「看過できない」の意味・読み方・類語【使い方や例文】

「看過できない」の意味とは?

「看過できない」という言葉を知っているでしょうか。

活字慣れをしている人なら、すでに知っている言葉ではないでしょうか。

また実生活で誰かに「看過できない」と言われた経験がある人もいるかもしれませんし、誰かに対して「看過できない」と言った経験があるかもしれません。

一方で、「看過できない」という言葉を、今回初めて知ったという人もいるでしょう。

学生のみなさんや若い世代のみなさんは、知らないというケースが多いかもしれません。

そこで社会人になる前に知っておきたい言葉、「看過できない」という言葉の読み方と意味を紹介します。

• 「看過できない」の読み方
• 「看過」の意味
• 「看過できない」の意味

「看過できない」の読み方

「看過できない」は「かんかできない」と読みます。

「看過」は「かんか」と読みます。

それほど難しい漢字ではないので、読み間違いは少ないかもしれません。

これを機会に「看過できない」は、「かんかできない」と読むと覚えておきましょう。

「看過」の意味

「看過できない」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。

まず「看過」の意味を見て行きましょう。

「看過」の「看」は「看護師」という言葉にも使われています。

この文字には「注意して見る」という意味があります。

「看過」の「過」には、「過ごす」という意味があるため、「看過」は、「見過ごす」という意味になります。

「看過できない」の意味

「看過できない」は、「見過ごす」と「できない」が組み合わさってできたことばですので、「見過ごす事ができない」という意味になります。

そのため「上司の不正を『看過できない』」と言う文章の意味は、「上司の不正を見過ごす事ができない」となります。

「看過できない」の類語や言い換え・似た言葉

「看過できない」の類語や、言い換えられる似た意味の言葉を紹介します。

どのような言葉と「看過できない」は、言い換える事ができるでしょうか。

• 「スルーできない」【するーできない】
• 「放置できない」【ほうちできない】
• 「見て見ぬふりはできない」【みてみぬふりはできない】

「スルーできない」【するーできない】

「スルーできない」はカタカナ語の「スルー」を使った言葉です。

「放置する」「放っておく」という意味があります。

そのため「スルーできない」という言葉には、「放っておく事ができない」という意味があります。

例えば「嫌いな人からきたSNSのメッセージを、なぜか『スルーできない』」と言う文章の場合は、メッセージを放っておく事ができない、という意味になります。

「スルー」という言葉は、若い世代にも通じやすいので、「看過できない」では伝わりにくい相手に対して有効な言葉です。

ある程度の年齢を重ねている人には「看過」、若者には「スルー」などと、使い分けるといいかもしれません。

「放置できない」【ほうちできない】

「放置できない」は「放って置く」と「できない」を組み合わせた言葉です。

「放置」には、ところかまわず置くという意味があります。

例えば「部内の問題を『放置できない』」と言う場合は、問題を放って置く事ができないという意味になります。

「看過できない」と似た意味の言葉で、広く知られている言葉ですから、言い換える時の候補のひとつにぴったりです。

「見て見ぬふりはできない」【みてみぬふりはできない】

「見て見ぬふりはできない」という言葉もあります。

「見て見ぬふり」は、「本当は見ているのに、見ていないように振る舞う様子」という意味があります。

例えば、「彼氏が浮気するのを『見て見ぬふりはできない』」という場合は、彼氏の浮気に気付いているのに、気付いていないふりはできないという意味になります。

「見て見ぬふり」と「看過」は、良く似ている言葉ですので、言い換えられる場面も多いでしょう。

「看過できない」の言葉の使い方

「看過できない」という言葉は、どのような場面で、どのように使えばいいでしょうか。

「看過できない」には、「見過ごす事ができない」という意味があります。

そこで、身の回りに起こった「見過ごす事ができない」出来事に対して、「看過できない」という言葉を使ってみましょう。

例えば、ラーメン店の行列に並んでいる時に、横入りをする人を見かけたとします。

そのまま黙って我慢する事もできますが、人によっては見過ごせないかもしれません。

そんな時に「看過できない」という言葉を使ってみましょう。

すると「私は行列に横入りする人を、『看過する事ができない』。

そのため、わざわざ注意をしに行った」という文章を作る事ができます。

日常生活を送っていても、仕事をしていても、見過ごす事ができない場面に遭遇するかもしれません。

そんな時に「看過できない」という言葉を使ってみましょう。

「看過できない」を使った例文

「看過できない」という言葉を使った、例文を紹介します。

様々な場面における、「看過できない」を使った例文を見ながら、この言葉の使い方を知りましょう。

• 例文1
• 例文2

例文1

ビジネスシーンにおける、「看過できない」を使った例文を紹介します。

「○○君のやる気のない態度は、すでに『看過できない』レベルに達した。

課長に言って、説教してもらおう」、「この小さな問題を見過ごすと、将来大変な問題に発展するかもしれません。

私は断じて『看過できない』です」、「会社全体の不正行為を、私は『看過できない』ため、会社を辞めて転職する事にしました」という感じです。

ビジネスシーンでは、「看過できない」問題が起こりやすいでしょう。

黙っているのも一つの手段ですが、見過ごさず指摘した方が良い場面もあるでしょう。

例文2

日常生活における、「看過できない」を使った例文を紹介します。

「あなたの浪費癖は『看過できない』ほど、ひどい。

そのため今月からお小遣い制にして、月2万円の小遣いでやりくりしてもらいます」、「彼氏の洋服のセンスが『看過できない』くらいひどい。 そこで私はスタイリスト的な感じで、全身のコーディネートを担当した。少しましになったと評判だ」、「A君がBさんの事を大好きな事は、『看過できない』くらい知れ渡っている。見ているとイライラするから、すぐに告白して欲しい」という感じです。

浪費癖や、寝坊癖などの悪癖は、周囲の人にとって「看過できない」くらいの問題になるかもしれません。

本気で怒られる前に、生活態度を改めるようにしましょう。

「看過」と「黙認」の違い

「看過できない」の「看過」と、似た意味を持つ「黙認」の違いはどのようなものでしょうか。

「看過」には「見過ごす」という意味がありますが、「黙認」にはどのような意味があるでしょうか。

「黙認」は「黙って認める」という意味があります。

例えば、「彼女が授業中に居眠りする事を『黙認』する」という文章があります。

この場合は、彼女の居眠りを、黙って認めるという事になります。

黙って認めるの中には、「許す」というニュアンスもあり、「承認を与える」という意味もあります。

一方「居眠りを『看過』する」場合は、単に見過ごすだけで、居眠りする事を許したり、承認を与えているわけではありません。

「看過」した人のはらわたは煮えくり返っているかもしれません。

このように「黙認」と「看過」には、相手の事を認めるかどうか、許しているかどうかの違いがあります。