「怖気付く」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
今ひとつ一歩が踏み出せないときや、行動できない時に「怖気づく」という言葉を使うことがあります。
意味や使い方について詳しく解説していきましょう。
目次
- 「怖気付く」の意味とは?
- 「怖気付く」の類語や言い換え・似た言葉
- 「怖気付く」の言葉の使い方
- 「怖気付く」を使った例文
- 「怖気付く」の英語
- 「怖気付く」の反対語
- 「怖気」を使った言葉と意味を解釈
「怖気付く」の意味とは?
気持ちがすくんで行動に移せないこと、自信が持てずに実行できない時に使われます。
文字の意味をたどると「怖いことに気づく」となるように、実行することが怖くなってしまう意味を持っています。
行動によってもたらされるリスクがチラついて、実行する勇気が持てずに何もできなくなってしまう様や、そうした相手を挑発する時に「怖気づいたのか?」といった使い方をされます。
- 「怖気付く」の読み方
「怖気付く」の読み方
「怖気付く」=「おじけづく」と読みます。
怖い(こわ-い)、怖れる(おそ-れる)、気(き、け)…漢字そのものを読むときにはこのように読みますが、「怖気付く」になると「おじけづく」となります。
「こわい」は、「怖い」、「恐い」など漢字によって意味の使い分けがあり、起こるかもしれないと危ぶむ、不安に思う時に「恐い」を使い、「怖い」は起こる起こらないと関係なく感じる不安を表しています。
「怖気付く」の類語や言い換え・似た言葉
- 「縮み上がる(ちぢみあがる)」
- 「居竦まる(いすくまる)」
- 「ブルってしまう」
「縮み上がる(ちぢみあがる)」
不安や恐怖を感じて緊張感でいっぱいになってしまう、行動に移せなくなってしまう様です。
「スキー場でキツイ斜面に縮み上がった。」
「居竦まる(いすくまる)」
その場に固まってしまうことです。
不安や自信のなさ、恐怖で身動きできなくなってしまった時の様子を表しています。
「炎の強さに居すくまってしまって消火活動に加わることができなかった。」
「ブルってしまう」
口語で、自分の力で立ち向かうことができない、手に負えないという気持ちが先に立って行動できない時に使われます。
「あいつとケンカ沙汰なんてブルっちまうな。」
「怖気付く」の言葉の使い方
「怖じ気づく」は、自分の手に負えないという怖さ、不安、自信のなさに、行動に移せない様を表しています。
- やるべきことができなかった時に「怖気付いてできなかった」
- 行動に移せない相手を挑発するときに「怖気づいているんだろう!」
…といった使い方をします。
「怖気付く」を使った例文
あれこれ考えてしまって行動に移せない自分の気持を表すときもあれば、「怖気づいてしまったのだろうか」と相手の気持ちを推し量っている場合に使われることもあります。
実際に「怖気付く」がどんな場面で使われるのかみていきましょう。
- 「怖気付く」の例文1
- 「怖気付く」の例文2
- 「怖気付く」の例文3
「怖気付く」の例文1
『怖気付いてしまった自分が情けない』
本来自分が行動しなければならなかったのに、勇気が持てなくて実行できなかったという表現です。
- 災害救助で、自分も危険な目に遭うことを恐れて救助活動に加わる事ができなかった。
- 試験に落ちたときの周りの目が気になって、試験が受けられなかった。
- 勝負にでるべき場面で決断できず大きな契約を逃してしまった。
こうした後悔の気持ちに自分をせめてしまうような場面とセットになっているとも言えるのが「怖気付いて」しまった様子なのです。
「怖気付く」の例文2
『あいつのことだから怖気付いてしまったのさ』
ヘタレ、弱虫、意気地なし、責任放棄…など、気持ちの弱さからマイナス評価する時に使われる言葉です。
そんな気持ちを持った人は、すぐに「怖気付く」人間だと思われてしまいます。
- 結婚相手を見つけたいのに一向に告白すらしない。
- せっかくのビッグチャンスをみすみす逃してしまった。
- 正体を明かして議論するはずだったのに捨て台詞を残して消息を断った。
自己評価が低い自信のなさ、口だけのビッグマウスなど、行動に責任が持てない、向き合うべきことに向き合わない人を軽蔑して「怖気付く」という言葉を使う場合があります。
「怖気付く」の例文3
『怖気付いてんじゃねえぜ』
昔のコミックで、ヤンキーの抗争、ケンカの時に聞いたことがあるのではないでしょうか。
相手をあおる、「弱虫けむし」、「前の母ちゃんでべそ」レベルの言葉と似た使い方をされることもあります。
- 万引きを強要した弟分にハッパをかける。
- ケンカで相手が暴力事件になることを恐れてかかってこないとき。
- くだらないチキンレースで相手をあおる、挑発するとき。
怖気付くヤツは、意気地なし、男気にかける、でかいことができないなどのマイナス評価が下されるヤンキー界では、「怖気付いてんのかよ」といわれたら、カッとなって平常心を失うというというのがお約束です。
「怖気付く」の英語
- 動詞として平伏する、萎縮することを表すのは…
- “intimidated”を使った表現では…
動詞として平伏する、萎縮することを表すのは…
“crawl”(動詞-ペコペコする)、“creep”(動詞-這う、忍び寄る)、“grovel”(動詞-恐怖で服従)、“cringe”(動詞-恐怖ですくむ)、“cower”(動詞-寒さや恐怖で縮こまる、すくむ)
“intimidated”を使った表現では…
“become intimidated”(怖い思いをする、怖気付く)
“be intimidated by someone's spirit”(someone's spiritに怖気付く)
“be intimidated by〜”の形では、「〜の部分に対しておびえる、怖がる」という表現になります。
例文の“intimidated by someone's spirit”では、「誰それの気迫に怖気付いた」という意味になります。
「怖気付く」の反対語
「怖気」そのものの反対語はなく、「怖気付く」の逆の意味を表すときには「怖気づかない」となります。
怖気付くのは、自分に自信がない、自己評価が低い、責任に向き合う精神状態になっていないからです。
自分の気持を強く持って、責任を負う気持ちになれたら、物事に向かうことができ行動につながるのです。
『あれこれ思い悩んで行動できない』ことの反対の状態が、『怖気付かない』状態だと言えるでしょう。
ここでは、反対の状況を表す表現を挙げていきましょう。
- 「怖気付かないで」
- 「勇気を出して」
- 「自分を信じる」
「怖気付かないで」
- 怖気付いていないで思う世界に飛び込んだほうが良い。
- 怖気付いてちゃ何もできないじゃないか。
「勇気を出して」
- いま決断すべき。勇気を出して!
- 試験に怖気付いてる場合じゃない。勇気を出して向き合うべきだ。
「自分を信じる」
- 怖気付いていても何も始まらない。自分を信じて行動したほうが良い。
- 怖いと感じてすくんでしまうのは自分を信じる気持ちが足りないからだ。
「怖気」を使った言葉と意味を解釈
怖気付くの「怖気」は分解すると「怖い・気持ち」となりますが、単語としての意味はどんなものなのでしょう?
「怖気」と使う場合には、発音が「おぞけ」になる場合もあります。
「怖気」を使ったほかの言葉についてもみていきましょう。
- 怖気立つ(おぞけだつ)
- 怖気をふるう(おじけ・おぞけをふるう)
- 怖気がはしる(おじけ・おぞけがはしる)
怖気立つ(おぞけだつ)
怖気はゾッとする、おそろしさを感じる気持ちです。
ブルッとくる身の毛もよだつという意味で使われる表現です。
「怪談話を聞いて背筋が凍る思いをした」という表現を言い換えると「怪談話を聞いておぞけだった」となります。
怖気をふるう(おじけ・おぞけをふるう)
こわいと言う気持ちを奮い立たせてなんとか頑張る様子。
怖気付きそうになるところを踏ん張っているという時に使うので、大勢の前で挨拶をする時に、「怖気をふるっているところでございますので、なにとぞご容赦ください」
などということもあります。
怖気がはしる(おじけ・おぞけがはしる)
恐ろしい気持ちになって背筋がゾクッとする、鳥肌が立つという時に使います。
「以前通ったトンネルで、バックミラーに何写ったように感じて気味が悪かったが、事故死があったのを聞いて怖気が走った」という表現ができます。
「怖気付く」は、おそろしさに気持ちが萎えてしまう、行動に移せなくなるという時に使います。
自分に自信が持てる、ポジティブシンキングとは逆の意味になり、悪口やマイナス思考を表します。