「鼻持ちならない」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
人の中には、周囲の人の気持ちを不快にさせてしまう人がいますね。
どうしてそのようなことができるのか、その人の思考回路や常識を疑ってしまいたくなりますが、おそらく他人に対する配慮が足りないか、人への思いやりが欠如しているとしか思えないのです。
このような人が私達の周囲にも少なからずいるのではないかと思います。
他人から嫌われることを何とも思っていないのですが、相手によって、自分の態度おコロコロと変えていくのですから、始末が悪いとしか言いようがありません。
このようなタイプの人を見ていて頭に浮かんでくる言葉が、「鼻持ちならない」という言葉です。
目次
- 「鼻持ちならない」の意味とは?
- 「鼻持ちならない」の類語や言い換え・似た言葉
- 「鼻持ちならない」の言葉の使い方
- 「鼻持ちならない」を使った例文
- 「鼻持ちならない」の英語
- 「鼻持ちならない」の由来
- 「鼻持ちならない人間」の特徴
「鼻持ちならない」の意味とは?
「鼻持ちならない」とは、「言動や態度が我慢できないほど不愉快である」という意味があり、「あいつは何か付けて鼻持ちならないヤツだ」というように使われる表現です。
眼帯、「鼻持ち」には「臭いのを我慢すること」という意味があり、「持ち」には「この食材は持ちがいい」と賞味期限などを指す場合の「長期間の品質や性能が持続すること」という「耐久性」という解釈になりがちですが、その「鼻持ち」を否定形の「鼻持ちならない」と表現することで「鼻の臭さに耐えることができない」という使い方が多くなっています。
その一方で「臭気」が、悪趣味とも思えるくらいに香りのきつい香水のような臭いではなく、人が不快感になるとような嫌味な言動、反感を買ってしまう不遜な態度も「穴持ちならない」という表現でその不愉快さを表すことになります。
- 「鼻持ちならない」の読み方
「鼻持ちならない」の読み方
「鼻持ちならない」の読み方は、「はなもちならない」となります。
「鼻持ちならない」の類語や言い換え・似た言葉
前述の通り、「鼻持ちならない」とは、香りや臭いで人を不快にさせる事象だけでなく、「言動や態度が我慢できないほど不愉快である」といったことの比喩的な意味がありますが、その際の類語語としては、次のような言葉が出てきます。
- 「鼻をつまむような」
- 「反吐(へど)が出るような」
「鼻をつまむような」
「鼻つまみ者」としても、よく使われる言葉ですが、意味としては、「品性が卑しくて嫌われている人間のこと」と指しています。
このような人は昔から、クラスメートや職場の同僚・上司でもいることが少なくありませんが、ちょっとした言動や仕草で、ムッとなってしまいます。
「反吐(へど)が出るような」
「反吐が出る」と言うと、直接的な意味で「飲食した物を吐く」という解釈になりますが、「鼻持ちならない」の類語としては、「物を吐きそうになるほど気分が悪くなる」や「不愉快になる」という意味で理解することができます。
「アイツはいつも、人を卑下した言い方をするので、反吐が出そうになる」という使い方があります。
「鼻持ちならない」の言葉の使い方
「鼻持ちならない」人は、「相手の見下したとような言い方や見方」をするので、どうしても周りの人から嫌われたり、反感を買ってしまいます。
そのような時に、「鼻持ちならない」で言い表すのですが、この言葉を発している人はかなり怒りの念が強くなっているのではないかと思います。
「鼻持ちならない」を使った例文
では、ここから「鼻持ちならない」を使った例文を見ていくことで、どのような場面で使われるかを理解していきたいと思います。
- 「鼻持ちならない」の例文1
- 「鼻持ちならない」の例文2
- 「鼻持ちならない」の例文3
「鼻持ちならない」の例文1
「彼らの変わらない貴族特有の鼻持ちならない態度に、住民はムッとしている」
いつの時代でも、変に高いプライドで人を見下したような接し方をする人がいるものです。
本当の貴族であれば、振る舞いそのものが高貴で、人を感動させてしまうはずなのですが、「鼻持ちならない」と比喩される人達は人間性が欠如しているとしか思えないのです。
「鼻持ちならない」の例文2
「彼はもったいぶった顔で物事を教えるので、まったく鼻持ちならない態度で周囲の人達からの信頼が薄いのです」
どんなに立派な成績を残している人でも、人に物事を教える時に偉そうな態度で接していると、やはり周りの人からの信頼はなくなっていきますし、心を寄せられることもないでしょう。
優秀な人だけに、そのように見られてしまうことは残念なことですが、本人の行動の結果ですね。
「鼻持ちならない」の例文3
「あの社員はインテリ出身ということで鼻持ちならない言動が多く、上司の逆鱗に触れてしまった」
インテリ出身といっても、色々なタイプの人がいますが、どうしても、自分のインテリさを自慢したくなって、偉そうな態度になってしまうのでしょう。
そのような人は、友人さえいない信頼の薄い人なのかもしれません。
「鼻持ちならない」の英語
「鼻持ちならない」を英語で表現すると、“be disgusting”、“be detestable”、“be offensive”という言葉で表わすことができます。
「鼻持ちならない」の由来
「鼻持ちならない」の語源を見てみると、「鼻持ちならない」は、「鼻持ちがならぬ」という言葉が変化した語句です。
元々は、「臭気を我慢する」意味が「鼻持ち」だったのですが、「ならぬ」が「できない」という意味で解釈されるようになり、「鼻持ちならない」=「臭気が我慢できない」という意味から転じて、「不愉快にさせる」と進化していったと考えられます。
「鼻持ちならない人間」の特徴
では、「鼻持ちならない人間」とは、どのような人を指しているのでしょうか?
- 「自慢話ばかりする人」
- 「相手によって態度をコロコロ変える人」
- 「自分の価値観を人に押しつける人」
「自慢話ばかりする人」
話をしていて人を不快にさせてしまう話で多いのが「自慢話」です。
自慢話は、自分は心地良いのですが、他人は聞いていて全く楽しくありませんが、人間誰しも自慢話をすることがあります。
時に自慢することは問題ありませんが、いつも自慢話ばかりしていると、まさに「鼻持ちならぬ人」と言われても仕方ありません。
お金に余裕がある人は金銭的な自慢をするし、外見的に自信のある人はルックスを自慢して、学歴の高い人は学歴自慢を話題の中心にしています。
普通の人であれば、そのような自分の強みについて人から指摘されたとしても「そんなことはありません」と謙遜するものですが、「鼻持ちならない人」は、自ら自慢話を始めてしまいますので、嫌われる対象となりやすいです。
「僕はあんな偉い人との人脈があるんだ」という自慢をするケースもよく耳にしますが、自分本人ではなくて知人・友達を自慢することで、「そんな人とのつきあいを持っている自分」で、間接的に自分を美化しているのです。
このような話ばかりでは不愉快になっても不思議ではありません。
「相手によって態度をコロコロ変える人」
「鼻持ちならない人」の中には、「上から目線で人を見下す」というタイプの人もいます。
相手をバカにすることや、嫌がるような嫌味や皮肉を言って不快な気持ちにさせたりと、いかにも自分が上の立場にいるような気持ちで相手を見下して扱うのです。
しかも、始末が悪いことに、誰に対して同じ態度を取るのではなく、相手が自分よりも立場などが下の人や力の弱い人の場合に限ってそのようなことをして、相手が自分よりも地位が上だったり、力が強いと判断したなら、豹変したようにこびへつらうのです。
会社の中でも、このような上司は、部下にはいつも高圧的な態度をしますが、相手がさらに上司だとゴマすりをするのです。
このように直属の上司がさらに上の人にゴマをする場面を目のあたりにしてしまうと、部下はその上司を信頼することができなくなります。
下には強くて上には弱いような相手によって態度がコロコロと変わる人が「鼻持ちならい人」の特徴の1つです。
「自分の価値観を人に押しつける人」
自分に絶大の自信を持っている過剰なまでに高い自己評価をする人も「鼻持ちならない人」と言えるでしょう。
「自信満々」なので、自慢話に発展していくと同時に、価値観を他の人もに押しつけようとするのです。
人の価値観は各々違いますので、それぞれの考え方や生き方を否定することができません。
しかし、自信満々な人は、自分と同じように相手に強制させてしまいがちで、その価値観を押しつけることで相手を精神的に自分に従わせるという傾向が強いのです。
「鼻持ちならない」タイプの人は、常に周囲の人の反感を買うだけでなく、不快な気持ちにさせてしまいます。
それが一時的なものであれば、やり過ごすことで何とかなるのですが、会社のように組織で動いている中では、士気の低下につながることがあります。
したがって、日頃の行動の中で自分自身もそのように見られていないかを自覚して見つめ直すことも必要かもしれません。