「踏んだり蹴ったり」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
人生には実に色々な出来事がありますが、その中でも不幸な出来事もありますね。
できれば、ラッキーなことに出会い続けて欲しいのが人の願いのはずですが、人生、決して上手くいくはずがありません。
いいこともあれば、悪いこともあるのが、人の生きる道ということになるのでしょうか。
しかし、時として人は不幸の連続に見舞われることも少なくありません。
「ああ、なんでも僕は不幸なんだ」
こんなふうに自分を呪ってしまうくらいに辛く悲しいことに会ってしまうことがあるかもしれません。
このような時に出てくるのが、「踏んだり蹴ったり」です。
「踏んだり蹴ったり」は、普段の会話の中でも時々使かったり、人が言っていることを耳にすることがあるでしょう。
でも、どんな意味があるのか正確に理解されている人が意外に少ないかもしれませんので、ここでこの言葉の意味や由来、使い方を見ていきたいと思います。
目次
- 「踏んだり蹴ったり」の意味とは?
- 「踏んだり蹴ったり」の類語や言い換え・似た言葉
- 「踏んだり蹴ったり」の言葉の使い方
- 「踏んだり蹴ったり」を使った例文
- 「踏んだり蹴ったり」の英語
- 「踏んだり蹴ったり」の語源や由来
- 「踏んだり蹴ったり」の対義語
- 「踏んだり蹴ったり」と同じ意味のことわざ
「踏んだり蹴ったり」の意味とは?
「踏んだり蹴ったり」というと、「踏まれたり蹴られたり」することから、何となく意味がイメージが付きやすい人もいるかもしれませんが、「不運が重なり、続けざまにひどい目に合わせること」、または「合うこと」のことを言っています。
「踏んだり蹴ったり」とは、いわゆる「重ね重ねひどい目に合うこと」という意味を持つことわざです。
人生を歩んでいく中で、災難や不運なことに出くわすことはどうしても避けることができませんし、心を深い傷を負うような大きな不幸もあれば、日常的にちょっとした小さな出来事まであります。
- 「踏んだり蹴ったり」の読み方
「踏んだり蹴ったり」の読み方
「踏んだり蹴ったり」は、「ふんだりけったり」というふうに読みますが、全く難しい読み方ではありませんので、素直に読むことができます。
「踏んだり蹴ったり」の類語や言い換え・似た言葉
「不幸の連続」の時に使う「踏んだり蹴ったり」ですが、ことわざの意味に近い表現には、どのようなものがあるでしょうか?
- 「災難続きだ」
- 「ダブルパンチを食らう」
「災難続きだ」
「災難続きだ」という言葉はとてもストレートな表現なので、まさに「踏んだり蹴ったり」の同義語・類義語として理解できるでしょう。
人は一旦、不幸なことが起こると、嘘のように次から次へと、厳しい試練が待ち構えているように、不幸な出来事が続くことがあります。
「ダブルパンチを食らう」
「ダブルパンチを食らう」と聞くと、ボクシングの試合で、同じ手で2度連続して打つことや打たれてしまうことを連想するかもしれせんが、「一変に2つの痛手を受けること」という意味もあります。
どちらかと言うと、こちらの意味の方が強いのかもしれません。
「まずい、ダブルパンチを食らったよ」
こんなふうに、日頃の会話の中で使われる言葉です。
「踏んだり蹴ったり」の言葉の使い方
人によっては、災難や不運か続くことがありますが、1つ目の不幸と次の不幸が関係性があってもなくても使うことができる言葉です。
例えば、関係性があることには、昨晩飲み過ぎて寝坊した上に、会社に遅刻して上司の叱られるような場合に使われます。
また、関係がない場面では、レポートを家に忘れて、他に楽しみにしていたデートがすっぽかされたような時に使われます。
このように、ひどい目に合うことが連続的になるケースの場合に「踏んだり蹴ったりだ」と言うことができます。
「踏んだり蹴ったり」を使った例文
では、どんな場面で「踏んだり蹴ったり」が使えるのか、見ていくことにしましょう。
- 「踏んだり蹴ったり」の例文1
- 「踏んだり蹴ったり」の例文2
- 「踏んだり蹴ったり」の例文3
「踏んだり蹴ったり」の例文1
「試合に負けただけでなく、怪我まで負ったのだから、踏んだり蹴ったりとはこのことだ」
勝つために一生懸命に練習場してきた甲斐もなく試合に負けてしまった上に、怪我まですると、もう気持ちが落ち込むことは不思議ではありません。
下手をすると、怪我が原因で選手生命まで失うことさえあるかもしれません。
こんな時に「踏んだり蹴ったり」が使われます。
「踏んだり蹴ったり」の例文2
「寝坊したと思えば、財布も忘るし、顧客へのプレゼン資料も家に忘れてしまい、踏んだり蹴ったりな1日だった」
家に帰って、その日のことを振り返ってみると、このようなことが自分の身に降りかかってくることがあります。
せっかく作った資料も忘れて、仕事はてんてこ舞いだったのではないかと思われますが、そんな時は全て忘れてリフレッシュすることが必要かもしれませんね。
「踏んだり蹴ったり」の例文3
「朝から頭痛に悩まされて暗い顔をしていたのですが、上司から覇気がないと怒られ怒、まさに踏んだり蹴ったりだ」
働いていると、こんな日もあります。
頭が痛い時は無理して出社擦るより、思い切って仕事を休んで身体を整えることの方が大切です。
「踏んだり蹴ったり」の英語
「踏んだり蹴ったり」を英語で訳すと、“It's one after another.”、“It's one thing after another.”と表現することができます。
直訳すると「次から次へと」ということになるのですが、「踏んだり蹴ったり」と解釈することもできます。
この他にも“Nothing’s gone right.”=「何をやってもうまくいかない」という言い方もあります。
「踏んだり蹴ったり」の語源や由来
「踏んだり蹴ったり」の由来は、この言葉そのものにあります。
「踏んだり蹴ったり」とは、地面に倒れているところに踏まれたり蹴られたりすることを表しています。
ここから、「ひどい目に何度も合うこと」と意味が転じて来たのです。
この言葉を聞いただけでも、直感的に理解することができるかもしれませんね。
「踏んだり蹴ったり」の対義語
「踏んだり蹴ったり」の対義語としては、「至れり尽くせり」が挙げられます。
「至れり尽くせり」とは、「配慮が行き届いて申し分がないこと」という意味があり「今日の接待は、もう至れり尽くせりで感動しっぱなしだ」
こんなふうに使われます。
「踏んだり蹴ったり」と同じ意味のことわざ
「踏んだり蹴ったり」は、「不幸の連続」のような意味を持っていることわざですが、これと似ていることわざもあるか、見てみましょう。
- 「泣きっ面にハチだ」
- 「弱り目に祟り目」
- 「一難去ってまた一難だ」
「泣きっ面にハチだ」
「泣きっ面にハチだ」ということわざも「踏んだり蹴ったり」と似たような意味を持っています。
「泣きっ面に蜂」とは、「困っている状況や悲惨な状況においてさらに困り事や不幸・災難が舞い込んでくること」を例えて使われることわざです。
不幸な出来事が起こっているのに、さらに不幸な出来事が起こるという意味では、「踏んだり蹴ったり」と同じと容易に理解できます。
このことわざは、「泣いて顔がむくんでしまっているのに、さらに蜂に刺されてしまう」ということが由来となっています。
人はできるだけ「泣きっ面に蜂」が使われるような場面に遭遇したくないものです。
「車に跳ねられて、泣きっ面に蜂で骨折までしてしまった」
こんなふうに使われます。
「弱り目に祟り目」
「弱り目に祟り目」も「踏んだり蹴ったり」の同義語と扱われることわざですが、「踏んだり蹴ったり」や「泣きっ面にハチ」よりは、少し上品さを感じさせることわざかもしれません。
「困った時にさらに困ったことが起こること」、「不運に不運が重なること」という意味になります。
元々は、何か問題が起こって頭を抱えて困っている時に、さらに神仏の祟りが重なって悪いことが起こってしまうことが由来となっていたとされています。
「悪い状況にある時に重なってさらに悪いことが起きること」の例えで、「落ち目に祟り目」とも表現されることもあります。
「一難去ってまた一難だ」
「一難」の「難」とは、「困難」や「災難」の意味になりますが、「ホッとする間もなく続いて他の難が襲いかかること」を言っています。
「一難去ればまた一難」や「一難去れば一難来る」とも称されます。
「踏んだり蹴ったり」ということは、人生には、つきものといっても過言ではありません。
しかし、大事なことは、それらの災難を乗り切って踏ん張ること。
それができたことによって、人は大きく成長できるのですから。