「懸案」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
問題や課題という言葉に比べると懸案という言葉は、馴染みがないかもしれません。
しかし、状況によっては上記の2つの言葉よりも懸案の方がしっくりとくる事柄もあります。
そこで懸案の正しい意味や使い方を覚え、他の言葉と巧みに使い分けられるようにしましょう。
目次
- 「懸案」の意味とは?
- 「懸案」の類語や言い換え・似た言葉
- 「懸案」の言葉の使い方
- 「懸案」を使った例文と解釈
- 「懸案」と懸念の違い
- 「懸案」と課題の違い
- 「懸案」を使った言葉と意味の解釈
「懸案」の意味とは?
これまでも問題となってきたが、未だに解決されていない事柄を指します。
つまり、同じ問題であっても、今さっき起きた問題ならば懸案という言葉は使いません。
懸案の意味は、あくまでも「かねてより」「長い間」抱えていた問題という点がポイントとなります。
また、未解決である事も懸案という意味の特徴です。
- 「懸案」の読み方
「懸案」の読み方
懸案は「けんあん」と読み、「けあん」や「けねん」ではありません。
懸は懸賞、一生懸命に使用される「けん」と同じです。
けんの他にけと読む事も出来ますし、訓読みだと「かける」「かかる」とも読めます。
計画や考えなどを意味する案は、そのまま「あん」と読み、懸案は「けんあん」以外に別の読み方はありません。
「懸案」の類語や言い換え・似た言葉
かねてより問題となっていたにもかかわらず、まだ解決に至っていない事柄を表す言葉は、他にどんなものがあるのでしょうか。
懸案はビジネスシーン、また政治関連などで度々登場をする言葉です。
類語や言い換えを知っておけば、何かと役に立つでしょう。
- 未解決
- 宙に浮く
- ペンディング
未解決
未解決とは読んで字のごとく、未だに解決していない事を意味します。
ですから未解決と懸案は、未だに解決していない問題という意味で同じだと分かるでしょう。
ただし、未解決の場合、それがかねてから問題となっていたかどうかまではわかりません。
しかし概ね同じような意味を表しますから、言い換えに使用しても問題はないでしょう。
宙に浮く
宙に浮くには、決着がつかない、解決していないなど宙ぶらりんな状態を表す意味があります。
決着をつけなければいけない事柄や問題が、中途半端になってしまっている状態というのは、懸案と意味が被っている部分があるでしょう。
長く宙に浮いた問題、といった使い方をすれば、より懸案に近い意味を表す事が出来ます。
ペンディング
ペンディングは英語の“pending”からきており、その意味は未解決となります。
そのため懸案をペンディングと言い換えて、同様の意味の文章を作ることも可能です。
しかし、ペンディングはビジネス用語として使用される事が多く、その場合は保留、先送りという意味で使われます。
例えば「この問題はペンディングしよう」とは、問題を先送りにしようという意味になるのです。
こうした文例では、懸案とペンディングを同じ意味で使用してるとは言えませんし、言い換えをする事も出来ないでしょう。
言い換え出来るケースと出来ないケースがあるのです。
「懸案」の言葉の使い方
懸案は名詞であり、懸案事項など他の単語とセットで使う事も多い言葉です。
特にビジネスや政治、研究機関、公的機関の文書などで、かねてから問題となっていながら未解決の事柄を表す時に
懸案を使います。
使ってはいけないという事ではありませんが、個人的な未解決問題や取るに足りない些細な問題の場合は、懸案を用いる事は殆どないではないでしょう。
そして、懸案という単語を使えば期間を表す言葉がなくても、数年に渡り問題となっている事柄であると簡単に表現出来ます。
「懸案」を使った例文と解釈
懸案は報告書やレポート、新聞などでよく見かける言葉でしょう。
また、ビジネスシーンで自ら使う事もあるはずです。
懸案を使った例文を見ながら、その解釈を深めていけば、これから文書を読む際や何かしらの発表、報告をする際に活かす事が出来ます。
- 「懸案」の例文1
- 「懸案」の例文2
- 「懸案」の例文3
「懸案」の例文1
「両国における積年の懸案が友好関係にヒビをいれている」
このように、懸案は外交問題を表して使われるケースもよく見られます。
また積年の、など懸案の前の文脈に問題が長引いている事を示す言葉が挟まれる事も多いでしょう。
「懸案」の例文2
「顧客離れをどうやって防ぐかという事が、わが社最大の懸案事項である」
どのようなビジネスでも、解決しなければいけないのに中々解決が出来ない問題が隠されています。
簡単に解決が出来ない問題の中にこそ、会社を発展させるヒントが隠されているといっても過言ではありません。
だからこそ、ビジネスシーンでは度々懸案という言葉が出てくるのです。
そして、この例文のように「懸案事項」という使い方も頻繁に登場するので、きちんと押さえておきましょう。
「懸案」の例文3
「国の抱えている最大の懸案は、失業率の上昇だ」
例文のように国が長年に渡って抱える問題を指して懸案を用いる事も多くなっています。
国家的、政治的な問題は、直ぐに解決出来ないような事柄も少なくありません。
そのため、長年に渡る未解決問題という意味になる懸案は、上記のような使い方をするには最適な言葉なのです。
「懸案」と懸念の違い
懸案と懸念は、その文字も音の響きも非常に似ています。
しかし、使用する際には、その意味が違うものである事に注意をしましょう。
懸念は、気になって心から離れない事や心配、不安という意味です。
「懸念がある」「懸念する」といった使い方が基本となり、それぞれ先の見通しに不安や心配がある事を表します。
一方懸案は、かねてからの問題となっている未解決の「問題」自体を表す言葉です。
未解決の問題そのものを表す「懸案」と問題が起きる可能性を心配したり不安視する「懸念」では、意味も使い方も違う事が分かるでしょう。
「懸案」と課題の違い
学業や仕事、また人生において与えられた問題や果たさなければいけない問題の事を課題と言います。
課するとは人に与える、負わせるという意味であり、課題は「問題を課す」が語源の言葉です。
例えば、宿題のことを課題と表現する事もあるでしょう。
しかし、宿題のこと懸案と言い換える事はありませんし、懸案には課された、与えられたという意味もありません。
その他課題には、解決すべき問題という意味もありますが、懸案よりも解決する為にはやるべき事が明確になっている状態です。
また課題には、懸案のような「かねてから」という意味合いもありません。
「懸案」を使った言葉と意味の解釈
懸案を使った言葉といえば、懸案事項が真っ先に思い浮かびます。
しかし、それ以外の言葉となると中々思いつかないかもしれません。
懸案事項以外にも、思い付く言葉をあげてみましょう。
また、その解釈の仕方も一緒に考えていきます。
- 懸案事項
- 懸案協議
- 懸案管理
懸案事項
懸案事項の意味は、懸案とほぼ変わりません。
事項とはそもそもある大きな事柄の一部となっている項目という意味です。
ですから懸案事項とは、ある大きな問題の中の未解決になっている部分だと言えます。
懸案なら全体的、懸案事項なら前者よりも局所的なニュアンスと言えるでしょう。
ただ、殆どの場合、厳密に区別して使われていません。
懸案協議
懸案協議とは、これまでも問題となってきたが、未解決なままの事柄に対して話し合いを持つという事です。
「各国で懸案協議がなされた」といった使い方をします。
この意味は、各国の間でこれまで抱えてきた未解決の問題解決の為に話し合いをもったという事になります。
懸案管理
懸案管理とはかねてからの未解決問題を分かりやすく管理する事で、これがしっかり出来るようになると、懸案が解決される日は近いでしょう。
最近では懸案管理ツールを使って、未解決問題を長引かせない工夫をしている企業も増えています。
懸案管理をする事でプロジェクトもスムーズに進み、成功へと近づく事が出来るのです。
懸案とは、かねてより解決しなければいけないものの、未だに解決が出来ていない問題のことです。
懸案と懸念や課題をしっかり区別出来ないまま使用している人も少なくありません。
懸案とは何か判断が付くようになると、特に仕事上では役立つでしょう。