「感慨もひとしお」の意味とは?漢字や類語、使い方や例文を紹介!
「感慨もひとしお」という言葉をお聞きになったことがおありでしょうか?なんとなくその言葉の意味を知っていても、詳しく知らないために、自分で「感慨もひとしお」という言葉を使うのには躊躇してしまうかもしれません。
それで、今回は「感慨もひとしお」という言葉を分解したり、類語を考えてみて、この言葉を正しく理解できるようにしましょう。
目次
- 「感慨もひとしお」の意味とは?
- 「感慨もひとしお」の言い換え
- 「感慨もひとしお」の類語
- 「感慨もひとしお」の使い方
- 「感慨もひとしお」を使った例文
- 「感慨もひとしお」を分解して解釈
- 「ひとしお」を使ったその他の言葉
「感慨もひとしお」の意味とは?
「感慨もひとしお」とは「感情」の「感」という感じが使われていることからもわかる通り、私たちの感情、気持ち、心と関係があります。
「感慨」という言葉が、感動、心にしみわたる様子、しみじみとした気持ちという意味があります。
「ひとしお」はその言葉を「より一層」「大変」などと就職しています。
それで、「感慨もひとしお」という言葉の意味は、「とても感動すること」「いつもよりもしみじみとした気持ちになる」と表現できるでしょう。
- 「感慨もひとしお」の読み方
「感慨もひとしお」の読み方
「感慨もひとしお」は「かんがいもひとしお」と読みます。
「感慨」の「感」は「感情」「幸福感」などと「かん」読みます。
「概」は比較的難しい感じですが、「がい」「かい」「おおむ(ね)」と読みます。
今回の「感慨」の場合は「がい」と読みます。
「感慨もひとしお」の「も」はひらがなですから、その通りに読みますが、この意味は「感慨がひとしおである」という意味があります。
「ひとしお」はひらがなで表記される場合が多いですが、漢字でも表記することが出来ます。
漢字表記は「一入」となります。
間違えて「一塩」と書いてしまう事もありますが、「感慨もひとしお」の本当の意味を知るなら、漢字表記する時にも間違えなくて済みます。
「ひとしお」の語源については後ほど考えましょう。
「感慨もひとしお」の言い換え
「感慨もひとしお」をほかの言葉で表現するとどのような言葉になるでしょうか?
- 「感動がいっぱい」
- 「忘れられない時間となった」
「感動がいっぱい」
この表現は、現代の言葉になっております。
「感慨」には深い感情、感動、しみじみした気持ちという意味があります。
その気持ちが通常の物でなく、もっと深いものである時に、「ひとしお」ではなく「いっぱいと表現できるでしょう。
「忘れられない時間となった」
「感慨もひとしお」という言葉には、非常に深い気持ちがあるでしょう。
たとえば何かの出来事、誰かの親切、子供の成長の時にこの言葉を使いますが、「感慨もひとしお」という気持ちなら、その気持ちは心に刻まれ、忘れられないものとなるでしょう。
それで「感慨もひとしお」を言い換えると「忘れられない時間となった」と表現できるでしょう。
「感慨もひとしお」の類語
- 「感慨深いものがある」
- 「感極まる」
- 「琴線にふれる」
「感慨深いものがある」
この「感慨深いものがある」には「感慨深い」と同じく「感慨」という言葉が使用されています。
こちらは「感慨が深い」と表現することによって、感動やしみじみとする気持ちが、浅いものではなく、深いものであることを表現しています。
「感極まる」
この「感極まる」にも「感」という漢字が使用されています。
この言葉は感情が高まり、抑えられなくなる様子、感情に動かされて涙を流す様子という意味があります。
「感慨もひとしお」にも深く感情を動かされているという意味がありますので、この二つの言葉は類語と言えます。
「琴線にふれる」
この「琴線にふれる」という言葉には「心の奥底の感動する部分に達する」という意味があります。
それでただ単に嬉しいという意味ではなく、より深い感情を表現しています。
「感慨もひとしお」もより深いしみじみとした気持ちを表現しています。
「感慨もひとしお」の使い方
「感慨もひとしお」はある物事、人物、事象について深く考えて、それが感情に達した時に用います。
怒りや憤り、悲しみのように悲しい感情ではなく、基本的に言って、喜び、感動、などの良い感情に対して用いられます。
深く考えて深く心に達するという意味ですから、「落ちていたお金を拾った」などのように簡単な喜びではなく、過去と比べての成長などと、以前と比べることによって生じる良い感情と言えるでしょう。
「感慨もひとしお」を使った例文
では実際に「感慨もひとしお」という言葉をどのように使用するのか例文をいくつか考えてみましょう。
- 「感慨もひとしお」の例文1
- 「感慨もひとしお」の例文2
- 「感慨もひとしお」の例文3
「感慨もひとしお」の例文1
「子供が初給料でお寿司を奢ってくれた時は感慨もひとしおだった」
この例文では子供が初めて給料をもらって親にお寿司を奢った様子が書かれています。
これが友人や上司におすしを奢ってもらったなら「感慨もひとしお」にはならなかったかもしれません。
なぜなら、そのようなことは以前にもあったりして、それほど特別なことではないからです。
しかし、子供だった場合には特別な感情が生じます。
生まれた時から今まで育ててきて、ついに子供が独り立ちしていくこと、そして、その子供が給料から親にお寿司を奢るという気持ちを持ってくれることに感動して、今までの子育ての苦労が報われたと感じたでしょう。
このように、過去を思い起こして、しみじみとした気持ちになるときに「感慨もひとしお」という言葉を用います。
「感慨もひとしお」の例文2
「このバンドの生演奏を聴けるとは感慨もひとしおだ」
この例文ではいつも聞いていたあるバンドの生演奏を聴いたときに感動したこと、本当に嬉しかったこと、ついにこの時が来たのかという喜びを「感慨もひとしお」という言葉で表現しています。
「感慨もひとしお」の例文3
「ついに彼女と再会できて感慨もひとしおだ」
この例文では、もしかしたら遠距離恋愛の事を書いているのかもしれません。
今までは電話やメールでのやり取りだけだったものの、実際に彼女に合える深い喜び、待ちに待った気持ちを「感慨もひとしお」と表現しています。
「感慨もひとしお」を分解して解釈
- 「感慨」
- 「ひとしお」
「感慨」
「感慨」の「感」は心が動かされる、感動するという意味があります。
「概」は心が激しく動く、揺り動かされるという意味があります。
この二つの漢字を組み合わせることによって深い感情の波、喜び、しみじみとした気持ちという意味を持たせています。
「ひとしお」
「ひとしお」は「一入」という感じで表記できると考えました。
「一入」という感じは染物をするときの様子を記しています。
布を染料で染める時に一度染料の中に入れると、色がそのたびに濃くなっていきます。
このことが語源で「ひとしお」には「より一層」やより深く」という意味があります。
それでこの二つの言葉を組み合わせることにより、深い感動、深い喜び、を表現しています。
「ひとしお」を使ったその他の言葉
「ひとしお」は他の言葉とも組み合わせることが出来ます。
- 「喜びもひとしお」
- 「懐かしさもひとしお」
- 「彼女はひとしお美しくなっていたので驚きだった」
- 「悲しい出来事が続いたので、ひとしお辛い気持ちになった」
「喜びもひとしお」
非常に喜びに満ち溢れている様子をこの「ひとしお」を加えることによって表現しています。
「懐かしさもひとしお」
この言葉は懐かしく思う気持ちが、通常よりも深いという気持ちを表現しています。
「彼女はひとしお美しくなっていたので驚きだった」
以前と比べて美しくなっていた場合にその度合いを「ひとしお」と表現しています。
「悲しい出来事が続いたので、ひとしお辛い気持ちになった」
この例文では辛い気持ちの前に「ひとしお」と付け加えることによってその辛い気持ちが、より強いものであることを表現しています。
これらの例から分かるように「ひとしお」は「とても」「特に」という意味があることが分かります。
今回は「感慨もひとしお」という言葉について考えました。
意味は感動が深い事、より一層しみじみとした気持ちになるという事でした。
この言葉は日本語独特の深い気持ちを示すもので、これから日常生活で使っていけると良いですね。
今回の調査が皆様の益になるのであれば「感慨もひとしお」であります。