「既定路線」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
もう随分と前から決まっていることや、決めたこと、またそれらの方針などの事を「既定路線」といいます。
あまり日常会話では出てこない言葉ですし、慣れない言葉だと思いますが、どのような意味や使い方があるのかを詳しくみていきたいと思います。
目次
- 「既定路線」の意味とは?
- 「既定路線」の類語や言い換え
- 「既定路線」の使い方
- 「既定路線」を使った例文
- 「既定路線」を使った言葉
- 「既定路線」の反対語や対義語
「既定路線」の意味とは?
- 「既定路線」の読み方や意味
「既定路線」の読み方や意味
「既定路線」は【きていろせん】と読みます。
そして、
- 既に定まっている方針や方向性のこと
- そうなる事が決まっていること
- 前から確立されたこと
という意味があります。
「既定」とは既に決まっていることや、もう随分前から分かっているという意味があります。
そして「路線」にはもちろん交通機関の路線という意味がありますが、他にも方向性や方針などの意味があり、個人や企業、組織などが向かおうとしている将来や考え方、スタイルや向かう道筋のことを表す言葉でもあります。
「既定路線」の類語や言い換え
「既定路線」という言葉には、明確な類語や言い換えなどはありません。
ですが似たような意味合いを持つ言葉があるので挙げてみたいと思います。
- 「確定」【かくてい】
- 「既存」【きそん】
- 従来」【じゅうらい】
「確定」【かくてい】
「確定」とは物事がはっきりと決まること・定まることをいいます。
また、これ以上も以下もなく、揺るがない結果という意味があります。
「確定」すると物事を覆す事はほぼ皆無に等しく、「既定」のようにルールとして決まったものではない「既定路線」とはその部分は違いますが、"決まっていること"という意味で同じだと言えるでしょう。
- 「確定した事を覆す事は非常に難しく不可能に等しい」
- 「当選が確定するまではおとなしくしていて下さい」
など。
「既存」【きそん】
「既存」とは既に存在するモノのことをいいます。
随分と前から世間に知れ渡り、誰もが知っているという状態のことをいうため、「既定路線」とは似た意味を持つ言葉になります。
- 「既存型のパソコンが壊れてしまったので、新しい機種にするか、修理に出すか悩んでいる」
- 「既存の設備に加え、最新の設備も導入しようと思っている」
など。
従来」【じゅうらい】
「従来」とは、以前から今までの事をいいます。
ずっと昔から続いて今に至る状況や、モノ、システムなどのように対象物は様々です。
「既定路線」の「既定」と「従来」が同じニュアンスになる部分は、ルールとして「定まって」いるモノではないので変更や変動するものである事と、前々からあり認められているという事が同じになります。
- 「従来のやり方では上手くいかず、変更した」
- 「新機種を購入したので、従来品を廃棄した」
など。
「既定路線」の使い方
「既定路線」とは既に定まり、前から確立された方針や方向性のことをいいますが、「周知の事実」や「変わる事のない決まり」などといったずっと暗黙の了解で続いてきた物事や決まり事があるという時に使う表現になります。
その対象としては、状況や環境などには使いますが、人物名のような固有名詞にも使われる事があります。
例えば「マイケルジャクソンになる事は既定路線だった」というように、誰もが分かっていた事というニュアンスを強くしたい時などによく使われます。
「既定路線」を使った例文
- 「既定路線」の例文1
- 「既定路線」の例文2
- 「既定路線」の例文3
- 「既定路線」の例文4
- 「既定路線」の例文5
「既定路線」の例文1
「次期社長は既定路線だと、誰もがわかっていたことだ」
「既定路線」の例文2
「あの高校が優勝するのは既定路線だと思っていたけれど、予想とは違って他校が強かった」
「既定路線」の例文3
「あのグループの解散は既定路線だと言われていたが、実際は違ったらしい」
「既定路線」の例文4
「王室の世襲は既定路線だと誰もが思っている」
「既定路線」の例文5
「既定路線の部分は残して、新しく定めるところに力を入れたいと思います」
「既定路線」を使った言葉
「既定路線」を使った言葉をいくつか挙げてみたいと思います。
更に使い方や意味の理解が深まるのではないでしょうか。
- 「既定路線の体制」
- 「増税は既定路線」
- 「既定路線と規定路線」
「既定路線の体制」
「既定路線の体制」とは前から既に決まっている体制の事をいいます。
体制とは仕組みやシステム、制度のことをいうため、それがシステム化されている会社や組織を表す時に、使う言葉になります。
ずっと続いている方向性や方針などがあって、疑問があっても多少納得をしていなくても、それが"ルール"になっているところがあるので、それを表現するために使われる事があります。
「増税は既定路線」
「増税は既定路線」とは、増税される事が当たり前、そんな事は前から決まったルールといったような状態にある事をいいます。
もちろん当然ではありませんし、話し合いが為されるべきですが、この「増税」の部分を違う言葉に置き換えても使える表現になります。
つまり本来は毎回きちっと説明や経過報告などが有るべきなのですが、流れでこのまま続くという雰囲気を表す言葉でもあります。
「既定路線と規定路線」
「既定路線と規定路線」の違いは、「既定」と「規定」の違いになります。
「既定」は先述した通りですが、「規定」とは、規則や規律などで決まっていることという意味になります。
「規定路線」とはルールとして決まった方針や方向性という意味ですが、「既定路線」とは《既に決まっている》という事なので「規定路線」として定められているものが「既定路線」になっていると考えると分かりやすいかもしれません。
ただ、「既定路線」が必ずしも「規定路線」になるとは限らず、「規定」自体が変われば「既定路線」も変わるものなので、「既定路線」は「規定路線」に付随するものだと言えるでしょう。
「既定路線」の反対語や対義語
「既定路線」という四字熟語自体には反対語や対義語などはありませんが、「既定」自体には反対語や対義語、またそのニュアンスを持ったものがあるので、いくつか紹介したいと思います。
- 未定【みてい】
- 仮定【かてい】
- 新規【しんき】
未定【みてい】
「未定」とは、まだ方針や方向性、進行先が何も決まっていない状態や状況を表しています。
未来が定まっていないという意味であり、「既定路線」の「既定」とは対義語になります。
- 「既定の部分はいいとして、未定の部分を、今後きっちり詰めていかなければいけない」
- 「予定は未定で、今のところ決定できる程情報がない」
など。
仮定【かてい】
「仮定」とはまだ決まってはいない物事を、例えとして説を定めることをいいます。
「既定路線」とは真反対ではありませんが、「既定」の対義語の1つとして「仮定」という言葉があるので、これからの「路線」という表現としてはおかしくはないでしょう。
- 「これからの事をしっかりと仮定し、精査していかなければいけません」
- 「ある仮定に基づいて算出された数字ではあるが、まだ全信頼をおいてはいない」
など。
新規【しんき】
「新規」とは新しく何かの組織や会員に入ったり、また新しく集う事や集まってきた人のことをいいます。
もしくは新しく作った規定や規則を指す場合があります。
「既定路線」の「既定」は前々から決まっていた事という過去の意味があるので、「既定」の部分を「新規路線」と言葉を変える事によって、これからの未来について表現する言葉になります。
- 「新規のお客様を集めるには、画期的な集客術が必要だ」
- 「銀行で新規口座を開いてきた」
など。
普段生活をしていると「既定路線」に気付かず慣れてしまって当たり前のように過ごしている事が多いかもしれません。
この言葉はあまり使う言葉ではありませんが、疑問に思ったり不思議と感じる機会があれば使ってみてはいかがでしょうか。