「多分に」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には、色々な役目を果たしている言葉がたくさんあります。
何気なく使っている用語やビジネスシーンでも色々な意味で使っている言葉が数多くありますが、その中で、その単語自らで機能する言葉もあります。
主語にならない語句の中には、動詞、形容詞、形容動詞を修飾する言葉がありますが、副詞もそれに当てはまります。
その身近な副詞の中に、「多分に」という表現があります。
ごく普通に使っている言葉なので、その意味や使い方をしっかりと理解している人が意外に少なかったりします。
ここでは、この言葉の意味を理解するとともに、どのような場面で使われるのかを見ていくことにしたいと思います。
目次
- 「多分に」の意味とは?
- 「多分に」の類語や言い換え・似た言葉
- 「多分に」の言葉の使い方
- 「多分(に)」を使った例文
- 「多分に」の英語
- 「多分に」の反対語
- 「多分に」を使う時の注意点
- 「多分に」を使った言葉と意味を解釈
「多分に」の意味とは?
「多分に」という言葉は、あまりにも日常生活の中や職場でも使われている言葉なので、その意味を分かっていそうで、分かっていないということが少なくありません。
「多分に」の意味は、「量・程度が多いこと」という意味や、「たくさん」、「かなり」、「おそらく」、「たいてい」という意味があります。
「多分に大丈夫だろう」、「多分に出資が得られた」などの言い方で耳にしたことのある人もいるはずです。
- 「多分に」の読み方
「多分に」の読み方
「多分に」は「たぶんに」という読み方になりますが、普段の会話の中でもよく用いられる言葉なので、読み方で戸惑う人は、そんなにいないでしょう。
「多分に」の類語や言い換え・似た言葉
では、「多分に」と同じような意味を持っている類義語や言い換えができる言葉としては、どんなものがあるのでしょうか?
- 「おおかた」
- 「おそらく」
「おおかた」
「おおかた」という表現も私達の会話の中で使われる頻度が高い言葉で、意味としては、「あらかた」、「ほとんど」、「大体のところ」になります。
「今日の仕事はおおかたできあがった」
というような会話の中に盛り込まれています。
また、「おそらく」や「物事の大体・大部分」、「あらまし」などのニュアンスもあります。
「出場者のあらかたあの男だよ」
「優勝者はあらかた決まっている」
こんな形で使われています。
「おそらく」
「おそらく」も「多分に」の同義語として挙げることができるでしょう。
「推し測って考えると」という意味があり「おそらく彼女はここにはやって来ないだろう」というようなケースで使います。
「多分に」の言葉の使い方
「多分に」の使い方を考えてみると、後に続く言葉の推量的な表現を伴って、かなり確実的な意味での推量判断を強める時に使われる言葉です。
また、将来の悪い結果や方向を予測して言う場合でも、この「多分に」や「多分」が使われます。
「多分(に)」を使った例文
では、「多分(に)」を使ったケースの文を見ていくことにしますので、この言葉がどのような場面で使えるかを理解することができるでしょう。
- 「多分に」の例文1
- 「多分に」の例文2
- 「多分に」の例文3
「多分に」の例文1
「朝の電車の中は、多分に混んでいると思います」
朝、通勤・通学のために、乗る電車は、たいていは満員で座ることができなかったり、車内で潰されるような感じがするほどたくさんの乗客が乗っています。
しかし、初めて乗る路線だと、その事情がはっきりと分からないために、このような発言になってくるのかもしれません。
「多分に」の例文2
「洋画の中では、1、2位を争うくらいに多分あの作品が気に入っているの。ストーリーも素晴らしいし、展開のされ方と役者の演技が最高だから」
こんなような場面でも使われる言葉ですね。
「多分(に)」がさりげなく使われているので、意識しないと埋もれてしまう言葉なのですが、重要な役割を果たしています。
「多分に」の例文3
「この研究結果は多くの人から称賛される価値が多分にあるな」
この時の「多分」は「かなりある」という意味で理解することができます。
人は、中々先のことを決定的に言い示すことや、言い切ることができません。
その時に「多分(に)」という言葉を使うのですが、やはり普通の会話の中で、頻繁に出てくる言葉なので、無意識のうちに使っていることが多いのではないかと思います。
「多分に」の英語
「多分に」を英語でいうと、“Perhaps”で表すことができます。
「多分に」の反対語
「多分に」の反対の意味を持つ言葉としては、「きっと」という言葉がありますが、
「多分に」は「推量的な意味合い」がある一方で、「きっと」は「確信的な意味合い」があることから、同義語のようなイメージがあるのですが、むしろ対義語としてあげられるのではないでしょうか?
「今日はきっといい日になるよ」
「君の努力はきっと報われるさ」
もし、あなたがこのように「きっと〜」というような形式で何かを言われたなら、その言葉の内容について、納得するのではないかと思われます。
「きっと」という言葉には、そのような力があるように思えるのです。
「多分に」を使う時の注意点
「明日晴れるかなぁ?」「多分にね」「来年は多分実家に帰るよ」
このように曖昧な感じを表すことができる言葉なので、意識していると本当によく使う言葉であることが分かってきます。
誰でも1日に1回は、普段の会話の中で使っているのではないかと思うくらいですが
会話の内容に「大丈夫」という根拠や確信的な根拠があれば、「多分(に)」という言葉を使う必要はありません。
肯定的な言葉ま会話の中に「多分(に)」をつけてしまうことは、話している人の心の中に、自信を持てることがなく、「そうなって欲しい」という「願望的な思い」が存在することから、自分自身の発言に責任を追わなくてもいいようにしていることが多いように思えるのです。
もし、「多分大丈夫」と言われた人は、頑張らなければいけない場面なのに実際は頑張れていないということが言えるかもしれません。
そのために「大丈夫じゃない」と焦っている人の方が、実際には、かなり努力していることが多いので、ある目標に対して達成できる可能性が高くなってきますので、「多分(に)」を使う場合には、相手の状態に配慮しながら、使い分けする必要がありそうです。
「多分に」を使った言葉と意味を解釈
「多分(に)」は、他にも色々な形で使われることがあるので、その使い方や意味を見ていくことにします。
- 「ご多分に漏れず」
- 「多分にある」
「ご多分に漏れず」
「ご多分に漏れず」という表現が「多分(に)」の表現の1つとしてあります。
「多くの場合」と同じように、「他と同様に」といったような意味合いがある言い回しです。
「ここ数年の長引く不況においては、ご多分に漏れず、わが社も非常に危機的な状況に追い込まれています。しかし、社員一丸となって頑張りましょう」
「ご多分に漏れず、今回も同じトラブルを起こしてしまいましたが、根本的な製品改良で乗り切ることにします」
などの使い方があります。
「多分にある」
「従来の考え方には疑わしい点も多分にあることを、知っておくべきだ」
「誰も僕を信じてくれないという可能性が多分にあるんだ」
このようなケースで使われていますが、「おそらくある」という意味になります。
「多分(に)」という言葉は、よく使われている言葉だけに、曖昧なことを言い表す時に使える言葉でしょう。
日常的な場面で使われることが多いだけに、仕事の上では、使い方に注意しなくてはならないかもしれません。
と言うのも、ビジネスでの発言には、それなりの責任がつきまとうからです。
言葉の責任の重さを考えると、「多分(に)」の使い方は、その時々によって、妥当な表現なのかを見極めしておくことが重要でしょう。