「夜のしじま」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「夜のしじま」とは、「夜の静寂・物音がしない静まり返っている夜」を示す言葉です。
「夜のしじま」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文・英語・語源・しじまを使った言葉」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「夜のしじま」の意味とは?
- 「夜のしじま」の類語や言い換え・似た言葉
- 「夜のしじま」の言葉の使い方
- 「夜のしじま」を使った例文
- 「夜のしじま」の英語
- 「夜のしじま」の語源や由来
- 「しじま」を使った言葉と意味を解釈
「夜のしじま」の意味とは?
「夜のしじま」の意味は「夜の静寂・物音一つ聞こえない静まり返っている夜」のことであり、「静かな夜」のことを意味しています。
「夜のしじま」というのは静かな夜のことなのですが、その意味として「物音が何もしないこと」以上に「誰も言葉を話していないこと」が強調されています。
そのため、夜のしじまを漢字表記する時には、一般的に「夜の静寂」と書かれますが、「夜の無言・夜の黙」として誰も人がしゃべっていないことを強調している漢字表記もあります。
「夜のしじま」という言葉は「稠密な暗闇の広がり+話し声も物音もしない静寂」を意味しています。
特に、夜のしじまという言葉が生まれた現代のような照明・電灯がない昔の時代には、「真っ暗な夜の静寂」が人の心にある種の特別な「落ち着き・諦観・恐怖・不安・物思いの機会」を与えていたと推測されます。
- 「夜のしじま」の読み方
「夜のしじま」の読み方
「夜のしじま」の読み方は、「よるのしじま」になります。
「夜のしじま」の類語や言い換え・似た言葉
「夜のしじま」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「夜のしじま」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「夜の静寂」
- 「静謐な夜(せいひつなよる)」
- 「夜の沈黙・話し声一つしない夜」
「夜の静寂」
「夜のしじま」の類語・言い換えとして、「夜の静寂」があります。
「夜のしじま」は漢字表記すると「夜の静寂」と書かれることが多いように、「何も音・声がしない静まり返っている夜のこと」を意味しています。
そのため、「夜のしじま」はそのまま「夜の静寂」として言い換えることができるのです。
「静謐な夜(せいひつなよる)」
「夜のしじま」の類語・似た言葉として、「静謐な夜(せいひつなよる)」があります。
「夜のしじま」とは「夜の静寂・話し声や物音のしない静かな夜」のことであり、「静寂」と類似した言葉として「静謐」を上げることができます。
「静謐」という言葉の意味は、「静かで落ち着いていること・様子」や「世の中の秩序が整っていて静かに治まっていること」になります。
そのため、「夜のしじま」と似た言葉として「静謐な夜」を上げることができます。
「夜の沈黙・話し声一つしない夜」
「夜のしじま」の類語・言い換えとして、「夜の沈黙・話し声一つしない夜」があります。
「夜のしじま」は現代風に漢字表記する場合に「夜の無言・夜の黙」と書かれることもあり、「誰も言葉を話していない静まり返った夜」という意味のニュアンスがあります。
「夜のしじま」には「物音一つしない静かな夜」の意味合いがありますが、それと同等以上に「誰もおしゃべりをしていない静かな夜・話し声がまったく聞こえない静かな夜」という意味合いがあるのです。
そこから、「夜のしじま」という言葉は、「夜の沈黙・話し声一つしない夜」という言葉で言い換えることができるのです。
「夜のしじま」の言葉の使い方
「夜のしじま」の言葉の使い方は、「何も物音がしない静まり返った夜」や「誰もおしゃべり(会話)をしていない静かな夜」に対して使うというのが基本になります。
「夜のしじま」とは「無音の静かな夜」というニュアンスがありますから、「しーんとしている何も音・声が聞こえない静かな夜の感じ」を感じている時に、「夜のしじま」という言葉を使用することができるのです。
何も音・声がしない「夜のしじま(夜の静寂・夜の無言)」が急な騒動・大声で破られる時には、「夜のしじまが破られる」という慣用的な表現を使うこともできます。
真っ暗な静まり返った夜の時間帯に、自分の心が落ち着いていて内省的・思索的になっているような場合にも、「夜のしじまの中、一人物思いする」というような使い方もできます。
「夜のしじま」を使った例文
「夜のしじま」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか?「夜のしじま」を使った例文について紹介していきます。
- 「夜のしじま」の例文1
- 「夜のしじま」の例文2
- 「夜のしじま」の例文3
「夜のしじま」の例文1
夜のしじまには、人の心を不安にさせる暗闇の恐ろしさもあるが、逆に人の心を穏やかに落ち着かせて自省させる不思議な力もある。
「夜のしじま」の例文2
火事・地震か事件・暴動でも起こったのだろうか、突然、夜のしじまを打ち破るような喧騒に包まれ、救急車のサイレンが辺り一帯に響き渡り始めた。
「夜のしじま」の例文3
夜のしじまの中で物思いに耽っていると、過去に恩義を受けた懐かしい人たちの顔が次々に思い浮かんでくる。
もっと人の役に立って恩返しするような生き方がしたいという決意を、夜のしじまの思索を通して新たにすることができた。
「夜のしじま」の英語
「夜のしじま」の英語は、“night hush”、“a silent night”、“the silence of the night”、“a quiet night”、“stillness of night”などになります。
「夜のしじま」は「夜の静寂」「静かな夜」を意味していますので、英語表現においても“silent night”(静かな夜)を基準にして様々な表現を工夫することができます。
「夜のしじま」の真っ暗で静まり返っている状態を表す英文として、以下のようなものがあります。
“It was a dark and quiet night. ”(暗くて静かな夜でした。)
「夜のしじま」の語源や由来
「夜のしじま」の語源・由来は、日本古来の言葉である「ヤマト言葉(大和言葉)」にあると推測されています。
中国から漢字が伝来して平安時代にカナ(平仮名・片仮名)が作られるまで、古代の日本にはヤマト言葉を表記する文字(平仮名)がなかったので、漢字の「黙」などに「しじま」というヤマト言葉の読みが当てられていた可能性があります。
しかし、平安時代の「源氏物語」にも見られる「しじま」の原義は「口を閉じて黙っていること」であり、「静まり返っている・物音や話し声がしない静かな状態」という意味の「しじま」の用法が生まれたのは、20世紀初頭の比較的新しい時代とされています。
「夜のしじま」に「夜の静寂・夜の無言・夜の黙」などの当て字をし始めたのは、早くても近代以降であり、近世の江戸時代以前には「夜の静寂・夜の無言・夜の黙」などの当て字をして「夜のしじま」と読ませることは無かったと考えられています。
「しじま」を使った言葉と意味を解釈
「しじま」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「心のしじま」
- 「しじまに響く」
「心のしじま」
「心のしじま」とは、「心の状態が静まり返って落ち着いている様子(喜怒哀楽の激しい感情によって波風が立たないこと)」や「何も考えたり感じたりしていない平静な心理状態」を意味しています。
「心のしじま」は、心に感情の波風が立たず落ち着いているという良い意味に使われることもあれば、何かを考えたり感じたりする心の感受性が鈍麻していて気持ちが動かないというあまり良くない意味に使われることもあります。
「しじまに響く」
「しじまに響く」というのは、「物音一つしない静まり返った空間・時間に、何かの音・声が響く状況」を意味しています。
何も音がせず誰も話していない「しじまの状態」だからこそ、何かの音・声がすればとても良く響くのです。
「しじまに響く」という言葉は、「山から小石が落ちてくる音がしじまに響いた」や「カラスの大きな鳴き声がしじまに響く」といった使い方をすることができます。
「しじまに響く」と似た言葉として「しじまを破る」があり、「静寂の支配する空間・時間」を破るような物音や鳴き声、話し声が聞こえてきて、その音が非常に良く響くことを意味しているのです。
「夜のしじま」という言葉について徹底的に解説しましたが、夜のしじまには「夜の静寂・話し声や物音がしない静まり返っている夜」などの意味があります。
夜のしじまの類語・言い換え・似た言葉としては「夜の静寂」「静謐な夜」「夜の沈黙・話し声一つしない夜」などがあります。
「夜のしじま」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。