「本末転倒」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
本末転倒についてはよく聞く言葉となっています。
この言葉を聞く機会はとても多いですが、具体的に意味を知らないという方もいるのではないでしょうか。
中には間違って使ってしまっている場合もありますので、注意をしなければなりません。
そこで、本末転倒の言葉の意味について知っていきましょう。
目次
- 「本末転倒」の意味とは?
- 「本末転倒」の類語や言い換え・似た言葉
- 「本末転倒」の言葉の使い方
- 「本末転倒」を使った例文と解釈
- 「本末転倒」の語源
- 「本末転倒」と「元も子もない」の違い
- 「本末転倒」の意味が良く解るたとえ
- 「本末転倒」と「主客転倒」の違い
「本末転倒」の意味とは?
本末転倒の意味は、物事の根本的なことと、そうでないことというのを取り違えてしまうといった意味になります。
「本末」というのは、ここでは、根本的なことと枝葉のことをいいます。
そして、「転倒」はひっくり返すことを指します。
つまり、最初に何かを目指していたけれど、最終的に転倒してしまい、根本的なことを忘れてしまったことによって、最終的に失敗をしたり、損をしてしまい、意味がなくなってしまうという意味になります。
やっても意味がないので、注意をする場合や本末転倒になってしまうことはいけないということで、少々ネガティブなイメージとして使われることが多いです。
- 「本末転倒」の読み方
「本末転倒」の読み方
本末転倒の読み方ですが、「ほんまつてんとう」と呼びます。
そのまま読むことになりますが、本末転倒の本末を「ほんみ」だとか「ほんらい」という風に間違ってしまうこともあります。
有名な言葉なので間違えることは少ないのですが、学生の方でこの四字熟語を知らない場合は読み方を間違えないようにする必要があります。
「本末転倒」の類語や言い換え・似た言葉
本末転倒というという言葉には似たような類語や言い換え、似た言葉があります。
これらの似た言葉などをシチュエーションに合わせて置き換えてみたり、使い分けて見るようにしましょう。
- 「元も子もない」
- 「舎本逐末」
- 「冠履転倒」
「元も子もない」
本末転倒の類語として、こちらの「元も子もない」という言葉はよく使われることになります。
これは、末節にこだわってしまうことによって、物事の根本を忘れてしまい、失敗をしてしまったり、最終的に台無しになってしまうことを指します。
従って本末転倒とは同じような意味があります。
シチュエーションによって使い分けて見るようにしましょう。
「舎本逐末」
こちらは四字熟語の一つです。
あまり普段の会話では馴染みが無いように思いますが、舎本逐末は、末端に心を奪われてしまうあまり、物事の根本がお座なりになってしまう様子を表しています。
本質を忘れてしまうというように注意喚起されていることもあります。
こちらも本末転倒との類語であり、置き換えることが出来ます。
「冠履転倒」
地位や価値などの順序が乱れてしまうことを指します。
本末転倒の場合も、根本を忘れ、末端にこだわりすぎてしまうということになりますので、順序が乱れているという意味で、同じような類語となります。
しかし、こちらは、乱れてしまうことに重きをおいた言葉ですので、少々違いがあり、場面毎に使い分ける必要があります。
「本末転倒」の言葉の使い方
本末転倒という言葉は、何か物事や行動について使うことになります。
誰か人が試みる行為などで使われることが多いです。
「その作戦をして、人が逃げてしまえば、本末転倒である」という風に使います。
本末転倒は、このように、人が行う行為に対して、根本を忘れてしまっているということを示すので、具体的な行動や行為に対して、使われることになります。
従って、文面にはこれらの意味が入ることになります。
「本末転倒」を使った例文と解釈
本末転倒を使った例文にはどういったものがあるのでしょうか。
具体的に使い方を知っておくようにしましょう。
最近では、本末転倒という言葉は、よく使われていますが、誤用も多いと言われていますので、間違いがないようにしなければなりません。
- 「アルバイトを張り切り、学業を疎かにするのでは本末転倒だ」
- 「語学留学で現地で日本人とつるんでいるのは本末転倒だ」
- 「生活費のために仕事を無理しすぎて、身体を壊してしまえば、本末転倒だ」
「アルバイトを張り切り、学業を疎かにするのでは本末転倒だ」
これはアルバイトを張り切るおかげで、学業が疎かになってしまうと、学生の本分を忘れてしまうことになっているという状況で使います。
従って、本来気にしなければならないことを忘れて、他のことに気がいってしまい、全て失ってしまうことを示しています。
「語学留学で現地で日本人とつるんでいるのは本末転倒だ」
これは目的を持って留学をしたのにもかかわらず、現地でそれを習得するための行動をしないことによって、無駄に帰してしまうことを指しています。
本末転倒は最初の目的が横にそれてしまうことで、ムダになってしまうという意味合いでも使われることになります。
「生活費のために仕事を無理しすぎて、身体を壊してしまえば、本末転倒だ」
もともとは、生活費のため、安定した生活のために仕事をするものですが、身体を壊してしまえば、立ち行かなくなってしまうため、すべてが台無しになるという意味合いで使います。
「本末転倒」の語源
「本末転倒」は本山の寺院と、末端の寺院の立場が逆転してしまったことがあり、それがゆえんとなっています。
鎌倉時代、今まで天皇や貴族のためにあった宗教が、広く武家や庶民のための宗教に様変わりしていくことになります。
そして、宗教の本山より地域密着の末端の寺院が段々と檀家や進行している人を増やしていきました。
そして、力をつけていき、やがて本山よりも力をつけて立場がひっくり返りました。
そのことによって、「物事の結果と過程、あるいは目的と手段などがあり、最終的に重要なこととそうでないことが逆転する」という意味で使われるようになったといわれています。
「本末転倒」と「元も子もない」の違い
本末転倒と元も子もないは同じような意味で使われることが多いです。
そこで、この二つの言葉はどのように違ってくるのでしょうか。
ここでは、「元も子もない」というのは、失敗してすべてを失ってしまう、元金も利息もすべてないという意味合いで使われています。
これに対して、本末転倒は重要ではないことに心を奪われていたり、うつつを抜かしていることを指しますので、少々意味合いが異なっていると言えるでしょう。
「本末転倒」の意味が良く解るたとえ
本末転倒については、ご使用も多いと言われています。
そこで、本末転倒の意味がよく分かる例えですが、どういった意味があるのでしょうか。
具体的にみていきましょう。
- 「コスト削減に気持ちを奪われてしまい、売上が激減する」
- 「早期退職プランを実施し、優秀で辞めてしまってもらいたくない人が辞めてしまった」
「コスト削減に気持ちを奪われてしまい、売上が激減する」
これは、コストの削減に力を入れすぎてしまい、物事で最重要である、売上が激減するということで、本末転倒の最たる例とも言えるでしょう。
ビジネスシーンではよく使われる言葉になります。
「早期退職プランを実施し、優秀で辞めてしまってもらいたくない人が辞めてしまった」
これもビジネスシーンでよく使われますが、本来は、優秀でない人を切るためのプランが、結果的に優秀な人を失ってしまうことになるというまさに本末転倒の意味を示しています。
「本末転倒」と「主客転倒」の違い
「本末転倒」「主客転倒」はよく比較される用語となっています。
主客転倒は、主と客が入れ違ってしまうということを表していますが、本末転倒は、最初目的としていたものが、末端にこだわるあまり失われることを示しており、似ているようでまったく意味が違いますので、注意をしましょう。
いかがでしたでしょうか。
本末転倒にはいくつもの意味があります。
有名な言葉ではありますが、ご使用なども多いので、意味などを間違えないようにしましょう。
他の四字熟語との違いも認識しておきましょう。