「やぶへび」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「やぶへび」とは、余計なことをして、かえって自分にとって悪い結果を招いてしまうことです。
「やぶへび」の「意味・類語・似ていることわざ・使い方・例文・英語・漢字」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「やぶへび」の意味とは?
- 「やぶへび」の言葉の使い方
- 「やぶへび」を使った例文・短文(解釈)
- 「やぶへび」の英語
- 「やぶへび」の類語や似ていることわざ
- 「やぶへび」の漢字
「やぶへび」の意味とは?
「やぶへび」の意味は、「しなくても良い余計なこと(不要なこと)をして、かえって自分にとって悪い結果を招いてしまうこと」や「余計なことをしたことで、不利益を蒙ったり危険な目に遭ったりすること」になります。
「やぶへび」は「藪をつついて蛇を出す」ということわざの略語ですが、このことわざには「藪を棒などで突っついてわざわざ蛇を追い出し、その蛇に噛まれてしまう」という意味があります。
「やぶへび」という言葉の元になっていることわざとして、「藪をつついて蛇を出す」や「藪を叩いて蛇を出す」がありますが、このことわざは「余計なことをしたことでかえって不利益・災い・危険を招くこと」を意味しているのです。
「やぶへび」の言葉の使い方
「やぶへび」の言葉の使い方は、「しなくてもいい余計なことをしてしまった時」や「リスクのあるしなくてもいい不要なことをしようとしている時」に使うというものです。
「やぶへび」という言葉は、自分が不利益を受けたり危険な状況に遭遇したりするようなリスクのある行動(別にしなくてもいい行動)を敢えてしようとしている時に使用するのです。
「やぶへび」を使った例文・短文(解釈)
「やぶへび」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「やぶへび」の例文1
- 「やぶへび」の例文2
- 「やぶへび」の例文3
「やぶへび」の例文1
妻の浮気を疑うような言動をしたのはやぶへびで、逆に問い詰められて自分の浮気が発覚しそうになった。
この例文の「やぶへび」は、自分が浮気をしているから自分に対する注意を逸らすために、妻の浮気を疑っているかのような余計な言動をしたのですが、(妻の自分への浮気疑惑が逆に強まり)かえって自分に対する浮気の追及が厳しくなったことを意味しています。
「やぶへび」の例文2
職務質問をしている警察官にあれこれ下らない質問をすると、やぶへびになる恐れがある。
職務質問をかけてきた警察官をからかうようなつもりで、あれこれ不必要な質問を面白半分でしていると、かえって何か怪しい隠し事があるのではないかと疑われて警察に質問・検査される項目が多くなり、「やぶへび」になってしまいがちです。
「やぶへび」の例文3
公園で泣いている子供にお菓子を上げて話しかけていたら、不審者と間違われそうになってやぶへびだった。
泣いている子供を見ると心配になったり可哀想になったりしますが、今の時代は親戚・親の知人でもないのに子供の機嫌を取って話しかけることは、不審者・誘拐犯と間違われる恐れがある余計な行為であり、「やぶへび」になりがちです。
「やぶへび」の英語
「やぶへび」の英語表現は、“have the opposite effect”(逆効果になる)や“boomerang”(ブーメラン=やぶへびのやり取り)になります。
「やぶへび(藪をつついて蛇を出す)」に相当する英語のことわざ的な表現には、以下のようなものがあります。
“Wake not a sleeping lion.”(寝ているライオンを起こすな。)
“It is ill to waken sleeping dogs.”(寝ている犬を起こすのは間違いである。)
“Let sleeping dogs lie.”(眠っている犬は寝かせておこう。)
「やぶへび」の類語や似ていることわざ
「やぶへび」の類語や似ていることわざには、以下のようなものがあります。
- 「裏目に出る」【うらめにでる】
- 「毛を吹いて疵を求む」【けをふいてきずをもとむ】
- 「逆効果」【ぎゃくこうか】
- 「寝た子を起こす」【ねたこをおこす】
「裏目に出る」【うらめにでる】
「やぶへび」の類語として、「裏目に出る・失敗する」があります。
「裏目に出る」というのは、「自分が事前に想定(予想)していたこととは、逆の悪い結果が出てしまうこと」を意味しています。
「失敗する」というのは、「成功しないこと・上手くいかないこと」を意味しています。
「やぶへび」は「余計なことをして悪い結果を招いて失敗すること」を意味しているので、「やぶへび」の類語として「裏目に出る・失敗する」が上げられます。
「毛を吹いて疵を求む」【けをふいてきずをもとむ】
「やぶへび」に似ていることわざとして、「毛を吹いて疵を求む」があります。
「毛を吹いて疵を求む」ということわざは、「毛を吹き分けて根元にある小さな傷を探し求めるように、他人の小さな欠点・短所・悪事をわざわざ探し出そうとすること」を意味しています。
「韓非子」を出典とする「毛を吹いて疵を求む」は、「しなくても良い余計なことをする」という意味合いがあることから、「やぶへび」と似ていることわざとして指摘することができるでしょう。
「逆効果」【ぎゃくこうか】
「やぶへび」の類語として、「逆効果になる」があります。
「逆効果になる」というのは、「想定(予想)していた良い効果が得られずに、逆に悪い効果が出てしまったこと」を意味しています。
「やぶへび」には、「余計なことをしてかえって逆効果になること+不要なことをしてかえって悪い結果になってしまうこと」の意味があります。
そのため、「やぶへび」の類語として「逆効果になる」が上げられます。
「寝た子を起こす」【ねたこをおこす】
「やぶへび」に似ていることわざとして、「寝た子を起こす」があります。
「寝た子を起こす」は、静かに寝ている子供を起こすことから、「静かに収まっている物事に、余計な干渉をして、逆に問題を起こすことのたとえ」という意味があります。
「やぶへび」も「余計なことをして、かえって悪い結果や問題を引き起こすこと」を意味しているので、「やぶへび」と「寝た子を起こす」は似ていることわざとして考えることができます。
「やぶへび」の漢字
「やぶへび」の漢字は、「藪蛇」になります。
「やぶへび」とは「藪をつついて蛇を出す」ということわざの略語なので、漢字表記は「藪蛇」になるのです。
「やぶへび」という言葉について徹底的に解説しましたが、やぶへびには「しなくてもいい余計なことをして、かえって自分にとって悪い結果を招いてしまうこと」などの意味があります。
やぶへびの類語・似ていることわざとしては「裏目に出る・失敗する」「毛を吹いて疵を求む」「逆効果になる」「寝た子を起こす」などがあります。
「やぶへび」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。