「銘うって」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には、色々な言葉の種類があります。
中国から伝わってきたことわざや、日本古来の大和言葉から伝承されてきた言葉。
英語を語源としているカタカナ語もあります。
最近では、インターネットが普及してきたことから、LINEやTwitterで使われるネットスラングまで、様々な用語まで出てきていますね。
比喩的な表現で、物事の状況や雰囲気を簡単に伝えてくれるものまであります。
ただ、これらの言葉もいい意味で使われることもありますし、あまり良くない意味で使われることもあります。
その中で、「銘を打つ」という言葉は、どのようなケースで使われるのでしょうか?
目次
- 「銘を打つ」の意味とは?
- 「銘を打つ」の類語や言い換え・似た言葉
- 「銘を打つ」の言葉の使い方
- 「銘を打つ」を使った例文
- 「銘を打つ」の対義語
- 「銘」を使った言葉
「銘を打つ」の意味とは?
「銘を打つ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
通常、普通に生活している中では、あまり聞くことや自分で使う機会がそんなに多くはない言葉かもしれません。
「銘を打つ」は「〇〇と銘打って〜」といったようなフレーズで使われることがありますが、使用される機会としては会話の中で使われるというよりは、大きなキャンペーンや施策を展開されること場合に使われることがあります。
「銘を打つ」という言葉の意味は、「名目をつける」や、「もっともらしい名目をかかげる」ことを指しています。
「環境にやさしいと銘打った商品」というようなケースで、この言葉を用いることがあります。
「銘を打つ」で使われている「銘」という漢字には、「金属製の器具に刻まれた製作者の名」という意味や「器物また茶・酒・菓子などの固有名」、または「名のある上等なのもの」という意味をもあります。
このことから、「銘を打つ」には、元来、「有名で高級な刀剣や器物に製作者の名を刻むこと」を指していました。
この意味合いから転じて、「形式上、言葉上のもっともらしい体裁を掲げるさま」や「内実を差し置いて理由や目的を飾るさま」という意味合いになってきました。
「何々と称して」という意味で用いられるので、「創業10周年と銘打って大売出しする」などで使われることが多いです。
- 「銘を打つ」の読み方
「銘を打つ」の読み方
「銘を打つ」の読み方は、「めいをうつ」となります。
「銘を打つ」の類語や言い換え・似た言葉
「銘を打つ」の類語や言い換え・似た言葉としては、次のようなものがあります。
- 「建前」
- 「口実」
「建前」
「銘を打つ」に近い意味を持つ言葉としては、「建前」という言葉が挙げられるでしょう。
「建前」に使われている「建」、「前」からだと、「家屋建築で主要な柱や梁、棟木などを組み上げること」や「その時に行う祝い」=「上棟式」という意味もありますが、「銘を打つ」も類義語としての意味だと、「基本となる方針・原則。
表向きの方針」という解釈になります。
「本音と建前」という使い方が最もポピュラーな用法ではないでしょうか?
よくビジネスの商談や交渉事でも、表向きは、表向きのこといって(建前)を言いつつも、心の中では全く別のこと(本音)を持っていることがよくあります。
自分の不利なことを隠しつつ、「建前」を前面に押し出して、折衝しているビジネスタイルは、日常茶飯事で行われていることです。
「口実」
「口実」も類義語として「銘を打つ」に近い言葉かもしれません。
「口実」の意味は「言いのがれの言葉や材料」となりますが、「病気を口実に欠席する」「口実を与える」「口実をさがす」というような使い方になります。
「銘を打つ」よりは、日常的な会話の中でよく用いられる言葉です。
「銘を打つ」の言葉の使い方
「銘を打つ」の言葉の使い方を考えてみると、「銘」そのものは、いい言葉を持つ文字です。
しかし、この「銘」が含まれている「銘打つ」となると、微妙な色合いを帯びてくる感じがします。
価値のあるものや高価なものは、「銘」など打たなくても格が高いことがことすぐに理解できるものです。
価値の高いことは明らかになりますので、黙っていても多くの人々の注目を集めることになりますが、怪しげなものは何か立派な知名度の高い「銘を打たない」と価値が畳まっていくことがないように思えるのです。
このようなことから、「銘を打つ」にはあまりいいケースで使われることはなさそうです。
「銘を打つ」を使った例文
では、「銘を打つ」を使う例文を見ていくことで、どのような場合に用いられるかを理解していくことにしましょう。
- 「銘を打つ」の例文1
- 「銘を打つ」の例文2
- 「銘を打つ」の例文3
「銘を打つ」の例文1
「某地方のFM局は、『能楽鑑賞』と銘打って、毎週、能の番組を放送している」
地方のFM局では、リスナー人口が少ないためか、何か目玉となるイベントやテーマでは番組を構成さざるをえないかもしれません。
この場合では、「能楽鑑賞」というキーワードで人気番組に仕立てようとする思惑がなるのかもしれません。
「銘を打つ」の例文2
「あの百貨店では、今月『やまと』と銘打った食品コーナーを設けることで、多くのお客さんを集めている」
百貨店では、常に何かしらのイベントを催しています。
この場合でも、地方の特産物や、テーマで顧客の関心を引き寄せて、売り上げを高めようとしているのでしょう。
「銘を打つ」の例文3
「秋田県横手市では、期間限定品と銘打って、地元B級グルメの『横手焼きそば』が販売されている」
このようなことも、地方活性化やふるさと創生の一環で実施されていますね。
「銘を打つ」の対義語
「銘を打つ」と反対の意味を持つ言葉をしては、「名実とともに」という言葉が対義語として挙げることができると思います。
「名実とともに」とは、「名声と実力がつりあっているさま」や「実力や地位が評価・評判にふさわしいものとなったさま」という意味があります。
名声の「名」と。
実力の「実」が釣り合っているという意味で「名実ともに」という言葉が成り立っています。
よく大河ドラマや歴史番組でも、歴史上の人物などを紹介する時に聞くことがあることが多いこの言葉ではないでしょうか?
「地位は高い反面、周囲の人々からの評判は低くで悪い」
このような人物には使われることはありません。
周りから人からは評価が非常に高くて、地位も名声も高く人格的にも良い人物に使われます。
まさに「名実ともに偉大な人物であった」という人物になるでしょう。
その一方で、人だけに使われる言葉ではありません。
レースで多くの戦績を残した馬などに対しても「名実ともに優れた馬」をたとえることがあります。
また、知名度の高い有名レストランやお店などに対して、「名実ともに東洋一のレストラン」という表現することもあります。
「銘」を使った言葉
では「銘」を使う言葉をもう少し見てみましょう。
- 「銘打って巡業」
- 「銘打って作る」
- 「銘打ったパッケージ」
「銘打って巡業」
「来月には、50周年記念コンサートツアーと銘打って国内主要都市を巡業する予定です」
50周年という節目を大々的に打ち出して、コンサートを行うことがあります。
このような場合は、「50周年」というキャッチフレーズを使うことになります。
「銘打って作る」
「戦後の洋食は、「10円焼き」、「キャベツ焼」などと銘打って店舗の軒下などで作られていた歴史がある」
戦後間もない混乱していた時期は、このようなことが行われていまいた。
「銘打ったパッケージ」
「A党においては、去る12月1日に「経済金融危機対策」と銘打ったパッケージのような施策が公表されたのです」
政府でも、このような施策や政策が展開されてきました。
このようなことで、国民の関心を高めていくことになったのです。
「銘を打つ」とは、本音を隠しつつ、表向きのテーマを看板にして、大きなイベントやキャンペーンを実施する場合に使われます。
人だけでなく、企業や団体、あるいは国家までも「銘を打つ」ことで、体裁を整えていることを知ると、何か複雑な気持ちになってしまいます。