「竹馬の友」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「竹馬の友」(ちくばのとも)と言う言葉は、通常の会話で使われることは少ないかもしれません。
竹馬で遊ぶ経験をしたことがない世代の方からしたら意味がわからない言葉かもしれません。
それでは「竹馬の友」についての解説を見ていきましょう。
目次
- 「竹馬の友」の意味とは?
- 「竹馬の友」の類語や言い換え・似た言葉
- 「竹馬の友」の言葉の使い方
- 「竹馬の友」を使った例文
- 「竹馬の友」の英語
- 「竹馬の友」の由来
- 走れメロスの「竹馬の友」とは?
「竹馬の友」の意味とは?
「竹馬の友」(ちくばのとも)とは、竹馬に乗って一緒に遊んだ幼い頃からの友達ということで、幼ななじみのことを言います。
ちなみに竹馬とは遊具の一つで、2本の棒にそれぞれに足場をくくりつけたものです。
爪先が棒に当たる様に足場に乗って、棒を掴んでいる手とバランスよく動かして歩行して遊びます。
日本においては江戸時代以降に子供の遊びとして広まったとされています。
材料が竹を使うことが多いことから「竹馬」と呼ばれるようになりました。
現在でも子供のおもちゃとして様々な製品があります。
- 「竹馬の友」の読み方
「竹馬の友」の読み方
本来「竹馬」は「たけうま」と読みますが、「竹馬の友」となりますと「ちくばのとも」と読みます。
「竹馬の友」の類語や言い換え・似た言葉
「竹馬の友」の類語や言い換えをいくつかご紹介しましょう。
- 「幼なじみ」【おさななじみ】
- 「昔なじみ」【むかしなじみ】
- 「旧知の仲」【きゅうちのなか】
「幼なじみ」【おさななじみ】
幼なじみとは「幼い頃に親しくしていた友達」という意味になります。
使い方としては「幼稚園の時からの幼なじみ」「幼なじみなので何でも知っている」といった風に使います。
「昔なじみ」【むかしなじみ】
昔なじみとは「ずっと以前に親しかった人」のことや「ずっと以前から親しくしている人」のことを言います。
今よりも昔であれば使える言葉であり、大人になってから親しくしていた人のことを指すことが多いのです。
「旧知の仲」【きゅうちのなか】
旧知の仲とは昔からお互いに知り合いであるとか、古くからの知り合いであることを表す言葉です。
仲がいい場合に使われることが多い言葉です。
「竹馬の友」の言葉の使い方
「竹馬の友」という言葉の意味は幼なじみですので「幼なじみ」という言葉の代わりに使います。
ただ、幼なじみとは言っても好きではない相手の時もあります。
例えば、幼い頃、家が近くだったから一緒に遊んでいたけれどケンカばかりだったとか、微妙な上下関係があって我慢していたという場合もあるでしょう。
「竹馬の友」の場合は「親しくしていた」「好意的だった」という時に使います。
つまり仲が良かったという人に対して使うことが多いのです。
好きではない幼なじみにはあまり使わない言葉です。
「竹馬の友」を使った例文
「竹馬の友」は「仲が良かった幼なじみ」という意味で使います。
それでは「竹馬の友」を使った例文をいくつか紹介しましょう。
- 「竹馬の友」の例文1
- 「竹馬の友」の例文2
- 「竹馬の友」の例文3
「竹馬の友」の例文1
「実家に帰省する楽しみは竹馬の友に会えることだ」
「竹馬の友」の例文2
「彼とは竹馬の友だが、知らない一面があることに気がついた」
「竹馬の友」の例文3
「君は竹馬の友だから、信じるよ」
「竹馬の友」の英語
「竹馬の友」を英語で言い表す時は「幼なじみ」という意味である“old playmate”や“childhood friend”を使うといいでしょう。
「竹馬の友」の由来
「竹馬の友」という言葉の由来は、中国の二十四史の一つ「晋書」の故事にちなんでいます。
この「晋書」に登場するのが、桓温(かんおん)と殷浩(いんこう)という人物です。
この二人は共に政治家であり軍人でもあります。
殷浩が政治的に失脚した時に、その失脚の原因をつくった桓温がこのようなことを言ったとされています
- 殷浩ととは子供の頃、竹馬で遊んでいた。
- いつも自分が乗り捨てた竹馬に殷浩が乗って遊んでいた。
- そのようなわけで、彼が自分の下になるのは当然。
これは仲のいい友達というよりは、ライバル関係、張り合っていたというような意味合いになります。
今の「竹馬の友」の意味と由来はこのように違いがあるのです。
走れメロスの「竹馬の友」とは?
太宰治の書いた有名な小説「走れメロス」の中にも「竹馬の友」と言う言葉が使われています。
「メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである」という一文です。
この小説は暴君である王を暗殺しようとしたメロスが、自分の処刑を3日待ってもらうかわりに「竹馬の友」であるセリヌンティウスを人質として差し出すという内容なのです。
メロスが3日待ってもらう理由は妹の結婚式の為でした。
無事に式を終えて、メロスは王城に向かって走ります。
さて結末はどうなるのかと言えば、様々なことがありながらもメロスは約束を果たします。
メロスは一度だけセリヌンティウスを裏切ろうとしたことを詫びます。
またセリヌンティウスも一度だけメロスを疑ったことを詫びるのです。
この友情を見た王は改心して、二人を釈放します。
まだ読んだことがない人は短い小説ですし、青空文庫で無料で読むことができますので、ぜひ読んでみてください。
「竹馬の友」の意味がより深く理解できるかと思います。
いかがでしたでしょうか。
「竹馬の友」という言葉の意味、使い方、由来など紹介しました。
単なる幼なじみ、小さい頃から知っているという相手ではなく、親しくつき合っていた、好きだったという幼なじみに対して使います。
太宰治の「走れメロス」という小説を読めば「竹馬の友」という言葉の意味がよくわかるのでおすすめです。
「竹馬の友」と言えるべき、存在がいる人はとても幸せな人ではないでしょうか。