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「以魚駆蠅」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

「以魚駆蠅」とは、問題の解決や物事の処理に間違った方法を用いて逆効果になることです。

「以魚駆蠅」という言葉の意味・読み方・言い換え・類語・使い方・例文について、詳しく解説していきます。

以魚駆蠅

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「以魚駆蠅」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「以魚駆蠅」の意味とは?
  • 「以魚駆蠅」の言い換え
  • 「以魚駆蠅」の類語
  • 「以魚駆蠅」の使い方
  • 「以魚駆蠅」を使った例文


「以魚駆蠅」の意味とは?

「以魚駆蠅」の意味とは?

「以魚駆蠅」とは、ハエ(蠅)がたかってくる臭い魚を振り回して、魚を追い払おうとしても無意味であり逆効果になるという意味です。

ハエを臭い魚で追い払おうとしても無駄であるという古代中国の故事(出典は『韓非子外儲説篇左下』)に由来して生まれた四字熟語が「以魚駆蠅」なのです。

「以魚駆蠅」は漢文読みでは、「魚を以て蠅を駆る(うおをもってはえをかる)」と読みます。

蠅を魚で追い払おうとする間違った方法から転じて、「問題・物事の対処方法を間違えると、かえって事態が悪化する」「問題の解決や物事の処理に間違った方法を用いること」といった意味が生まれました。

不適切な方法や効果のないやり方を用いて物事に対処しようとする時に、「以魚駆蠅」という言葉を用いるのです。

  • 「以魚駆蠅」の読み方

「以魚駆蠅」の読み方

「以魚駆蠅」の読み方は、「いぎょくよう」になります。

原典の『韓非子外儲説篇左下』には、「以肉去蟻蟻愈多以魚駆蠅蠅愈至」という原文があります。

この韓非子の文章は、「蟻が好む肉を用いても蟻はますます増えるばかりであり、蠅が好む魚を用いても蠅はますますたかってくるばかりである」という意味になっています。



「以魚駆蠅」の言い換え

「以魚駆蠅」の言い換え

「以魚駆蠅」の言い換えとしては、「間違ったやり方(間違った方法)」「逆効果」「本末転倒(ほんまつてんとう)」などを上げることができます。

「以魚駆蠅」は、魚が大好きな蠅に対して魚で追い払おうとするような無駄な対処方法や逆効果になるやり方を意味しているので、「間違ったやり方(間違った方法)」という言葉がもっとも直接的な言い換えになるでしょう。

「以魚駆蠅」は、自分が効果があると思ってやった対処方法が、実際には効果があるどころか余計に状況を悪化させたという意味があるので、「逆効果」という言い換えをすることもできます。

問題状況やトラブルの本質を見極められずに小手先の対処をして事態を悪化させることから「本末転倒」という言い換えもできます。

「以魚駆蠅」の類語

「以魚駆蠅」の類語

「以魚駆蠅」の類語には、以下のようなものがあります。

「以魚駆蠅」の類語について分かりやすく紹介していきます。

  • 「以肉去蟻」【いにくきょぎ】
  • 「救火揚沸」【きゅうかようふつ】

「以肉去蟻」【いにくきょぎ】

「以魚駆蠅」の類語として、「以肉去蟻(いにくきょぎ)」があります。

「以肉去蟻」「以魚駆蠅」と同じ原典の「韓非子」の中にある文章の一部であり、「肉を以て蟻を去らす(にくをもってありをさらす)」と読みます。

つまり、「以肉去蟻」という言葉は、肉が大好きで寄ってくる蟻を、肉を用いて去らせようとする逆効果の方法のことを意味しているのです。

「救火揚沸」【きゅうかようふつ】

「以魚駆蠅」の類語として、「救火揚沸(きゅうかようふつ)」があります。

「救火揚沸」という四字熟語の出典は、司馬遷(しばせん)が書いた中国の歴史書「史記」であり、「火に油を注ぐこと」というのが元々の意味です。

「救火揚沸」は火に油を注ぐことという意味から転じて、「直面している事態(問題状況)を余計に悪化させること」「目的と手段が矛盾していてかえって逆効果になること」を意味するようになりました。



「以魚駆蠅」の使い方

「以魚駆蠅」の使い方

「以魚駆蠅」という言葉は、蠅を臭い魚を振り回して追い払うような間違った方法(やり方)のことを意味していて、「問題の解決や物事の処理に当たって間違った方法を用いている時」に使います。

固定観念や思い込みによって「こうすればいい」と思ってやったことが逆効果になってしまうことがありますが、そういった自分の対処方法が逆効果になったケースでも「以魚駆蠅」という言葉を使います。

「以魚駆蠅」というのは、問題状況やトラブルに直面した時に、自分の思い込みによって「効果のない対処+逆効果になるやり方」をした時に使う言葉なのです。

「以魚駆蠅」という言葉を使う時には、「自分の対処行動が残念な結果になった時」「良かれと思ってやったことが逆効果に終わった時」が多いのです。

「以魚駆蠅」を使った例文

「以魚駆蠅」を使った例文

「以魚駆蠅」を使った例文には以下のようなものがあります。

「以魚駆蠅」を使った例文について紹介していきます。

  • 「以魚駆蠅」の例文1
  • 「以魚駆蠅」の例文2
  • 「以魚駆蠅」の例文3

「以魚駆蠅」の例文1

家庭環境や親子関係の問題が背景にある不良少年に対する法的処遇は、ただ厳罰化して社会から隔離・排除するだけでは、「以魚駆蠅」の結果に終わる恐れも強い。

「以魚駆蠅」の例文2

いったん夫婦関係が行き着くところまで悪化してしまうと、相手にどんな言い訳や気遣いをしたとしても今更遅いのであり、すべては「以魚駆蠅」で逆効果になってしまう。

離婚を回避したいのであればすべての努力や配慮が「以魚駆蠅」に化してしまう前に、相手との関係を見つめ直して自分の方から真摯な話し合いの機会を作っていく必要があるのだ。

「以魚駆蠅」の例文3

国際政治ではアメとムチの使い分けが重要と言われ、いつも「対話と圧力のバランス」が議論になるが、北朝鮮のような貧しい独裁国家にひたすら圧力を掛けるだけでは「以魚駆蠅」になってしまう恐れがある。

icon まとめ

「以魚駆蠅」という言葉を徹底的に解説してきましたが、「以魚駆蠅」「問題の解決や物事の処理に間違った方法を用いて逆効果になる」ということを意味しています。

「以魚駆蠅」の類語には「以肉去蟻(いにくきょぎ)」「救火揚沸(きゅうかようふつ)」などがあり、「逆効果」「本末転倒」という言葉に言い換えることもできます。

「以魚駆蠅」という言葉について詳しく調べたい時はこの記事をぜひ参考にしてみて下さい。