「感覚を覚える」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
特に何もしていないのに、ふとした瞬間に懐かしい気持ちになったり、痛みを感じたりした事はないでしょうか。
もしくは、新しく何かを始めた際に、段取りや空気感などの目に見えないルールのようなものを、体で感じた経験があるのではないでしょうか。
このような状況の事を「感覚を覚える」といいますが、今回はこの言葉の意味などを詳しく解説していきたいと思います。
目次
- 「感覚を覚える」の意味とは?
- 「感覚を覚える」の類語や言い換え
- 「感覚を覚える」の使い方
- 「感覚を覚える」を使った例文
- 「感覚を覚える」を分解して解釈
- 「感覚を覚える」を使った言葉
「感覚を覚える」の意味とは?
- 「感覚を覚える」の読み方や意味
「感覚を覚える」の読み方や意味
「感覚を覚える」は【かんかくをおぼえる】と読み、意味としては
- 実際には何の変化も起こっていないけれど何かを感じ取ること
- 物事を繰り返すうちにそのやり方やコツが身についていくこと
- 何となくそんな気がしたり、そんな気持ちになること
をいいます。
感覚は目に見えるものではない上に人によって違うため、頭で理解するには限界があります。
何となく想像して自分に置き換えてみたり、経験したことから得た感性や感情などを投影して得るものになります。
ですから「感覚を"覚える"」にはこれまで感じてきたものを重ねてきた結果、自然に体が記憶しているものだといえるでしょう。
もしくは経験や体験をした事はなくても、人には想像力があるのでそう本人が"感じた"のであれば、それは「感覚を"覚える"」ことになります。
「感覚を覚える」の類語や言い換え
「感覚を覚える」と同じ意味合いを持つ言葉をいくつか紹介したいと思いますので、ニュアンスの違いにも着目してみましょう。
- 「感慨を持つ」【かんがいをもつ】
- 「心境になる」【しんきょうになる】
- 「〜な気がする」【~なきがする】
「感慨を持つ」【かんがいをもつ】
「感慨」とは、物事を深く感じ、しみじみとした気分に入り込むことをいいます。
「感覚を覚える」とは《そんな気がした》などの意味があるので、感情に明確な理由が存在する訳ではありませんが、何かの拍子に変化を感じ取るという意味で同じになります。
- 「頂いた手紙の匂いに感慨を持った」
- 「感慨を持つような番組を観て、田舎に帰りたくなった」
「心境になる」【しんきょうになる】
何らかの出来事が起こったその時の気持ちのことや、心の状態のことを言います。
「境」には《境目・ボーダー》という意味があり、「心境」は心の境目、つまり変わっていく節目という意味になります。
「感覚を覚える」と「心境になる」は何かをキッカケに「そういう気になった」という意味が同じになります。
- 「そんな風に思っていたのかと、我が子を抱きしめてあげたい心境になった」
- 「複雑な心境になったのは、自分のせいでもあると思ったからだ」
など。
「〜な気がする」【~なきがする】
「気がする」という言葉は、普段からよく使う言葉ではないでしょうか。
ハッキリとした理由がある訳ではないけれど、何となくそう感じると言った言葉になります。
また、「気がする」は個人的な感情なため基準はなく根拠は定かではありません。
物証や理論などはなく、とにかく本人がそう思ったりそう感じたという事を表す言葉なので、「感覚を覚える」とは非常に近いニュアンスになります。
- 「あの人は私の事が嫌いな気がする」
- 「この場所にいると、とても落ち着くのは、私がこの場所に縁があるからのような気がする」
など。
「感覚を覚える」の使い方
「感覚を覚える」とは文字通り、自分の今まで得た感覚や感性、感情を基にして脳が「そうかもしれない」「そんな気がする」といった指令を出した時に使う言葉になります。
もしくは本当にそうではなくても、本人が「そう感じる」場合にも使います。
例えば本当は1人なのに「人がいるような感覚を覚えた」という場合と、何かを行う際に「感覚を覚えないと、この作業は難しい」という場合も、意味は違いますが、経験はなくても体が無意識に何かを感じたり、これまで積み重ねてきたものがないと「感覚」は覚える事ができないということなので、何らかのサインやヒントをその瞬間に得た時に使う言葉だと言えるでしょう。
「感覚を覚える」を使った例文
- 「感覚を覚える」の例文1
- 「感覚を覚える」の例文2
- 「感覚を覚える」の例文3
- 「感覚を覚える」の例文4
- 「感覚を覚える」の例文5
「感覚を覚える」の例文1
「仲間に囲まれ、賑やかに過ごしているのに1人のような感覚を覚える」
「感覚を覚える」の例文2
「懐かしい感覚を覚えたのは気のせいではない」
「感覚を覚える」の例文3
「あまりの恐怖に、息をしていないような感覚を覚えた」
「感覚を覚える」の例文4
「あれ程泣いて忘れようとしたのに、まだ大丈夫なんじゃないかという感覚を覚える自分に辟易とする」
「感覚を覚える」の例文5
「感覚を覚えるまでは、ひたすら努力をするしかない」
「感覚を覚える」を分解して解釈
- 「感覚」
- 「覚える」
「感覚」
「感覚」には沢山の意味があり、
- 人が持つ五感である《視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚》を使って感じ取る気持ちや意識のこと
- 外的要因から得る体温の上昇や低下、皮膚の感触などのこと
- モノに対するバランスや美醜・良し悪し・必要不必要の判断などをする心の動きや受け入れ方
- 何かをする時の心構えや、そのことに対する考え方、捉え方
などをいいます。
「感覚」は英語で“Sense”【センス】といわれます。
センスがない、センスが良いといった言い方をするように「感覚」とは、人によって違いバラバラではありますが、時代や環境によって変わり、大まかな「ルール」というものが存在することは確かなようです。
「覚える」
「覚える」という言葉にも幾つかの意味があります。
- 見聞きしたことを忘れないように記憶すること
- 目に見えないモノを心で感じたり想像して想うこと、もしくはそこから学習したり何かを習得すること
- 「そう思う」や「そう意識する」という別の言い方
などがあります。
また「覚える」は「憶える」と記すことがありますが、基本的には常用漢字ではないため、「憶える」は【おぼえる】という読みを持っていません。
ただ表現法として「昔の出来事を記憶する・思い出す」という意味で「憶える」という漢字を使う場合はあります。
「感覚を覚える」を使った言葉
- 「感覚を覚えた」
- 「感覚を感じる」
「感覚を覚えた」
「感覚を覚えた」は「感覚を覚える」の過去形になりますが、非常によく使う言い回しになります。
実際には何かが起こったり変化があったわけではないけれど、なんとなく何かを感じたりそんな気がしたといった意味になります。
例えば懐かしい場所に行くことで何かを感じたり、経験したことはないけれど、あるような気持ちになったなどの、少し不思議で理由付けができないような経験をしたときに使われることが多いと言えるでしょう。
- 「全員が同じような感覚を覚えたという事は、やはり何らかの理由があるのだろう」
- 「感覚を覚えたからには、今後は素直に受け入れようと思う」
など。
「感覚を感じる」
よく「感覚を覚える」と「感覚を感じる」が同じ様に使われることがあります。
ですがこの2つは少し意味合いが違い、「感覚を感じる」とは五感や外的刺激を経て情報を得るという事です。
例えば「祖母がいる感覚を感じる」とは「そんな気がする」よりももう少し明確で自信があるといったニュアンスになります。
この2つは非常に似ていますが、微妙に感覚への触れ方が違うと言えるでしょう。
- 「愛されているという感覚を感じたのは、もう何年も前のことです」
- 「大病をしてから、あまり人の感情や感覚を感じる事が少なくなった」
など。
「感覚を覚える」は比較的身近な言葉なので、是非今回知った知識を活かし、言葉の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
日本語には少しの違いで意味が変わったり、そもそも誤った言葉になってしまうなどの難しい特徴がありますが、教養を深める事で、そのようなミスも減り、美しい日本語を話せるようになるのではないでしょうか。