「衒学趣味」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
衒学趣味という言葉を知っているでしょうか。
小説などに使われている事もありますが、何だか難しそうなイメージがある熟語です。
ですがその意味を知ると、普段から使いやすい言葉であることが分かるでしょう。
目次
- 「衒学趣味」の意味とは?
- 「衒学趣味」の類語や言い換え
- 「衒学趣味」の使い方
- 「衒学趣味」を使った例文
- 「衒学趣味」を分解して解釈
- 「衒学」を使ったその他言葉
「衒学趣味」の意味とは?
衒学趣味の意味は、自分の持っている知識や教養をひけらかす趣味の事です。
その知識自体は素晴らしいものであっても、自慢げに披露したり、特に意味なく場違いなうんちくをたれるのが好きな事を指します。
ですから、博識などと違って決して良い意味を持つ言葉とは言えません。
- 「衒学趣味」の読み方
「衒学趣味」の読み方
衒学趣味は、げんがくしゅみと読みます。
趣味はそのままですが、衒学という漢字をパッと読める人は多くないでしょう。
衒という漢字は音読みでげん、訓読みではてらう、ひけらかすといった読み方をします。
ですから、衒学趣味という熟語では、ひけらかすと読める衒という漢字が非常に重要な意味を持っていると言えるでしょう。
「衒学趣味」の類語や言い換え
衒学趣味という言葉自体は、一般的にあまり知られているものとは言えません。
その意味も読み方さえも知らない人は多いでしょう。
ですが、類語や言い換えとなると難しくはありません。
同じような意味を持つ言葉や言い換えとしてあてはまる表現方法はいくらでもあるのです。
- ペンダチック
- 蘊蓄をたれる
- 衒気
- 衒耀
- 学者ぶった
ペンダチック
ペンダチックとは、まさに衒学趣味と同じ意味を持つ言葉だと言えます。
まわりに自分の知識の深さや豊富さをひけらかしたり、いちいち難しい表現や言い回しを好む事をペンダチックというのです。
衒学趣味と同様にポピュラーな言葉ではありませんが、実は使いどころが多い言葉だと言えるでしょう。
蘊蓄をたれる
蘊蓄というのは、これまで培ってきた知識の積み重ねという事で、決して悪い意味ではありません。
ただし、蘊蓄をたれるといった使い方をすることで衒学趣味と同じような意味になります。
人に求められていない知識を垂れ流す、自慢をするといった捉えられ方になり、衒学趣味の言い換えとしても使用する事が出来るでしょう。
しかし、本来蘊蓄とはたれるものではなく傾けるものです。
蘊蓄を傾けるだと自分の知識を精一杯発揮すると言った意味になり、衒学趣味と言い換える事は難しくなってしまうでしょう。
衒気
衒学趣味と同じく衒という漢字を使用した衒気は、その意味もほぼ同様のものとなります。
自分の才能や知識を見せびらかす事の意味があります。
衒学趣味との違いは、衒気は自分の才能をみせびらかすという意味合いが強く、その才能の中に知識も含まれているのです。
衒耀
てらい誇る、自分の才学を誇らしげに周囲に示すことを衒耀と言います。
読み方はげんようとなり、衒学趣味の類語と言えるでしょう。
衒耀は自分を大きく見せるためであったり、自分の才能をまわりにしらしめたいという意味合いがあります。
学者ぶった
学者といえば、物知りというイメージがあります。
学者でもないのにまるで、それを生業としている人の様に振る舞う事を指して学者ぶるといった言い方をするものです。
そのため、衒学趣味の言い換えとして学者ぶったという言葉を使用することも可能です。
「衒学趣味」の使い方
残念なことに衒学趣味とは、誉め言葉として使用されるものではありません。
自分の知識が学識を自慢したり、ひけらかしてばかりいる人に対する嫌味として使用されます。
広く深い知識を持っていても、尊敬ではなく嘲笑を含む言葉だと言えるでしょう。
場合によっては、博識な人物に対する嫉妬から衒学趣味と揶揄して使われることもあります。
このようにどんな場合であっても、衒学趣味は良い意味として使われないことが分かるでしょう。
「衒学趣味」を使った例文
他の熟語と違って、衒学趣味という言葉をこれまで使用した経験がない人も多いはずです。
そもそもこの言葉自体を知らなくても不思議ではありません。
人物に対しての嫌味や揶揄として使用される衒学趣味の使いどころを、例文を見ながら覚えていきましょう。
- 「衒学趣味」の使例文1
- 「衒学趣味」の使例文2
- 「衒学趣味」の使例文3
「衒学趣味」の使例文1
「部長は衒学趣味がこうじて話が長い」
この例文を分かりやすく訳すと、部長は自分の知識をひけらかすのが好きな人なので、いつも話が長くなってしまうという意味です。
これもそんな部長に対する嫌味として衒学趣味が使用されています。
為になる知識であったり、知識の深さに感銘を受けている場合には、上記のような言い回しをする事はありません。
その知識の披露に対して、好感をもっていない事を衒学趣味という言葉を用いて表した具体例です。
「衒学趣味」の使例文2
「彼の衒学趣味にはうんざりする」という例文では、うんざりという言葉が使われている事からも衒学趣味が良い意味で捉えられていない事が分かるでしょう。
彼が知識のひけらかしをしている、耳障りな蘊蓄をたれるというようにいちいち具体的な文章にしなくても衒学趣味という言葉を用いるだけで、どんな事にうんざりしているのかその内容が分かります。
この具体例のように、文章を簡潔にしたい時に用いるのも良いでしょう。
「衒学趣味」の使例文3
「この本は、衒学趣味的な表現が多用されている」という例文のように、衒学趣味は的とセットになって使用される事も多いものです。
衒学趣味的な表現とは、簡潔ではなくわざとらしく難しく表現をした文章という意味になります。
知識をひけらかす人に対する嫌味としてだけではなく、衒学趣味的とする事によって修飾語としての使用が可能です。
「衒学趣味」を分解して解釈
言葉の中には、いくつかの単語を組み合わせた熟語が存在します。
衒学趣味も衒学と趣味に分解する事が出来ます。
このようにして分解してみていく事によって、より言葉の解釈を深める事も可能です。
それぞれの意味を分解してみていく事にしましょう。
- 衒学
- 趣味
衒学
衒学を直訳すると、ひけらかす学問という意味になります。
つまり、ただ純粋に知識を求めるというのではなく、人に自慢をする為の学ということです。
衒学という二文字だけであっても、自分の学や知識を他人にひけらかす自慢をするという意味になります。
趣味
趣味とは、仕事や専門としている事とは別に個人的に楽しんでいるものや好きな事柄を意味します。
また、個人の持つ嗜好の傾向のことでもあります。
ですから、趣味と衒学が結び付くことで、衒学趣味とは自分の持っている知識をひけらかしを好む事と読みとけるのです。
「衒学」を使ったその他言葉
衒学を使ったその他の言葉は、あまり多くありません。
それは、衒学という2文字だけでほぼ意味が成立してしまっているからです。
衒学趣味以外にも、何か別の言葉はあるのでしょうか。
数少ない衒学を用いた別の言葉を紹介していきましょう。
- 衒学者
- 衒学癖
- 衒学的
衒学者
衒学者はげんがくしゃと読みます。
哲学者や医学者というように、学者とつく言葉は色々ありますが、この場合は学者を指しているわけではありません。
知識をひけらかす者という意味での衒学者です。
学者と勘違いをしないようにしましょう。
衒学癖
衒学癖とは、他人に対してつい自分の知識を自慢してしまう習慣や傾向があることです。
癖とは多くの人が意図をせずに行ってしまうものになります。
ですから、衒学癖も自分では自慢をしているひけらかしているという意識はないと言えるでしょう。
それでいて他人の鼻につく降るまいが衒学癖の特徴なのです。
衒学的
衒学的という言葉は、後ろに様々な言葉を用いることが出来ます。
衒学的という言葉を前に付け加えると、知識をひけらかすしたり、わざと小難しく変換しているような事柄という意味になります。
衒学的な人、衒学的思考、衒学的な文章など様々な使い方が出来るでしょう。
衒学趣味という言葉を初めて知ったという人もいるでしょう。
一見すると難しそうな言葉のように思えますが、実際はまわりにも衒学趣味な人が案外いるのではないでしょうか。
言葉自体は取っ付きにくく感じても、その意味を知ることで身近に感じることの出来る熟語のひとつです。