「焦眉の急」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
年も暮れに近づくと、ついついあれもこれもといろいろ気になって余計に仕事の効率が落ちたりします。
何かと気ぜわしい時期ですが「焦眉の急」の案件から片付けていきたいものです。
さて、何気なく使うことの多い「焦眉の急」について皆様どこまでご存知でしょうか?
目次
- 「焦眉の急」の意味とは?
- 「焦眉の急」の類語や言い換え
- 「焦眉の急」の使い方
- 「焦眉の急」を使った例文と解釈
- 「焦眉の急」の語源
- 「焦眉の急」を使った言葉と意味を解釈
- 「焦眉の急」の英語
「焦眉の急」の意味とは?
危険が迫っていること。
差し迫った状況。
- 「焦眉の急」の読み方
「焦眉の急」の読み方
しょうびのきゅう。
「焦眉の急」の類語や言い換え
火急(危険が迫っている印象、火のイメージが重なって似た語感になっています)。
喫緊(差し迫った状況という意味のほうの類語になります)。
「焦眉の急」の使い方
どちらかというとネガティブな意味での差し迫った状況に指して使われます。
これは語源による語感によるところが大きいのでしょう。
下記の語源を参照ください。
ただし後述の使用例のように、意味は広がりを持ってきています。
現在では「最優先課題」の言い換えとして使われる例が最も多い使用例です。
「危険が差し迫っている」→「差し迫った状況」→「何らかの対応が今すぐ必要」という流れから「最優先課題」に変遷したものです。
「焦眉の急」を使った例文と解釈
- 「焦眉の急」の例文1
- 「焦眉の急」の例文2
- 「焦眉の急」の例文3
「焦眉の急」の例文1
わが社の売り上げの落ち込みは、対策を必要とすること正に焦眉の急である。
大規模なリストラを提案する。
これは、本当に急いで対策を打たないと社の存亡にかかわるというイメージです。
もっと早く手を打たなければいけなかったという焦燥感も表している印象です。
「焦眉の急」の例文2
まだ間に合うだろうと思っていた数学の試験が明日に迫り私にとって焦眉の急と言える。
今晩は徹夜で勉強だ。
これは、現在で危険より「差し迫っている」ことに力点がおかれることが多いです。
数学の試験程度で大げさかもしれませんが徹夜を決意する悲壮感は表しています。
「焦眉の急」の例文3
大学生活も終わろうとしている今、彼女をつくるのは焦眉の急の案件だ。
なぜ私が今まで彼女がいなかったのか不思議でたまらない。
これは、現在では全くネガティブなイメージのない場合にも使われることがあります。
誤用の可能性もありますが、言語の意味の変遷ととらえてよいかもしれません。
大学生活の終わりにもっとすべき事があるだろうに、という脱力感との対比の妙です。
彼女ができると素敵です。
難しそうですが。
「焦眉の急」の語源
眉を焦がすほどに迫った炎、という状況が語源です。
確かに差し迫った危険です。
南宋の時代の文献が初見とのことです。
高名な禅僧が問答で作ったのが語源という説も納得できるほど禅的な機知があります。
「焦眉の急」を使った言葉と意味を解釈
- 「焦眉の急を告げている」
- 「焦眉の急がにわかに迫る」
- 「このような危機的状況における焦眉の急は保身である」
「焦眉の急を告げている」
差し迫った危険が察せられるという状況を表しています。
どちらかというと日常では体験できない水準の危険が迫っているという印象の言葉です。
「焦眉の急がにわかに迫る」
危険が突然差し迫っておとずれたという語感になります。
言葉の意味だけではなく、漢字自体が持つ意味が切迫感を演出するかのようです。
「このような危機的状況における焦眉の急は保身である」
焦眉の急という言葉自体が最優先事項という意味として転用されることもあります。
これも誤用というより意味の変遷の範疇でとらえるべきでしょう。
「焦眉の急」の英語
“an urgent need / a pressing necessity”
伝えたい機微に応じて使い分けるのがベターでしょう。
標準的な表現は“urgent need”のようです。
焦眉の急、直面したくないものです。
ついつい楽観視してしまう習慣のある方は要注意です。
片付けられる案件から片付けて年末を迎えましょう。