の支払いがいい人」のような意味で使われることもあり、少し、散財家みたいなイメージを連想することもあります。
「雅量」
「雅量」とは、「広くおおらかな度量」の意味を持つ言葉ですが、日常的な表現ではあまり使われることはないかもしれません。
「広量」
「広量」は「狭量」の「狭」と対義的な「広」があるので「度量が広いこと」という意味がすぐに理解できるでしょう。
「寛容」
これも「狭量」の代表的な対義語で、「他人の失敗をあまり責め立てることなく、広い心で受け入れること」という意味があります。
「寛容な心で、敗者を受け入れることができる人物」などのような場合に使われることがあります。
「懐が深い」
これもよく使われる言葉ですが、寛容で度量が広い様子があります。
「狭量」を分解して解釈
では、「狭量」を「狭」と「量」に分解して意味を見ていくことにします。
- 「狭」
- 「量」
「狭」
「狭」とは「せまい」ことで、「間隔や範囲が十分にないこと」や「幅や面積や収容力が小さい」ということを意味しています。
「量」
「量」は「はかる」ということで「モノのかさ、数量、容積」などの意味がありますが、「狭量」での「量」は「力、気前、才能」などを意味していますので。
「狭量」の他の意味での熟語には、「度量」「器量」「力量」などがあります。
「狭量」を使った言葉と意味を解釈
「狭量」を使った言葉も見てみましょう。
- 「狭量な人間」
- 「狭量な心情の発露」
「狭量な人間」
「狭量な人間」とは、「心の狭い人」ということになりますが、常に自分本位で自己保身しか考えないタイプの人になるでしょう。
職場で、このようなタイプの人間が上司になると最悪ですね。
「狭量な心情の発露」
「狭量な心情の発露」とは、「狭い価値観での心の中の事柄や思いが表に出ること」という意味になります。
普段はとてもおおらかでどっしりとしている感じのする人でも、いざと言う時には、豹変して、心の狭さを言動で露呈させてしまうことがないでしょうか?
「狭量」という言葉を知ると、自分の周囲のこのようなタイプの人がいることに気づくかもしれません。
そのような「狭量な人」を見ることによって、「自分はああなりたくない」と相手を反面教師として、受け止めることも心の寛容さを作っていくことになります。