「平穏無事」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
誰でも日々穏やかに、何事もなく平和に暮らしたいと思うものではないでしょうか。
多くの日本人は、お正月やお盆などに神社やお寺に行き、神や仏に手を合わせ、「平穏無事」や「感謝」を伝え恙無い未来を祈るものですが、今回はこの「平穏無事」についてお話ししたいと思います。
目次
- 「平穏無事」の意味とは?
- 「平穏無事」の類語や言い換え
- 「平穏無事」の使い方
- 「平穏無事」を使った例文
- 「平穏無事」を分解して解釈
- 「平穏無事」の対義語や反対語
- 「平穏」と使った言葉
「平穏無事」の意味とは?
- 「平穏無事」の読み方や意味
「平穏無事」の読み方や意味
「平穏無事」は【へいおんぶじ】と読み、
- 何事もなく穏やかであること
- 安らかで、変わったことがなく平和に穏和に過すこと
- 生活や人生に浮き沈みがなく、物理的にも、心身共にも安定していて穏やかなこと
と言う意味があります。
初詣や年賀状などではよく聞き、見かける言葉だと思うので珍しい四字熟語ではありませんが、普段の会話にはあまり登場しないかもしれません。
「平穏無事」の類語や言い換え
「平穏無事」には、いくつか類語や似た言葉が存在します。
それぞれ細かなニュアンスは違いますが、大まかに見ると同じような意味になるので、比べてみると面白いかもしれません。
- 「天下泰平」【てんかたいへい】
- 「安寧」【あんねい】
- 「澹然無極」【たんぜんむきょく】
- 「安穏」【あんおん/あんのん】
「天下泰平」【てんかたいへい】
「天下」とは、世間や社会、世界を表し、「泰平」とは、平和でやすらかであること、広く大きく穏やかな状態という意味があります。
そしてこの2つを合わせると、《世の中が何事もなく緩やかで穏やか》という意味になります。
「平穏無事」はどちらかというと、個人的な平和のスケールに感じますが、「天下泰平」の平和のスケールは世の中や社会のため、天変地異や戦争などが起こらない事も含まれるので、結局は個人にも影響する事になります。
- 「天下取りになるからには、天下泰平を望んでいたに違いない」
- 「天下泰平を望む事は時代や人種、性別など関係ない」
など。
「安寧」【あんねい】
「安寧」は、あまり日常会話で頻繁に使われない言葉かもしれませんが、文章や手紙、新聞などでは目にする機会が多い言葉になります。
意味としては、世の中が平和で穏やかであることや、何事もなく平和で安らかにな事という意味になります。
- 「この国の安寧を保つことが何よりも大切だと大統領は発言している」
- 「安寧の地であるこの場所は、自分の出身地とは真逆の場所だ」
など。
「澹然無極」【たんぜんむきょく】
「澹然無極」の「澹然」とはこだわりがなくさっぱりしている事、または淡々と静かに過ごす事をいいます。
そして「無極」とは限界がない事や、果てがない事いいます。
またはそれ以上ない事や程度が言い表せない事をいいます。
この2つの言葉を合わせると《この上なく安静で何のしがらみもない状態やその様》という意味になり、「平穏無事」と似たニュアンスになります。
- 「澹然無極を理想とする思想を流布する為に活動している」
- 「社会が澹然無極となり、人々が安定した生活ができる事を祈ります」
など。
「安穏」【あんおん/あんのん】
安穏とは穏やかで安心して過ごせることや、その様子、状態をいいます。
もしくは安定した日々を送り、それが気楽で和やかな様子である事を表す言葉になります。
「平穏無事」とは同じような意味を持ち、よく代わりの言葉としても使用されます。
- 「彼女は色々な事があったけれど、今は安穏と暮らしている」
- 「彼らが何の心配もなく安穏と過ごせるようになることを祈っています」
など。
「平穏無事」の使い方
「平穏無事」は日常会話にはあまり使わない言葉だと思いますが、祈る時や願望や希望などを表す時にはよく使われる四字熟語になります。
また人によっては目標としたり、好きな言葉として心の中に留めていたりする事もあるようです。
「平穏無事」を使った例文
- 「平穏無事」の例文1
- 「平穏無事」の例文2
- 「平穏無事」の例文3
- 「平穏無事」の例文4
- 「平穏無事」の例文5
「平穏無事」の例文1
「死にものぐるいで逃げてきたこの地で、やっと平穏無事な生活を送れている」
「平穏無事」の例文2
「今はまだ、仕事が安定せず生活は厳しいと思うけど、もう少し辛抱すれば平穏無事な生活が送れると思うよ」
「平穏無事」の例文3
「戦争中には、こんな平穏無事な時代が来るなんて思ってもみなかった」
「平穏無事」の例文4
「このように平穏無事に暮らせているのも、全て夫のおかげです」
「平穏無事」の例文5
「平穏無事と書かれた年賀状をみて、改めて平和がいかに貴重かを考え直した」
「平穏無事」を分解して解釈
「平穏無事」は四字熟語なので、熟語と熟語で成り立っています。
それぞれの言葉をより詳しく知る事で更に意味が理解しやすくなると思います。
- 「平穏」
- 「無事」
「平穏」
「平穏」とは、生活に変わったことも浮き沈みもなく、精神面が平々としていて穏やかな状態をいいます。
「無事」
「無事」とは、普段と変わることなく、特別に悪いこともメンタルが左右されるような事も起らないことをいいます。
「平穏無事」の対義語や反対語
「平穏無事」にはいくつか対義語や反対語があるのでご紹介します。
- 「波瀾万丈」【はらんばんじょう】
- 「多事多難」【たじたなん】
- 「内憂外患」【ないゆうがいかん】
「波瀾万丈」【はらんばんじょう】
「波瀾万丈」とは物事の変化が非常に激しく、人生に浮き沈みがあったりメンタルが一定しない状態がある事を表す言葉になります。
「波瀾万丈」は「波乱万丈」とも書きますが、実はこの「乱」は代用表記になります。
また「瀾」という漢字には《大きな波》という意味があり、「波瀾万丈」の意味にも反映されています。
- 「どん底を味わい、苦しい時期も長く、波瀾万丈な生き方をしてきたけれど、楽しく面白かったので満足している」
- 「本人はピンと来ていないけど、彼女の人生は実に波瀾万丈だ」
など。
「多事多難」【たじたなん】
「多事多難」とは漢字からも想像が出来るように、非常に沢山の事件や事故、災難や困難が多い事を表す言葉になります。
《難儀な事》とは望んでいなくてもやってきますし、少しの事がキッカケになったり、一瞬で穏やかさは崩れ去るものです。
いかに「平穏無事」が尊く価値のあるものかが分かる対義語になります。
- 「ここのところ、多事多難があり過ぎて、本来の自分がどんな人物だったかを忘れそうになっている」
- 「多事多難な一年だったので、来年は平穏無事に過ごしたい」
など。
「内憂外患」【ないゆうがいかん】
「内憂外患」とは国内にも国外にも心配事や憂鬱がある事を言います。
「内憂」の「内」は国内のことを、「外患」の「外」は国外を表し、それぞれ憂いのある事や患い事で気を揉んで不安を抱えているという意味になります。
言葉自体は国を指していますが世間や個人にも使われます。
- 「天災は起こるわ、外交は滞るわで内憂外患の状況だ」
- 「内憂外患と様々な問題を抱え、落ち着く暇がない」
など。
「平穏」と使った言葉
「平穏」という言葉には使い方が多数あるので、どのようなものがあるのかを挙げてみたいと思います。
- 「平穏な毎日」
- 「平穏を取り戻す」
「平穏な毎日」
穏やかで変化や浮き沈みがない毎日という事を表したい時に使います。
平穏という事に気付いているからこその言葉であり、何も起こらない静かで安定した毎日に対し退屈していたり、当たり前だと思っている場合には、この「平穏な毎日」という表現ではなく「平凡な毎日」になるのではないでしょうか。
「平穏を取り戻す」
ずっとそれまでは、平々と穏やかに暮らしていたのに、何らかの理由や原因でそれが崩れ去った時に使う表現になります。
「平穏」とは普段何気なく過ごしていると気付かないものですが、実は非常に脆く、崩れやすいものなのです。
失ってから気付く事が多く、取り戻すには時間がかかる事も珍しくありません。
そんなかけがえのない「平穏」を取り戻せた時に使う言葉になります。
穏やかで安らかな状態が続くと、「平和」の有難さや些細なことが当たり前になり日常に起きている小さな出来事にまで目が届かなくなります。
常に感謝を意識する必要はありませんが、「平穏無事」が幸せな事なのだと思えるようにはしたいものです。