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「体制を敷く」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

日本語には、色々な言葉がありますが、私達がよく使う言葉の数はどのくらいあるでしょうか?

日常的に使われている言葉は数千語もあるのではないかと思える程に、数多くの言葉を使いこなしながら、日常会話、ビジネスコミュニケーションを成立させています。

特にビジネスの世界では、日常では中々使うことがないような単語も出てきていますが、その中でも専門的な用語を中心に商談や会議で議論をすることが、日常茶飯事のことでしょう。

自宅で家族と会話する中では、全く使わない言葉でも、仕事上では、よく使う用語が数多くありますね。

その中でも「体制を敷く」という言葉などは、会社にいると、当たり前のように使っているのではないかと思います。

体制を敷く

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「体制を敷く」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「体制を敷く」の意味とは?
  • 「体制を敷く」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「体制を敷く」の言葉の使い方
  • 「体制を敷く」を使った例文
  • 「体制を敷く」の英語
  • 「体制を引く」は間違い?
  • 「体制」を使った言葉と意味を解釈


「体制を敷く」の意味とは?

「体制を敷く」の意味とは?

「来年度から新しい体制を敷いて、社内を活性化させる」

「4月からは、組織改革に着手し新たな体制を敷いて、風通しを良くする」

このように「体制を敷く」という言葉は、会社に勤めていると、耳にすることが決して珍しいことではないでしょう。

「体制」とは「物の組み立てられた状態のこと」という解釈ができ、組織的な観点では、「国家、社会、組織の仕組み、様式」の意味を持っており、特に「政治支配下における社会の状態のこと」を言うことが多いです。

また、「敷く」とは「上に物が乗るように平らに広げること」「上に乗って押さえつける」あるいは「地面に一面に散らす、並べる」という意味があります。

「敷く」では、「道に砂利(じゃり)を敷く」「庭に石を敷く」などの表現として使われていますが、「体制を敷く」「完成された物や仕組みにする」ということから、「国家や組織の仕組みを構築する」と理解することができます。

この言葉は、会社や政治、団体などにおける組織的な仕組みを準備する場合に使われることが多い表現と言えるかもしれません。

  • 「体制を敷く」の読み方

「体制を敷く」の読み方

「体制を敷く」の読み方は、「たいせいをしく」となりますが、決して難しい読み方ではないと思います。



「体制を敷く」の類語や言い換え・似た言葉

「体制を敷く」の類語や言い換え・似た言葉

では、「完成された物や仕組みにする」といったような意味合い持つ「体制を敷く」に似たような意味を持つ言葉としては、どのようなものが類義語として考えられるでしょうか?

  • 「体制を整える」
  • 「体勢を取る」
  • 「組織化」
  • 「オーガナイゼーション」

「体制を整える」

「体制を整える」という表現が「体制を敷く」の類義語して挙げられることでしょう。

「整える」とは「目指す状態に全体をよくまとめ上げること」「きちんとした形にする、調整する」などの意味を持っていますので、一旦崩れた仕組みを再構築したり。

不完全で未熟な組織をきちんと整理して、組み立て直すことの意味合いがあります。

「体勢を取る」

「体勢を取る」「体制を敷く」に近い意味を持つ言葉して、考えられる類義語かもしれません。

というのも、ここで言っている「取る」とは、従来のフレーム(枠組み)から新たな仕組み(フレーム)への「シフト」というニュアンスもありますので、今までになかった周囲の環境に適した「体制にする」という解釈ができると思います。

「組織化」

「組織化」という言葉もビジネスの世界では、よく用いられる言葉ですが、「組織化」とは「情報や知識が社内で共有化されている」ことで、「組織としての力を発揮できる状態になっている」という意味がありますので、この言葉も「体制を敷く」に近い意味を指しています。

「オーガナイゼーション」

これは、「組織」の英語をカタカナ語にした言葉ですが、前項の「組織化」などの代わりに使われることがありますので、「体制を敷く」の言い換えとしても使用可能な言葉でしょう。

「体制を敷く」の言葉の使い方

「体制を敷く」の言葉の使い方

「体制を敷く」の言葉を使う場面としては、組織改革などや、新たな動きに対して、対策と講じることに必要なフレームワークを構築する時に用いられると思われます。

企業は市場の変化に常に対応できる柔軟性が求められていますので、その動きに対応できる仕組みを構築する時に「体制を敷く」という表現が適切な言葉かもしません。



「体制を敷く」を使った例文

「体制を敷く」を使った例文

では、「体制を敷く」を使った例文を見ていくことにしましょう。

  • 「体制を敷く」の例文1
  • 「体制を敷く」の例文2
  • 「体制を敷く」の例文3

「体制を敷く」の例文1

「彼は経済再生を約束したが、かなり強圧的な体制を敷いたため、経済はむしろ、悪化の一途をたどったのです」

「体勢を敷く」目的は、今までの硬直した問題を打開する時に行うことですが、経済再生のために国レベル、自治体レベルでも様々な政策・施策が講じられることになります。

しかし、その内容があまりにも強権的なことであれば、むしろ景気が逆行するように停滞する恐れもあります。

「体制を敷く」の例文2

「彼はマンツーマンの個別指導体制を敷いて、学生に多くの課題を与えることで、学力向上を目指した」

進学でも、塾の体制をクラス別指導から個別指導にシフトすることで、個々の学力をアップさせるところが増えています。

その中には、例文のように、学生1人ひとりに多くの課題を与える塾もあるようです。

「体制を敷く」の例文3

「A国攻略後、B将は各部隊をH国周辺に配置して警備体制を敷いた」

「体制を敷く」には、「組織を強化する」というようなニュアンスもありますので、このように軍の体制を敵軍、敵国に意識して整えることもあります。

「体制を敷く」の英語

「体制を敷く」の英語

「体制を敷く」と英語で表現するなら、“lay out the framework”となるでしょう。

「体制を引く」は間違い?

「体制を引く」は間違い?

「体制を敷く」「敷く」とよく混同しがちな表現に「引く」がありますが、「し」「ひ」はよく間違われる表現なのは、発音が似ていて聞き間違いも多いからかもしれません。

この場合、正しい表現は、「体制を敷いている」が正解となるのですが、その理由は、「体制」「設置」という見解からです。

「引く」とは、「引っ張る」という理解をしてみると、その違いが分かると思いますのでこのような僅かな違いなのですが、「敷く」「引く」の違いを正しく理解しておくことが重要です。

「体制」を使った言葉と意味を解釈

「体制」を使った言葉と意味を解釈

では、「体制」を使った言葉とその意味も解釈してみることにしましょう。

  • 「社会体制」
  • 「旧体制」
  • 「支配体制」

「社会体制」

「資本主義の社会体制が保たれることで特権を有する支配階級の人々は、あらゆる手段をつくして、新しい社会体制の発展を阻もうとするのです」

「体制」を使っている言葉では、「社会体制」という単語が出てきますが、世の中には、「民主主義」「社会主義」などの「社会体制」があります。

その中でも、特権階級の人々は、自分達の権利を失わないように新しい変革には、反対なのです。

「旧体制」

「旧体制の残る力は、最後の機会として、国民に強い犠牲を強いることになるだろう」

いつの時代にも、新たな歴史への動きについていけず、旧態依然の古い慣習に甘えていたいということを考えているものですが、その結果、犠牲になるのは国民かもしれません。

「支配体制」

「A国は、新たな国家元首が選出されたのですが、今までにも増して、より強権的な支配体制に戻るかもしれない」

一国の動きは、国の元首によって大きく変わってくる可能性があります。

しかし、混迷している国においては、強権的な力で国をまとめていくしかないことがあるのも、過去の歴史が物柄っています。

明治維新後、薩摩出身の大久保利通は、内務省のTOPして強大な力を待つことになりましたが、それは決して私利私欲のためではなく、強固な日本を作るためと言われています。

道半ばにして命を落とすことになるのですが、「支配体制」と言うと、何故か否定的な印象を覚えてしまいます。

しかし、決してそうではない場合もあることも理解しておくといいでしょう。

icon まとめ

「体制を敷く」という言葉は、実に奥の深い意味を持っていると思います。

今の日本では、国家レベルで強権的な支配「体制を敷く」ということはありませんが、企業では、この言葉を使うことは珍しくないので、使い方を十分に理解しておいた方がいいかもしれません。