「例年通り」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には色々な種類の言葉があります。
古来からの言葉や中国がら伝わってきた故事を始め、今ではインターネットの普及とともに新しく生まれてきたネットスラングまで、実に様々です。
一方で、普段の生活の中ではあまり語られることがない言葉でも、ビジネスの世界では頻繁に出てくる言葉さえあります。
例えば、「例年通り」という言葉です。
日常的で私的なコミュニケーションの中では、あまり使われることは無いのですが、仕事をしていると、取引先との打ち合わせ・商談でも使われています。

目次
- 「例年通り」の意味とは?
- 「例年通り」の類語や言い換え・似た言葉
- 「例年通り」の言葉の使い方
- 「例年通り」を使った例文
- 「例年通り」の対義語
- 「例年通り」を使った言葉
「例年通り」の意味とは?

「重要な連絡については、例年通りお手紙にて配布させて頂きお知らせ致します」
このような言い回しで、取引先や不特定多数のお客様に文言に使うことがあります。
このようなケースの時は、「例年通り」という言葉が使われます。
「例年通り」とは、「いつもどおり」、または「前年と変わらず」といったような意味のある表現です。
この「例年通り」と同じような意味で使われる言葉には、「従来通り」という表現があります。
「従来通り」には、ほぼ「普遍的」なことに対する意味が含まれており、「ほぼ毎年変わらない」という解釈になるでしょう。
副詞的な表現の言葉ではあるのですが、「例年通り」には、年によって「変更の可能性」も含まれているようなニュアンスがあります。
このようなことから、「従来通り」と「例年通り」の使い分けについては、分脈からどちらの言葉を使う方が相応しいのかを見考慮する必要があります。
- 「例年通り」の読み方
「例年通り」の読み方
「例年通り」は、「れいねんどおり」と読むことになります。
「例年通り」の類語や言い換え・似た言葉

「いつもの通り」という意味で理解できる「例年通り」を他の言葉で置き換えるなら、どのような表現になるでしょうか?
「例年通り」の類義語を見ていくことにしましょう。
- 「ご多分に漏れず」
- 「いつものように」
- 「引き続き」
- 「平常通り」
「ご多分に漏れず」
「ご多分に漏れず」という表現があります。
言葉の意味としては、「多くの場合と同じように他と同様に」といったような意味となります。
「多分」とは大勢という意味を持つ言葉なので、「大勢の中から漏れることない」や「大勢に含まれる」という意味になります。
この「ご多分に漏れず」は、昭和初期のある小説の一節で使用されています。
そのようなことから、それなりに古い表現と言えるでしょう。
「わが社もご多分に漏れず、業界の一員に加わることになりました」と言ったように表現されることがあり、ビジネスシーンでは、よく使われる言葉でもあります。
この時のニュアンスは、「多くの企業がそうであるように、当社もそれに含まれます」といった意味合いになります。
「世間と同じように」や「自分達も同様に」というケーズの時に使われます。
「いつものように」
「いつものように」という表現も「例年通り」に近い同義語として挙げることができるでしょう。
意味は、やはり、「普通の場合」、「平生」などの解釈となり、「いつものように歩いて通学しています」という使い方になります。
また、「いつもの通り」という言い方もでき、「いつとは限定しないさま」、「どんな場合でも」、「常に」という意味もあります。
「君はいつも通りに元気がいいね」などの場合でも使えます。
この言葉は、元々、「先例通りに」という意味でした。
これが転じて「いつものように」の意味で使われる報道が多くなっており、「例によって」も、本来は「先例に準じて」という意味がありました。
「いつものように」は、平素な表現となり、「先例通り」は、少し堅目の表現と言えるかもしれません。
「引き続き」
また、「引き続き」という言葉もあります。
「引き続き」とは、「それまで行われていたものに続けること」や「続いていること」という意味を持っており、副詞的な使い方もできます。
「前回からの引き続きのテーマ」「講演の後、引き続き懇親会を催します」という表現で使われており、ビジネスでは、頻繁に用いられています。
「平常通り」
「平常通り」という類義語もあります。
「平常」とは、「いつもと同じであること」、「ふだん通り」という意味になります。
「昨日まで悪かった動きが平常通りに戻る」「平常通りの運行です」など、ある一定の基準があるような場合に使われています。
「平常通り」と対比される言葉に「通常通り」がありますが、「通常」とは、「特別ではなく、普通の状態であること」や「世間一般にみられる状態であること」という解釈になり、
「通常通り自宅にいます」
「通常通りに朝6時に起床しました」というように、人や物事の動きや行動に関する時に使われる感があります。
日常生活の中では、百貨店などの館内放送で、「本日の営業時間は、平常通り10時から22時までとなっております」という案内がありますね。
「例年通り」の言葉の使い方

「例年通り」の使い方を観てみると「例年になく寒い」「例年通りこの時期に田植えをする」と言ったような使われ方があります。
片や、「平年」という言葉もあるのですが、厳密に言うと「暦において日数や月数に特別な増減を設けていない年のこと」という解釈ができます。
語源的には、「例年」が一般的で、気象学でも農業でも使われおり、新聞などでも「例年並みの収穫量」という記述がされています。
一方で、天候に関しては、気象庁が、「平年値」という言葉を使ったことから、「平年並みの暑さ」という表現で「平年並み」、「平年以上/以下」が使われるようにです。
「例年」、「平年」は、環境や目的によって使い分けされているものの、その境界線は非常に曖昧かもしれません。
「例年通り」を使った例文

では、この言葉の例文を見ていくことにします。
- 「例年通り」の例文1
- 「例年通り」の例文2
- 「例年通り」の例文3
「例年通り」の例文1
「通常であれば、年末特別編成や年始特別編成が例年通りに編成されることが多いのです」
議会での予算編成などでも、このような使われ方がされます。
「例年通り」の例文2
「今年の春も解氷は、例年通りに着実に進んでいます」
季節の変化でも、あまり前年と変わりがないのであれば、「例年通り」が用いられます。
「例年通り」の例文3
「年が明けて東京に戻ってみると、こちらの方も、例年通りの寒さだった」
実家では「例年通り」の寒さでしたが、正月休みも終わり東京に戻ると、やはり「例年通り」の寒さだったということですね。
「例年通り」の対義語

「例年通り」の反対の意味を持つ言葉を考えると、「例年になく」という表現になるでしょう。
他にも色々な対義語があるでしょうが、平素で使われる言葉としては、「例年になく」がポピュラーな表現ではないでしょうか?
「例年通り」を使った言葉

この言葉を使った表現も合わせて見ておきます。
- 「例年通りの準備」
- 「例年通りの開催」
- 「例年通りの成績」
「例年通りの準備」
「今日の誕生日にも、タカオ君は例年通りの準備をしていました」
彼女の誕生日でしょうか?
1年に1回訪れる誕生日パーティーもかなりパターン化されている感じです。
「例年通りの開催」
「7月の青森のねぶた祭りが、例年通りの開催で決定した」
青森の夏の最大のイベントと言えば、「ねぶた祭り」。
今年も「例年通り」の日程で開催されることになったのです。
「例年通りの成績」
「山田投手の成績は、例年通りの結果だった」
プロ野球もシーズンオフとなると、契約改更の時期になります。
昨年と同じような結果に終わった山田投手の年俸は、来年度はどのようなレベルになるでしょうか?
「例年」の語釈の中には、「毎年」ということも含まれています。
このことからもわかるとおり、文脈によっては両者は置き換えが可能な言葉とも考えられます。
しかし、「例年になく寒い」を「毎年になく寒い、」と表現することはできません。
それぞれの言葉の中には、「例年」は「繰り返し」、「毎年」は「積み重ね」というニュアンスがあると思われます。
言葉としては僅かな違いですが、時間の経過をどのように捉えるかによって、表現が代わってくるようにも思えるのです。
この言葉は、身近なコミュニケーションの中で使われるよりも、ビジネスや報道などで使われるケースが多い言葉です。
何気なく使うことが少なくありませんが、「平常」や「通常」という言葉もあるために、シチュエーションによって、どの言葉を選択するか、意味をよく理解しておくことが必要です。