「立つ瀬がない」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「立つ瀬がない」とは、自分の立場を失って苦しい状況に陥ることです。
「立つ瀬がない」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文・言葉・語源」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「立つ瀬がない」の意味とは?
- 「立つ瀬がない」の類語や言い換え・似た言葉
- 「立つ瀬がない」の言葉の使い方
- 「立つ瀬がない」を使った例文
- 「立つ瀬がない」を分解して解釈
- 「立つ瀬がない」の語源
- 面目がないと立つ瀬がないの違い
「立つ瀬がない」の意味とは?
「立つ瀬がない」とは、不適切な行動(不名誉な行動)によって「自分の立場が無くなること」や「面目を失って苦しい状況に追い込まれること」を意味しています。
自分自身が大きな失敗や悪事をしてしまったことで立場が無くなることもありますが、自分と親しい関係にある家族・配偶者・恋人・親友などが不適切な行為(不名誉な行為)をしてしまったことで面目を失って苦境に陥ることもあります。
「立つ瀬がない」という言葉には、自分や親しい人の不適切な言動(不名誉な行為)によって、「世間に対する体面・体裁が維持できなくなる」という意味合いがあります。
「世間に対する体面(世間体)・立場」を失ってしまい苦しい状況に追い込まれていることを「立つ瀬がない」という言葉で表現するのです。
- 「立つ瀬がない」の読み方
「立つ瀬がない」の読み方
「立つ瀬がない」の読み方は、「たつせがない」になります。
「立つ瀬がない」の類語や言い換え・似た言葉
「立つ瀬がない」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「立つ瀬がない」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「立場がない」【たちばがない】
- 「居場所がない」【いばしょがない】
- 「面子が立たない」【めんつがたたない】
- 「世間体が悪い」【せけんていがわるい】
「立場がない」【たちばがない】
「立つ瀬がない」の類語・言い換えとして、「立場がない」があります。
「立場がない」というのは、「自分・親しい人の好ましくない行動によって、地位・境遇に基づく居場所がないこと」を意味しています。
「立つ瀬がない」とは、望ましくない行動・発言によって立場を失い、苦境に追い込まれることを意味しています。
そのため、「立つ瀬がない」という言葉は「立場がない」に言い換えることができるのです。
「居場所がない」【いばしょがない】
「立つ瀬がない」の類語・似た言葉として、「居場所がない」があります。
「居場所がない」というのは、文字通り、自分の不適切・不名誉な言動が原因となって、自分がそこに居ても良いと思えるような居場所が無くなることを意味しています。
「立つ瀬がない」という言葉にも、不適切な行動によって世間における自分の居場所が無くなるというニュアンスがあります。
そのため、「立つ瀬がない」と似た言葉として、「居場所がない」を考えることができるでしょう。
「面子が立たない」【めんつがたたない】
「立つ瀬がない」の類語・言い換えとして、「面子が立たない」があります。
「面子が立たない」とは、「名誉が傷つけられて世間の人々に顔向けできないこと」や「不適切な言動によって自分の体面が保てないこと」を意味しています。
世間に対する面目を失って窮地に陥ることを意味する「立つ瀬がない」の類語として、「面子が立たない」を上げることができるでしょう。
「世間体が悪い」【せけんていがわるい】
「立つ瀬がない」の類語・似た言葉として、「世間体が悪い・体裁が悪い」があります。
「世間体が悪い」とは、「世間の人々に対する見え方が悪いこと」や「世間に対して体裁が立たないこと(世間に見栄を張って取り繕えないこと)」を意味しています。
「体裁が悪い」というのも、「外から見た感じが悪いこと」や「世間の人々の目に映っている自分の姿が悪いこと」を意味しています。
不適切な行為をして世間に対する立場・面目がなくなることを意味する「立つ瀬がない」の類語として、「世間体が悪い・体裁が悪い」を上げることができます。
「立つ瀬がない」の言葉の使い方
「立つ瀬がない」という言葉は、自分や親しい人の不適切な言動(不名誉な行為)によって、「世間に対する体面(世間体)・体裁が維持できなくなった時」に使用します。
立つ瀬がないという言葉の使い方は、「世間に対する体面(世間体)・立場」を失ってしまって気まずい思いをしている時に使うということになります。
「自分の言動+親しい他者の行動」によって、世間体や立場を失ってしまうと、苦しい状況に追い込まれやすくなります。
自分や他者の不適切な行動によって、自分の立場や居場所が無くなってしまったと感じた時に、「立つ瀬がない」という言葉でそのつらい気持ちを表現することができるのです。
「立つ瀬がない」を使った例文
「立つ瀬がない」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか?「立つ瀬がない」を使った例文について紹介していきます。
- 「立つ瀬がない」の例文1
- 「立つ瀬がない」の例文2
- 「立つ瀬がない」の例文3
「立つ瀬がない」の例文1
医師の息子として英才教育に力を入れてきたというのに、三流大学の医学部にさえ全く合格できないというのは、親として立つ瀬がない。
「立つ瀬がない」の例文2
絶対に不正な現金の授受などなかったと強弁していた大臣が収賄罪で東京地検特捜部の捜索を受けたことから、その大臣をかばっていた内閣総理大臣の立つ瀬がなくなってしまった。
「立つ瀬がない」の例文3
彼氏が特別な病気でもないのに5年以上も定職に就かないどころかアルバイトさえもしていないということは、彼女として立つ瀬がない事実であった。
「立つ瀬がない」を分解して解釈
「立つ瀬がない」という言葉を分解して、「立つ瀬」と「ない」の意味をそれぞれ解釈していきます。
- 「立つ瀬」とは?
- 「ない」とは?
「立つ瀬」とは?
「立つ瀬」というのは、「その人の立場・面子(メンツ)」や「世間に対する面目・プライド」などを意味しています。
立つ瀬の「瀬(せ)」というのは、川の中でも徒渉(としょう)できるくらいの浅い場所のことを指しています。
「立つ瀬」とは川の浅い流れの中で立っていられる場所ということから、「立場」を意味しています。
「ない」とは?
「ない(無い)」というのは、そのまま「存在・状態が無い」ということを意味しています。
「立つ瀬がない」というのは、その文字通り、「立つ瀬(立場・居場所・面子)がないこと」を意味しているのです。
相手が自分の立場・面子にとって都合が悪いことや無責任なことをした時に、「立つ瀬がない」という言葉を用いることができます。
「立つ瀬がない」の語源
「立つ瀬がない」の語源には、特別な故事成語のエピソードがあるわけではなく、「川の瀬(川の流れが浅くなっている場所)」に「立つことのできる場所(立っているべき場所)」がないということに由来しています。
「瀬」とは川の水が浅くなっていて歩いて渡れる部分のことですが、「立つ瀬がない」という言葉は「人が立っていることのできる瀬の部分がない」ということを意味しているのです。
「人が立っていることのできる瀬の部分がない」ということから転じて、「立場が無くなる・面子(体裁)を失う」といった立つ瀬がないの意味が生まれました。
面目がないと立つ瀬がないの違い
「面目がない」と「立つ瀬がない」は良く似た意味合いを持つ類語とされています。
面目がないの読み方は、「めんぼくがない・めんもくがない」になります。
面目がないの意味は、「世間に対する体面・体裁が立たずに恥ずかしいこと」や「不名誉(不適切)なことをしてしまって恥ずかしくて世間に顔向けできないこと」になります。
「面目がない」と「立つ瀬がない」の言葉の意味には大きな違いはありませんが、「面目がない」の方が「世間の人々に顔向けできない心理的な恥ずかしさ」のニュアンスが強調されています。
それに対して、「立つ瀬がない」の方は「自分の立場・面子を失ってしまって苦境(苦しい状況)に追い込まれること」のニュアンスが強くなっています。
- 「面目」とは?
「面目」とは?
面目がない(面目ない)の言葉を構成している「面目(めんぼく・めんもく)」とは、何のことを意味しているのでしょうか?面目というのは、「世間や周囲の人々に対する体面・立場・名誉」や「世間一般からの評価」のことを意味しています。
あるいは、面目とはただ「物事の一般的な有様・様子」のことを指示しているのです。
面目を使用した言葉としては、「面目が立つ・面目次第もない・面目丸潰れ(めんぼくまるつぶれ)」などがあります。
「立つ瀬がない」という言葉について徹底的に解説しましたが、立つ瀬がないには「自分の立場が無くなること」や「自分の面目を失って苦境に陥ること」などの意味があります。
立つ瀬がないの類語・言い換えとしては、「立場がない」「居場所がない」「面子が立たない」「世間体が悪い(体裁が悪い)」などがあります。
「立つ瀬がない」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。