「シンパシー」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
不思議なことに、なぜか同じ感情や感覚を持つことを「シンパシー」を感じるなどと言ったりします。
よく聞く言葉であり、実際に使っている方もいるかもしれませんが、正確な意味を説明するのは難しいかもしれません。
そこでこの「シンパシー」について詳しく解説したいと思います。
目次
- 「シンパシー」の意味とは?
- 「シンパシー」の類語や言い換え
- 「シンパシー」の使い方
- 「シンパシー」を使った例文
- 「シンパシー」の英語
- 「シンパシー」と「エンパシー」の違い
- 「シンパシー」と「テレパシー」の違い
- 「シンパシー」を使った言葉と意味を解釈
「シンパシー」の意味とは?
「シンパシー“sympathy”」とは英語であり、日本語に訳すると
- 同情する・お悔やみ・思いやり
- 共感・共鳴
などの意味があります。
そもそも「シンパシー“sympathy”」とはギリシャ語である「シン“sym”」《共感・一緒》と「パシィア“patheia”」《感情・病気》が語源になっていて、日本語で言うところの「可哀想」「憐れ」というニュアンスの《同情心》とは少し違い、「私もそう思う」「同じように感じる」といった《同調》に近い意味だと言えるでしょう。
「シンパシー」の類語や言い換え
- 「以心伝心」【いしんでんしん】
- 「意気投合」【いきとうごう】
- 「同感」【どうかん】
「以心伝心」【いしんでんしん】
言葉や文字、ジェスチャーなどを使わなくても、心と心で繋がり気持ちがわかること、通じ合う事をいいます。
元は仏教用語であり、言葉や文字では表す事のできない大切な事を師から弟子に伝える事を意味しました。
- 「彼とは初めて会った時から、話さなくてもなぜか以心伝心で考えている事がすぐにわかる」
- 「何でもかんでも以心伝心できているなんて思わないで欲しい」
など。
「意気投合」【いきとうごう】
会って間もない相手や、あまり知らない人物であっても、気持ちや考え方、波長などがぴったりと合って一致することをいいます。
「投合」とは気が合うことをいいます。
- 「数時間前に会ったばかりなのに意気投合して、今度一緒に食事に行く約束をした」
- 「私の性格上、あまり意気投合するような人物には出会わないけど、彼女はぴったりと合った」
など。
「同感」【どうかん】
何か物事が起こった時に他の人と同じ感情や感覚になる事をいいます。
また同じ気持ちになる事、同じ考え方になることをいいます。
- 「周りはあれやこれやと反対していたけれど、私は彼と同感で賛成だ」
- 「一部分は同感だけど、全体を俯瞰すると至らないところが多いと思う」
など。
「シンパシー」の使い方
「シンパシー」は先述した通り日本でいう憐れで可哀想という「同情」という意味よりも、「あなたの気持ちに共感できる」「私もあなたの考えと似ていて通ずるところがある」といった意味でよく使われます。
ですからどちらかというと気持ちを分け合うといったポジティブな言葉だといえますが、場合よっては辛く悲しい状況に対しても使うことがあるので、ニュアンス的には「同情」していると捉えられる事もあるでしょう。
ですが多くの場合は相手や組織の考え方や、やり方に仲間意識を感じたり、「そうそう」と感じた時に使う言葉になります。
「シンパシー」を使った例文
「シンパシー」を使った《共感》するという意味合いのものと、《同情》するという意味合いのものをそれぞれの例文をいくつか挙げたいと思います。
- 「シンパシー」の例文1
- 「シンパシー」の例文2
- 「シンパシー」の例文3
- 「シンパシー」の例文4
- 「シンパシー」の例文5
「シンパシー」の例文1
「前からあなたの考え方にはシンパシーを感じていた」
「シンパシー」の例文2
「世間では批判されたり、炎上されるような人だけど、自分としては嫌いにはなれずシンパシーを感じる」
「シンパシー」の例文3
「今まで知らなかったけど、同じ趣味だったなんてシンパシーを抱かずにはいられない」
「シンパシー」の例文4
「悲惨な現状を知ってシンパシーが湧いた」
「シンパシー」の例文5
「知り合いの闘病生活を知ってシンパシーを抱き始めた」
「シンパシー」の英語
「シンパシー」は英語で“sympathy”と表記します。
“sympathy”の“pathy”の語源はギリシャ語の「パシィア“patheia”」だと述べましたが、この“patheia”は英語の“feeling”《感情》を意味します。
この“pathy”を使った単語はいくつかあり、どれもメンタル面を繋ぐ表現の言葉になります。
「シンパシー」と「エンパシー」の違い
「シンパシー“sympathy”」と似た意味を持つ言葉に「エンパシー“empathy”」があります。
意味は、共感や共鳴、他人の感情の中に自分の感情を入れること、つまり感情移入させる事をいいます。
「エンパシー“empathy”」の「エン“em”」には《理解する》という意味があり、この「エン“em”」を使った単語に「エンパザイス“empathize”」というものがあります。
この単語も「エンパシー」と同じような意味なのですが、「シンパシー」と「エンパシー」の違いを理解する上でヒントになると言えるでしょう。
「シンパシー」と「エンパシー」ははっきりと違いを区別する事が難しいのですが、「エンパシー」とは《理解する》という意味があるため、同じ共感や共鳴という意味でも、経験値からの共感であったり、体験したり実際に身に起こった事からの同情や感情といった意味になります。
つまり「シンパシー」は感覚的な感情であったり、思いやり、想像からくる心情という事になり、「エンパシー」は実体験に基づいた感情という解釈ができるでしょう。
「シンパシー」と「テレパシー」の違い
「シンパシー“sympathy”」と似た響きの言葉に「テレパシー“Telepathy”」があります。
「テレパシー“Telepathy”」の「テレ“Tele”」は《遠い》という意味の接頭語なのですが、《電話》だと勘違いされる事が多い単語でもあります。
つまり「テレパシー」とは、言葉や文字、行動、またはその人そのものの姿が見えなくても、考えている事や感情、心情などを読み取る事ができる状態を表します。
超能力や催眠術などのカテゴリーと一緒にされる事がありますが、化学的に証明されていたりと人の能力が未知であることは確かなようで、現在も研究が進められています。
「シンパシー」とは意味が違い、「テレパシー」には能力的な意味が強いと言えるでしょう。
「シンパシー」を使った言葉と意味を解釈
「シンパシー」を使った言葉にはどのような表現があるのか、いくつか挙げてみたいと思います。
- 「シンパシーを抱く」【しんぱしーをいだく】
- 「シンパシーを覚える」【しんぱしーをおぼえる】
- 「シンパシーを感じる」【しんぱしーをかんじる】
「シンパシーを抱く」【しんぱしーをいだく】
「シンパシーを抱く【いだく】」とは、相手や周囲に対し、共感や共鳴を感じた際に心でその感情をしっかり感じていることを表します。
「抱く【いだく】」は「不信感を抱く」「不満を抱く」というように、しっかりと心の中に感情を持っている、はっきり分かっているという状態をいいます。
「シンパシーを覚える」【しんぱしーをおぼえる】
「シンパシーを覚える」とは、共感や共鳴がまだ確かではないけれど、感覚としては残っていたり生まれたばかりといった状態の時に使う言葉になります。
「覚える」という言葉には「得る」「記憶する」という意味があるので、繰り返し行う事によって確かなものに変えて行くというニュアンスを含みます。
また段階としては初期であり、何らかのキッカケがあって「シンパシーを覚える」ようになったとも言えるでしょう。
「シンパシーを感じる」【しんぱしーをかんじる】
「シンパシーを感じる」は非常によく使われる表現だと思いますが、意味としてもそのままであり、相手や周囲と同じ感情を持っていたり、共鳴している事をいいます。
または逆に悪い状況に対しても同情するという意味で使われます。
「シンパシー」は《同情》や《共感》という意味がありますが、基本的にはポジティブな意味で使われる言葉だといえるでしょう。
誰かに「シンパシー」を感じたり、状況に「シンパシー」を覚える事は自分以外のものと感情を共有し、気持ちを深めることかもしれません。
それによって安心したり信頼関係が築ける事もあるので、人間関係がスムーズになる大切な感情ではないでしょうか。