「目の保養」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
日本語には、ことわざや四字熟語などの言葉で物事を比喩的に表現できる言葉の習慣があります。
その表現方法は実に豊かで、叙情的な雰囲気さえ感じさせてくれることもあり、とても心を豊かにしてくれることがあります。
そんなことわざでも普段の日常的な会話の中でめったに使うことがないものもあれば、頻繁に使ったり、聞いたりする言葉もあります。
その中で「目の保養」という言葉がありますが、よく耳にすることがあっても、どのようは時に必要になってくるのでしょうか?
それは1日何時間もパソコン作業をして目が疲れている時なのか、それとも何か美しいものを見た時に使うのでしょうか?
ここでは、「目の保養」という言葉の意味や使い方などを探っていきたいと思います。
目次
- 「目の保養」の意味とは?
- 「目の保養」の類語や言い換え・似た言葉
- 「目の保養」の言葉の使い方
- 「目の保養」を使った例文
- 「目の保養」の英語
- 「目の保養」の対義語
- 「目の保養」になるもの
「目の保養」の意味とは?
「目の保養」とは、直接的な意味となると「目に栄養を与える」という意味になりますが、必ずしも「目薬をさしたり、目の健康に良いことをする」というわけではありません。
「目を通して心に栄養を与えることで、美しいものや珍しいものを見て楽しむこと」を指していることの方が多い表現です。
言い換えると、「美しいもの見て楽しむこと」という意味で解釈することかできます。
- ストレス解消のための「目の保養」
- 「目の保養」の読み方
ストレス解消のための「目の保養」
このような解釈から、実際に「目の休めるための保養」というよりも、心の保養とも言い替えることができる「ストレス解消」の効果があるので、「目の保養をすること」は、どんな人に対しても通じる表現です。
どうしても「目の保養」という文字からして、「目に栄養を与える」というような感じがしてしまうのですが、目の健康に良いことをするのではなく、「目の保養」という言葉を通して、精神的なリラクゼーション、つまり癒しの効果があることを言っています。
「目の保養」の読み方
「目の保養」は「めのほよう」という読み方で問題はありませんので、素直に読んでください。
「目の保養」の類語や言い換え・似た言葉
「目の保養」と類似している言葉としては、次のような言葉がありますが、共通している意味は、「何らかの快楽に浸っている状態」を表している意味を持っています。
- 「快楽を得た」
- 「耽る(ふける)」
- 「溺れる(おぼれる)」
「快楽を得た」
この場合は、「心地よいことをした」ということになりますが、「心身共に気持ちいいことができた」という意味になるでしょう。
「耽る(ふける)」
「耽る」には、「熱中する」という意味がありますが、「快楽に耽る」などで使われる表現です。
「溺れる(おぼれる)」
「溺れる」と言うと、「水の中に落ちて死にそうになる」という意味の他に、「心を奪われて、そのことに夢中になって本心を失う」という意味合いもあります。
「快楽に溺れてしまう」といった表現で使われることもあり、あまりいい意味で使われることがなさそうです。
「目の保養」の言葉の使い方
「目の保養」の使い方については、色々なシチュエーションで使うことができる言葉なので、美しい景色を見た時やきれいな人を見た時に、よく使っていることと思います。
美しい景色を見た感動を「目の保養」を使って表現しますが、「目の保養」を使って表現する美しい景色は、心から驚いて感動するほどの壮大な景色であったりして、どんよりと溜まっていた心のストレスを爽快に解消できるような、心に染み入る美しい景色を指しています。
また、景色だけではなく美しい人を見た時に感動したなら、「目の保養」を使って表現することがありますね。
「目の保養」を使った例文
では、「目の保養」を使った例文を見ることで、この言葉の使い方を理解して行けことにしましょう。
- 「目の保養」の例文1
- 「目の保養」の例文2
- 「目の保養」の例文3
「目の保養」の例文1
「大人にとっては景色を見るだけでも十分に目の保養になりますが、子供にはまだまだ退屈なだけで、本当の良さを理解することは難しいことかもしれません」
美しい景色を見て感動することは心のリフレッシュ、癒しになるのですが、子供にとっては、まだまだ理解することができずに、ただ退屈なだけかもしれないのですね。
「目の保養」の例文2
「久しぶりにセクシーな女性に会って、とても目の保養になった」
男性はいくつになっても、スタイルの良いセクシーな女性に目が行ってしまいます。
「目の保養」は、こんなケースで使われることがよくあります。
「目の保養」の例文3
「写真や映像を通してではなく、実物の絵画をルーブルで見ることができて、本当に目の保養になった。一生の想い出にできた」
普段、めったに見ることができないような絵画や彫刻などの芸術品を目にすることができた時も、「目の保養」を使って感動を表現することができます。
素晴らしいものを見ると、その時の感動は目を通して脳にある種の衝撃を与えていくのでしょう。
その受けた感動=衝撃は、「目の保養ができた」という形で感動を伝えることができます。
「目の保養」の英語
「目の保養」を英語で表現すると、“a feast for one's eyes”となります。
「目の保養」の対義語
「目の保養」の対義語としては、「目に毒」が挙げられると思います。
本来の意味は、まさに「目の毒」ですが、「見ると必要に駆られる気持ちになるために、初めから見なかったり知らなかったりする方が良い」という意味があります。
「子供には目の毒だから、見せてはダメた」
このような場合に使われいることを聞いたことがないでしょうか?
「目の保養」になるもの
世の中には、「目の保養」になるものがたくさんありますが、いくつか見ていきましょう。
- 「イケメン」
- 「美人」
- 「世界遺産」
- 「秘境の地」
「イケメン」
「魅力的で面貌が美しい男性」のイケメンは、女性から見ていつももてはやされてきる、男性からすると、羨ましい人種ですね。
しかし、時には「ブタメン」タイプの男性でも、心が優しい「性格イケメン」が持てることもあります。
「美人」
「美人」は、いつの時代でも「目の保養」をさせてくれる魅力と力があります。
しかし、あまりにも美人過ぎて、悪女という子ともありますね。
「世界遺産」
世界遺産の中には色々な建築物がありますが、時が止まっているがのごとくに悠久の時の流れを感じさせたり、昔の人々の思いを馳せたりして、感動を与えてくれます。
その心の感動が目の保養となるのです。
そのような世界遺産も目の保養になりそうです。
「秘境の地」
前人未到の秘境の地には、目にするだけでも珍しいものやそこでしか見ることができない特別なものなどがたくさんあるのですが、これも目の保養としては、おすすめのものかもしれません。
人は、珍しいものを見たり、触れることで、心が洗われることがあります。
「目の保養」と言うと、他ではめったに見られないものを見た時や、他では触れるのとさえができないものに出会うと、本当に心から感動するものです。
このような時の感動を「目の保養」という言葉には置き換えて表現するのことができます。
単純に「他にないもの」に触れるだけでなく、見た時の感動を伝える「目の保養」という言葉は、日本語の素晴らしさの1つかもしれません。
現代社会の生活においては、何事にも一生懸命になり過ぎてしまうきらいがあるので、単調な生活であっても知らずしらずにストレスを溜め込んでしまっているのではないでしょうか。
そのような毎日の中では、新しいこと、珍しいことに触れることができる機会も減ってしまいってるはずなので、心が疲弊している時にこそ「目の保養」を考えてみることが必用なのかもしれません。
これが本当の心の癒しなのですから。