「冥利に尽きる」の意味とは?漢字、類語や使い方、例文を紹介!
「〜冥利に尽きる」というフレーズを聞いた事がある方は少なくはないと思います。
頻繁に聞く言葉でも、使う機会も少ないかもしれませんが、どのようなタイミングで使用されるのでしょうか。
イメージでは、何かをやり遂げた時などに使い、悪い印象はないとは思います。
ではさっそく詳しく掘り下げてみたいと思います。
目次
- 「冥利に尽きる」の意味とは?
- 「冥利に尽きる」の類語や言い換え
- 「冥利に尽きる」の使い方
- 「冥利に尽きる」を使った例文
- 「冥利に尽きる」を分解して解釈
- 「冥利に尽きる」を使った言葉
「冥利に尽きる」の意味とは?
- 「冥利に尽きる」の読み方や意味
「冥利に尽きる」の読み方や意味
「冥利に尽きる」は【みょうりにつきる】と読みます。
意味は、
- 何かに関わったり、携わっているその立場の者として、これ以上の幸せはないと感じること
- やってきた甲斐があったことに最高の幸せを感じること
などをいいます。
一生懸命その道一本で生きてきた人や、必死になって成し遂げてきた人が喜びを表現する時に使う言葉になります。
この言葉はどんな立場であっても年齢であっても、その人が自分の立場や、やってきた事に対して最高だと思う幸せの時に使う事ができるポジティブな言葉になります。
「冥利に尽きる」の類語や言い換え
「冥利に尽きる」には丸々同じ類語や言い換えはありません。
ですが、同じ意味合いになるような言葉や、考え方が近い言葉はあるので類語・言い換え共にご紹介したいと思います。
- 「冥利に尽きる」の類語
- 「冥利に尽きる」の言い換え
「冥利に尽きる」の類語
「因果応報」【いんがおうほう】
「因果応報」という言葉と「冥利に尽きる」という言葉の、どこが類語なのかと思われるかもしれません。
まず「冥利に尽きる」には神仏・菩薩から知らないうちに受ける「御利益」の意味があります。
そして「因果応報」は仏教の考え方であり《自分が行なった事はいい事も悪い事も返ってくる》という考え方になります。
そのものの意味は違いますが、思想としては同じものがあります。
つまり、「冥利に尽きる」も自分が普段から努力をして一生懸命やってきたからこそ、その道や立場を極める事ができたのだとなり、(神仏のお陰や)勝手にそうなった訳ではなく、自分で導いたものであるという考え方が含まれています。
またよく「因果応報」は悪い事だけが返ってくると思われていますが、本来の言葉の意味としては良し悪し共に返ってくるという考え方になります。
- 「あんなに頑張ったんだからきっと因果応報で、いい事が返ってくると思う」
- 「いい事をすればいい事が、悪い事をすれば悪い事が返ってくるものだけど、因果応報に気付かなければチャンスも逃すし、罰にも当たらない」
など。
「冥利に尽きる」の言い換え
「果報」【かほう】
「果報は寝て待て」という言葉がありますが、本当に何もせずに待つという意味ではなく、「果報」の「果」は良い結果、「報」は悪い報いが起こる事をいいます。
つまりやるだけやった後は運に身を任せ、落ち着いて過ごしましょうという意味になります。
一生懸命精一杯していれば必ず「果」に恵まれるという意味になります。
- 「果報な身分で大変幸せに暮らしています」
- 「私は本当に果報者なのでこれからも精進して頑張りたい」
など。
「冥利に尽きる」の使い方
「冥利に尽きる」は何度も言うように、その道でやってきた立場の人が、自分のやってきたことに対して、褒められたり、成果や功績を残して得られる最高の喜びになります。
それは大きな賞や誰からみてもわかるような讃えられ方というものではなく、本人が納得し嬉しく、幸せだと思えば「冥利に尽きる」のです。
ですから大々的に人目に触れなくても、地味な作業であっても、人が感動したり感謝したりしている事を知って自分が喜ばしく感じたのであれば、「冥利に尽きる」訳です。
ですからそのような気持ちになった時や、他人に対してもそう感じているだろなという時、もしくは自分もその相手に対しずっと頑張っていたと思える時には「◯さん、?冥利に尽きますね」というように使う事もあります。
「冥利に尽きる」を使った例文
- 「冥利に尽きる」の例文1
- 「冥利に尽きる」の例文2
- 「冥利に尽きる」の例文3
- 「冥利に尽きる」の例文4
- 「冥利に尽きる」の例文5
「冥利に尽きる」の例文1
「役者人生をかけて挑戦してみた大役で怪我をしてしまったが、結果的に大成功を収め最高の賞を受賞する事ができた。本当に役者冥利に尽きる。」
「冥利に尽きる」の例文2
「夫から、いつも身なりが綺麗で細かいところにまで行き届いていて素敵だと周りに言われていると聞いて嬉しくなりました。毎日色々あるけれど、主婦冥利に尽きるなと思っています。」
「冥利に尽きる」の例文3
「仲間達からの祝福を受け、やってきた事は正解だったのだとリーダー冥利に尽きると感じている。」
「冥利に尽きる」の例文4
「これこそアーティスト冥利に尽きるというものだ。各世代でNO. 1を樹立したなんて史上初なのだから。」
「冥利に尽きる」の例文5
「一代でここまで会社を作り上げてきて、部下にまで尊敬されるなんて社長冥利に尽きると思う。」
「冥利に尽きる」を分解して解釈
- 「冥利」
- 「尽きる」
「冥利」
「冥利」とは、
- 仏や菩薩・神が私達の知らないうちに与えて下さる御利益のこと
- 善い行いをした事によって受ける恩恵や幸福
の事をいいます。
大変有難いとされているもので、幸せを表す際に使う言葉になります。
ある意味「冥利に尽きる」は「神仏による恩恵が究極になる事」でもあります。
自らが努力をして懸命にしてきた結果ではありますが、このことわざは神仏に感謝し、謙虚さや有難さを表すものになります。
「尽きる」
「尽きる」とは、
- 物理的な物が無くなったり、果てること
- 徐々に減っていき、しまいには無くなってしまうこと
- 極限までに達すること、極まること
という意味があります。
「尽きる」だけに注目をしてしまうと、物事が減っていく事を表すためあまりいい意味ではないと思ってしまいますが、物事が無くなっていくということは、どんどんシンプルになっていく事を意味します。
つまり極めるという意味合いを含む事になり、「尽きる」には前向きな意味もあるという事がわかります。
「冥利に尽きる」を使った言葉
「冥利に尽きる」には「冥利」の前に名詞を入れて使う事が多いです。
いくつか例えを挙げてみましょう。
- 「役者冥利に尽きる」
- 「男冥利に尽きる」
「役者冥利に尽きる」
役者をやっている、舞台が仕事場である人にとって、賞をもらったり、視聴率が良かったり、ファンがいてくれたり、自分の演技で感動してくれたりする事はまさしく「役者冥利に尽きる」と言えるのではないでしょうか。
役者をやってきて良かった、今まで頑張ってきた甲斐があったと感じる時に使う言葉だと思います。
「男冥利に尽きる」
「男冥利に尽きる」とは「男」の定義がその個人ずつで違うため、明確な基準はありません。
ただ一般的にいう「男らしさ」をその本人が自分に感じ、何かを達成したり、それぞれが持つ男性としての定義や信念にはまれば、自分はやり遂げた、男としてイケてると思え、「男冥利に尽きる」と感じるのはではないでしょうか。
「役者冥利に尽きる」と違うところは、具体的な指標が人によって変わるため、比較的「男冥利」の場合は幅が広くちょっとした事でも本人がそう感じたのであれば発言出来てしまう言葉になります。
「冥利に尽きる」の前につく言葉によってその人がどのような生き方をしてきたかや、それについてどう思っているかなどが分かる事になります。
「冥利に尽きる」とはそんな瞬間や感情を感じられているという事なので、非常に幸せだという事になります。
また他人から言われた場合も、その相手がそう思っているという事なので、やはり「冥利に尽きる」と思います。
なかなか使う機会は少ないかもしれませんが、是非誰かや自分の立場に喜ばしい事が起こった時には使ってみてください。