「看過」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「看過」の意味や類語を紹介します。
さらに「看過」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「看過」の意味とは?
- 「看過」の類語や言い換え・似た言葉
- 「看過」の言葉の使い方
- 「看過」を使った例文
- 「看過」の対義語
「看過」の意味とは?
「看過」という言葉は、ビジネスシーンや政治の世界で良く使われ、日常生活でも使われる事がある言葉です。
そのため、すでに言葉の意味や使い方を知っている方もいらっしゃるかもしれません。
一方で何となく意味は知っているものの、きちんとした意味や使い方は良く分からない方もいそうです。
そんな、知っているようで知らない言葉、「看過」の読み方や意味を紹介します。
- 「看過」の読み方
- 「看過」の意味
- 「看過」の二つ目の意味
- 「看過できない」
「看過」の読み方
「看過」は「かんか」と読みます。
「看護婦さん」の「看」で「かん」、「過去」の「過」で「か」と覚えておくと、読み間違えが少なくて済むかもしれません。
特に難しい漢字は使われていないので、読み間違えに注意しましょう。
「看過」の意味
「看過」には、「見過ごす」という意味があります。
「見過ごす」には、「目に入らずにやり過ごす」という意味があります。
例えば、デパートの警備のバイトをしている人が、スマホなどに気を取られて泥棒を見逃してしまった場合は、「看過してしまった」と表現する事ができます。
「看過」の二つ目の意味
「看過」には、意図せずに見過ごしてしまうという意味もありますが、もう一つの意味があります。
それが、「見ていながらとがめない」「とがめずに見過ごす」という意味です。
ビジネスシーンなどでは、ひとつめの「看過」よりも、こちらの「見ていながらとがめない」という意味の方が使われやすいです。
「看過できない」
実際に会社などで誰かがミスをしたり、小さな不正をした時は、正直に指摘ができない事情があったりします。
特に不正の場合は指摘をしてしまえば、その人が会社をクビになり、その人も家族も路頭に迷ってしまう可能性があります。
また自分も大きな恨みを買う可能性があります。
同じような事をしていて、道連れになるのが怖いケースもありそうです。
このような事情から、誰かのミスや不正を「看過する」ケースは良くあります。
しかし「看過」は組織にとって、また本人にとっても良くないケースが多いです。
そのため「看過」という言葉を使った、「看過できない」という言い回しも同じくらい使われています。
「看過」の類語や言い換え・似た言葉
「看過」の類語や、他の言葉への言い換えをチェックしましょう。
「看過」と同じ「見過ごす」という意味を持つ言葉がいくつか登場します。
- 「大目に見る」【おおめにみる】
- 「目をつぶる」【めをつぶる】
- 「聞き流す」【ききながす】
「大目に見る」【おおめにみる】
「大目に見る」は「看過する」と似た意味がある言葉です。
「大目に見る」には「それほどとがめずに、寛大な処置をする」という意味があります。
「看過する」の場合は「見過ごす」わけですから、「大目に見る」とは対処が違います。
「大目に見る」の場合は、すでにミスや不正が発覚し、それに対する沙汰まで出ている状態だからです。
ただし何かの事情により、本来ならもっととがめるべきところをとがめないという点は共通しています。
「目をつぶる」【めをつぶる】
「目をつぶる」は「看過する」とほとんど同じ意味です。
「見て見ぬふりをする」と言う意味で、「看過する」と言い換えられる言葉です。
「今回は『目をつぶろう』」と「今回は『看過』します」は同じ意味になるからです。
「聞き流す」【ききながす】
「聞き流す」は「そのままとがめずに済ませる」と言う意味があります。
「看過する」と同じような意味を持っています。
ただし「聞き流す」という言葉を使う場合は、それほど大きな問題には使われません。
「看過する」という言葉を使う時に見過ごす、政治的な不正や、経済界をざわつかせるような不正ではないケースがほとんどです。
ちょっとした悪口だったり、失礼な言葉を「聞き流す」というケースが多いです。
また目撃せず、「聞く」という行為に限定されている点も違いがあります。
「看過」の言葉の使い方
「看過」という言葉を使う時、ほとんどの場合「看過できない」という言い回しで使います。
単純な見過ごしの意味がある「看過」の場合は、「看過してしまった」などと発言する事ができますが、不正などを意図的に「看過」する場合は、その事を公にしないからです。
文書などに残す事も少ないため、「看過する」という言葉が使われるケースは少ないです。
一方で「看過できない」という言葉は、大っぴらにする事ができる言葉です。
「看過できない」「看過すべきではない」は、正義の側からの発言だからです。
そのため「看過」をビジネスシーンや政治の世界で使う時は、「看過できない」という言い回しをする事がほとんどです。
例えば会社の同僚の誰かが不正をしていて、見過ごすと会社や本人のためにならないと感じた時に、「看過できない」という言葉を使ってみましょう。
「看過」を使った例文
それでは「看過」を使って文章を作ってみましょう。
「看過」や「看過できない」を使った例文をいくつか紹介します。
「部長の言う『スキンシップ』は、『セクハラ』です。『看過できない』問題ではないでしょうか」、「この書類にはいくつもの書き直しが見られます。『看過』してしまったら、刑事事件になりかねません」、「この職場のスタッフのやる気のなさは、『看過できない』レベルです」などです。
また「この不正を『看過』したら、業界を揺るがすような大事件に発展するかもしれません」、「大臣の不正は、この国が始まって最大の不正かもしれません。とても『看過できるものではありません』」など、大きな問題についても、「看過」という言葉を使う事ができます。
「看過」の対義語
最後に「看過」の対義語をチェックしてみましょう。
「見過ごしてなかった事にする」という意味がある、「看過」とは真逆も言えるような、激しくとがめる意味がある言葉が並びます。
- 「大目玉を食わせる」【おおめだまをくわせる】
- 「責め立てる」【せめたてる】
- 「吊し上げる」【つるしあげる】
「大目玉を食わせる」【おおめだまをくわせる】
見るからに迫力がある言葉が「大目玉を食わせる」です。
「大目玉」とは、目を剥いてひどくしかる事を意味します。
誰かが不正をした時に見過すどころか、目を剥いて怒鳴り散らします。
「大目玉を食わせる人」と「食う人」は、力の差が大きいイメージがあるため、親と子供、社長と平社員のような関係かもしれません。
「責め立てる」【せめたてる】
「責め立てる」は「しきりに責める」、「しきりに問い詰める」様子を言葉にしたものです。
「責め立てる人」にミスや不正を見つかった場合は、「看過する」どころか、してしまったミスや不正について包み隠さず話す必要が出て、さらにとがめられる事になります。
「吊し上げる」【つるしあげる】
こちらも迫力のある言葉で、「吊し上げる」という言葉があります。
「責め立てる」という言葉を使う時は、一人か二人にとがめられる様子がイメージできますが、「吊し上げる」の場合は、周囲にいるすべての人からとがめられる様子が見てとれます。
「吊し上げる」には大勢で激しく責め立てる様子を言葉にしたものです。
例えば、浮気をしてしまった夫が、妻と妻の友達、さらには親戚一同に一斉に責め立てられている様子をイメージすると分かりやすいかもしれません。
夫の立場になったら、泣き出してしまいそうな怖い場面です。
「看過」という言葉について、意味や類語・対義語、さらには使い方や例文をチェックしました。
「看過」はビジネスシーンや政治的な出来事に使われる事が多い言葉です。
実際にみなさんが職場で目にしてしまった誰かのミスや不正などに対して、「看過」すべきかどうかは、とても迷う場面だと思います。
良く考えて悔いのない判断を下しましょう。