「お役御免」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
お役御免と言われると、誰でもドキッとすることでしょう。
しかし、本来の使い方や意味を知っている人は多くありません。
その意味や解釈についての知識を深め、ボキャブラリーを広げていきましょう。
目次
- 「お役御免」の意味とは?
- 「お役御免」の類語や言い換え・似た言葉
- 「お役御免」の言葉の使い方
- 「お役御免」を使った例文と解釈
- 「お役御免」の英語
- 「お役御免」を分解して解釈
- 「お役」を使った言葉と意味を解釈
- 「御免」を使った言葉と意味を解釈
「お役御免」の意味とは?
これまで自分に与えられていた役目や役割、仕事などを辞めさせられることを「お役御免」と言います。
また、上記の他に古くなった物、壊れた物などの不要品を手ばなしたり処分することも「お役御免」の持っている意味のひとつです。
- 「お役御免」の読み方
「お役御免」の読み方
お役御免は「おやくごめん」と読みます。
役には「やく」の他にも「えき」という音読みの仕方があり、これも頻繁に目にする読み方でしょう。
ただし「えき」と読むのは「労働を課す」「戦わせる」といった意味がある場合です。
お役御免の意味から考えると、割り当てられた任務や役目といった場合に当てはめられる「やく」と読むのが適切になります。
また「御」に関しては「ご」の他にも「お」と読むケースも多いでしょう。
この区別の仕方として、100%ではないものの音読みと一緒に使われる場合は「ご」と読むケースが多くなります。
ですから「お役御免」の場合、御は「ご」と読み「おやくごめん」となるのです。
「お役御免」の類語や言い換え・似た言葉
お役御免の他にも役割や仕事をやめさせられる、不要な物を処分するといった様な意味の言葉を紹介していきます。
どういったところが「お役御免」の意味と似ているのか、また違いはあるのかに注目して見ていきましょう。
- お払い箱
- 首
- 引導を渡す
- 解雇、免職
お払い箱
お払い箱の意味は、不用になった人や物を解雇したり捨てることです。
本来、お祓い箱という字があてられており、このお祓い箱とは神社などで使用後のお札を入れる箱を指していました。
つまり、使用済みの不用になったお札を処分する事と「お払い箱」をかけているのです。
首
この首とは、身体の一部を指し示している訳ではありません。
「首にする」「首になる」の他に「首を切る」「首がとぶ」といった使い方をして、これは主に「職を解雇する、される」際に使用します。
お役御免の場合は、仕事や職を解雇されるに限定されず、自分が担っている役割をやめさせられる事ですから、その点が首とは違うところでしょう。
引導を渡す
引導を渡すの本来の意味は、死者が迷わずに悟りを開けるように僧が引導を授けるというものです。
ですが、今ではそこから「相手に最終宣告をする」という意味として使われる事が一般的になっています。
そのため、不要になった人物などに対して引導を渡すことは「お役御免」と同じような意味を持つと言えるのです。
ですから「引導を渡す」が、どんな場面でも「お役御免」に言い換えられる訳ではありません。
解雇、免職
お役御免は、時に「解雇」や「免職」と同じように使う事が可能です。
仕事をリストラされた、首になった場合に「お役御免」を使用した時は「解雇」や「免職」という言葉に言い換えられるでしょう。
「解雇」は一般的なサラリーマンが職を解かれた場合に「免職」は公務員が職を失った場合に使われる言葉になります。
「お役御免」の言葉の使い方
お役御免というと、あまり良い印象がないでしょう。
しかし、お役御免とは尊敬語であり、相手を敬うのが本来の使い方になります。
ですから、これまでの役割や仕事を労うというニュアンスが込められているのです。
今では相手を非情に切り捨てる際の言葉のように使われる事も多いのですが、本来は相手を敬う使い方をすると覚えておいてください。
「お役御免」を使った例文と解釈
お役御免は、様々なシーンで使用される言葉です。
しかし、その使い方や場面によってその感じ方やニュアンスは異なることもあります。
そこで、例文によって実際の使い方や解釈を覚えていくことにしましょう。
- 「お役御免」の例文1
- 「お役御免」の例文2
- 「お役御免」の例文3
「お役御免」の例文1
「後人が順調に育ってきたので、そろそろ指導者としてお役御免こうむりたい」
この例文では、後人育成という結果を出した故に、指導者としての役割は既に果たしたので、その役割をおりたいという意味で「お役御免こうむる」という言葉が使われています。
こうした「お役御免こうむる」という表現をする場合、自らその役割をおりたい、辞したいという意味になるのです。
「お役御免」の例文2
「この倉庫には、お役御免となった道具が集まっている」
お役御免となった道具、すなわちそれは、古くなったり壊れたりといった理由で不必要になった道具ということです。
この例文のように、役割や職をやめさせられるという意味だけではなく、不必要となった物、処分される物を指して「お役御免」を使用する事も多くなります。
「お役御免」の例文3
「仕事で優秀な人材がどんどん台頭し、彼はお役御免になってしまった」
この例文のお役御免は役割を果たして仕事をしなくても良くなることではなく、使い物にならなくなった結果、首(解雇)になったという意味です。
上記の例文の場合は、良い意味や労るといったニュアンスは感じられません。
「お役御免」の英語
お役御免を英語で表す場合“relieved of ~”と訳することが出来ます。
“relieved of ~”は~から解放されるが基本の意味になり「~の職を解かれる」「退く」とも使われるのです。
他に“unnecessary”という英語には不必要な、無用のという意味があります。
これもお役御免の英訳として使用することも出来るでしょう。
「お役御免」を分解して解釈
お役御免という言葉は「お役」と「御免」の2つに分けることが出来ます。
それぞれ別の意味がある言葉ですから、分けた場合の解釈について見ていきましょう。
面白い発見もあるかもしれません。
- 「お役」
- 「御免」
「お役」
お役とは、お役目の略語になります。
お役目には、公から命じられた勤めという意味があり、また「お」がつく事から、その役目を勤める相手を敬った言い方です。
この他にも、自ら積極的に行う訳ではなく、義務としてやむを得ずにする仕事のことをお役目という言い方をする事もあります。
どちらにしろ、誰かから命じられたり、お願いされた役割や仕事などを指す言葉です。
「御免」
「御免」には、想像以上に複数の意味があり驚く人もいるでしょう。
まず、御免には「許しを得ること」や「免許を得る」といった意味があります。
また、「役職などが解かれる」という意味であると共に、その「相手を敬う」意味も御免には含まれているのです。
さらには「拒否する」「嫌がる」という意味でも「御免」は使用されます。
そして、よく知られている「御免」の意味には「謝る」「許しをこう」や「誰かの家を訪ねた時の挨拶」が思い浮かぶでしょう。
ざっと「御免」には、これほど多くの意味や解釈の仕方があるのです。
「お役」を使った言葉と意味を解釈
「お役御免」の「お役」に焦点をあて、これを使用した言葉とその意味などを考えてみましょう。
お役を使った言葉にはどのようなモノがあるのでしょうか。
実際に役立つ言葉もありますから、覚えておいて損はありません。
- 「お役に立つ」
- 「お役目を果たす」
「お役に立つ」
「お役に立つ」は役立つに「お」をつけた丁寧語です。
そしてお役に立つに使用されている「立つ」は「物事が好ましい形で成り立ったり維持されたりする、使用価値がある」といった意味で使われています。
ですからお役に立つとは、自分の役割や仕事が何かに有用であったり価値あるという意味なのです。
またお役に立つは、自分や自分の物が上司や目上の相手の為に役立った(立てる)時に使用する言葉となります。
相手と立場が平等の場合は「お役に立つ」とは使いません。
「お役目を果たす」
「お役目を果たす」は役目を果たすの丁寧語になります。
与えられた役割、割り振られた役をきちんと完遂する、成果を出すという意味です。
役目を果たすではなく「お役目を果たす」ですから、これは役目を果たした人物に対する敬いの気持ちを表現する際に使用します。
「御免」を使った言葉と意味を解釈
次にお役目御免の「御免」を使用した言葉やその意味を解釈していきましょう。
「御免」には様々な意味があることは、先に説明した通りです。
「御免」を使用した言葉には、いくつもありますからそれぞれ解釈も含めて見ていきましょう。
- 「天下御免」
- 「御免ください」
- 「御免あそばせ」
「天下御免」
公然と許されていること、一般的に認められていることを「天下御免」という四文字熟語で表現することが出来ます。
例えば「有力者である彼の父は、この町では何をしても天下御免だ」とは、この町では彼の父は何をしても許されるといった意味です。
誰の目も気にすることなく、また咎められることもなく振る舞える様を表しています。
「御免ください」
「御免ください」は誰かの家などを訪ねていった時の挨拶の仕方になります。
普段は何も考えず、ただの挨拶として使用しているでしょう。
しかし、もう少し深く考えてみると御免には許可をもらうという意味がありますから、他人の家にあがる許可を得るための言葉ともとれます。
「御免あそばせ」
「御免あそばせ」はごめんなさいと同じ意味になります。
ただこの言い回しは、あそばせ言葉といい「~なさって」という尊敬語です。
ですから本来なら「お許しください」など目上の人に許しをこう際の言葉になります。
しかし、今では高飛車な謝り方という印象が強く、真心が伝わりにくい言葉となってしまっています。
お役御免は、人を切り捨てるような非情な言葉のように思われている節があります。
しかし、本来は尊敬語であり主語に対して敬う意味が込められた言葉なのです。
こうした本来の意味を知ると「お役御免」の言葉のイメージも変わってくるでしょう。