「露悪的」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
普段では使うことのない言葉が日本語には、たくさん存在しています。
ことわざや昔から存在している言葉も数多くあります。
それらの言葉のフレーズを耳にすると、何となく意味が理解できるものもあるのですが、「露悪的」という言葉を耳にした時、その意味を理解することができるでしょうか?
実際に「露悪的」という漢字を読めたとしても、実際に使うことができるかどうかは難しいかもしれません。
「露悪的」という言葉は、その意味を正確に理解していないと、自分の言葉として正しく使うことができないでしょう。
この「露悪的」という表現には、どのような意味があるのか込められているのでしょうか?
目次
- 「露悪的」の意味とは?
- 「露悪的」の類語や言い換え・似た言葉
- 「露悪的」の言葉の使い方
- 「露悪的」を使った例文
- 「露悪的」の反対語
- 「露悪的」を使った言葉
「露悪的」の意味とは?
「露悪的」という言葉を仕事の中でのコミュニケーションや日常生活の会話の中で、聞くことはおろか、レポートや研究論文の中でも、目にすることはあまりないのではないかと思います。
「露悪的」とは、「自分の悪いところをわざとさらけだしているさま」のことを意味しており、「露悪趣味」や「露悪家」として表現されることがあります。
「露悪的」という言葉の意味をインターネットなどで、言葉の意味を調べてみると、「悪いことをさらけ出している状態や傾向」と言い換えることができるでしょう。
「露悪的」には、「必要以上に、自分が悪ぶった行動をすること」や「自分の悪いところをさらけ出すこと」という意味があるので、「露悪趣味な人」という表現で指摘された人は、「自分がそれほど悪いわけでもないにも関わらず、わざと悪い性格や振る舞いをさらけ出すような表現を好んでいるタイプの人」ということになります。
しかも、その傾向は一時的なものではなく、常態化している可能性もあるのです。
- 「露悪的」の語源
- 「露悪的」の読み方
「露悪的」の語源
「露悪的」という言葉は何時から使われるようになったのでしょうか?
実は、「露悪」という言葉は、夏目漱石が「三四郎」で使った造語で「露悪家」という表現がありました。
ここから「露悪的」という言葉は、夏目漱石が使った造語が始まりと言われています。
ただ、夏目漱石が使った「露悪家」という表現は、悪いことを行ったとしても、開き直っている姿勢のことを意味している言葉としてとされています。
使われているうちに、年代を追うこどに言葉の意味が変容してきたのかもしれません。
「露悪的」の読み方
「露悪的」は、「ろあくてき」と読みます。
「露悪的」の類語や言い換え・似た言葉
「露悪的」の類義語として、次のような言葉があります。
- 「毒気」
- 「卑屈」
「毒気」
「毒気」には、「人の気持ちをひどく傷つけるような雰囲気」という意味が含まれています。
このことから、この言葉を言われている人や、実際に「毒気」的な行動や振る舞いをしている人は、周りの人にとても大きな迷惑をかけていることになるでしょう。
最悪のケースでは、自分が他人に迷惑をかけていることに全く気付いていない場合もあります。
その一方で「露悪」に近い意味を持つ言葉ではありますが、「露悪的」な人は、自分を必要以上にアピールすることから、ケースによっては、周りの人に迷惑がかからない可能性もあります。
しかし「毒気」の人は、完全に周囲の人を不快な気持ちにさせてしまいます。
「卑屈」
「卑屈」には、「自分を卑しめて服従する」、「妥協しようとすること」という意味があります。
また、「卑屈」という言葉は、「意気地のない態度」という意味で解釈されることもありますので、あまり良いイメージとは言えない表現です。
しかし、「卑屈」と「露悪」という表現を、全く同じ意味として理解されることがありますが、詳しく意味を見てみると、その傾向は少し異なっています。
「露悪的」とは、「他の人に自分を悪く見せようとすること」で、「卑屈」は、「妥協して意気地のない態度を取ること」ということなので、使うシチュエーションによって、正しく使い分ける必要があります。
「露悪的」の言葉の使い方
「露悪的」は、自分の行動や性格を悪ぶって見せようとする時に使いますが、実際にどのようなケースで使われるかは、次の例文の項で見ていくと、理解が深まっていくことでしょう。
「露悪的」を使った例文
「露悪的」の例文を見ていきましょう。
- 「露悪的」の例文1
- 「露悪的」の例文2
- 「露悪的」の例文3
「露悪的」の例文1
「彼女は露悪趣味で、他人のことをいつも悪く言っている」
この時は、「彼女が人の欠点ばかりをあげつらう」を言っています。
「露悪趣味」の特徴の1つに「欠点ばかりを上げつらう」という傾向があります。
このような人は、いつも他人の欠点ばかりを上げづらって、笑いの種としても他の人のことを話するので、周りの人からは、好かれない人になるでしょう。
このようなタイプの人は、あなたの周りにもいるのではないでしょうか?
「露悪的」の例文2
「その女性は、いつも露悪的な冗談を言いながら、職場に来るのです」
せっかくやる気を起こして、オフィスに来るのですが、朝から人の悪口ばかりを言う人がいます。
前の項と全く同じ内容ですが、このように「露悪的」な冗談しか言えない人は、やはり周囲の人から嫌われてしまうしかないのでしょう。
「露悪的」の例文3
「この一節で示された文章は、ある種、露悪的な文学の傾向が含まれています」
このような表件は小説の解説や説明、補足で書かれていることがあります。
あくまで小説の中の解説なので、特定の人を悪く上げつらうことや、嘲笑しているわけではありません。
「露悪的」の反対語
「露悪的」の反対語としては、「偽善的」という言葉が挙げられるでしょう。
「偽善」には、「うわべを繕ろってする善行」という意味があります。
つまり、うわべを繕っているだけなので、本当に善行を行っていることではありません。
「偽善」は、「露悪」という言葉の対義語としては、ぴったりと当てはまる言葉では
ないかと思います。
「露悪的」は、「必要以上に自分を悪く見せるさま」という意味ですが、一方の「偽善的」には「露悪的」とは逆の意味の「本当よりも自分をもっと良く見せるさま」という意味が含まれています。
もしかすると、「露悪的」よりも「偽善的」の方がタチが悪いかもしれません。
「露悪的」を使った言葉
次に「露悪的」を使った言葉を見ていきましょう。
- 「露悪趣味」
- 「露悪的な冗談」
- 「露悪的な話」
「露悪趣味」
「露悪趣味」という言葉の意味は、「露悪的な表現を好むこと」ということを指しています。
「必要以上に悪ぶった言動をする」という解釈ができますが、「露悪趣味」の特徴の1つの「悪ぶった言動」ということから、幼い頃にら学校のクラスメートの中にそのような人がいたのではないでしょうか?
実際に仲良くなってみると、実は性格のいい人であったり、あまり悪い性格ではなかったということがあったりします。
それでも自分がした悪い行いを周りの人に、わざと見せびらかしている人のことを指しています。
これが本当に悪いことをしているのであれば、「露悪趣味」という言葉を使うことはなく、あくまで事実を表現しているに過ぎません。
もし、悪いことをあまりしていないにもかかわらず、悪ぶった言動をしているなら、この「露悪趣味」という言葉がふさわしいのかもしれません。
「露悪的な冗談」
「露悪的な冗談」とは、「人を皮肉ったような冗談」と解釈することができます。
他人を誉めることを知らずに、皮肉しか言えない人は、ある意味寂しい人かもしれません。
「露悪的な話」
「露悪的な話」も、「悪ふざけた悪趣味的な内容の話」ということになります。
このような話しかできない人も、最後は友人が離れていくことになるでしょう。
「露悪的」という言葉の意味を調べていくうちに気付いたことは、自分の周りにもこのような人が少なからず1人くらいはいるということです。
とても哀れに思ってしまうのですが、言葉を使いコミュニケーションを図ることは、お互いの思いや考えを尊重することや理解することが目的です。
少なくとも、相手の気分を害するようなことだけはしてはならないと思うのです。