「あやかる」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「あやかる」の意味や類語を紹介します。
さらに「あやかる」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「あやかる」の意味とは?
- 「あやかる」のもう一つの意味
- 「あやかる」の言い換え
- 「あやかる」を使った例文
- 「あやかる」を使った言葉
「あやかる」の意味とは?
「あやかる」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「○○さんにあやかる」「△△にあやかって…」という言葉は、比較的日常的に使われる言葉ではないでしょうか。
とはいえ「あやかる」の言葉の意味を説明しろと言われたら、そう簡単ではないと思います。
そこで、何となく意味が分かるけれど、具体的に説明できない言葉「あやかる」の意味や漢字を紹介します。
- 「あやかる」の漢字
- 「あやかる」の意味
「あやかる」の漢字
「あやかる」の漢字をイメージすると、言葉の意味が分かりやすくなります。
「あやかる」は「肖る」と書きます。
「肖る」の「肖」は、「肖像画」という言葉にも使われています。
「肖像画」は、人の顔や姿に似せて描いた絵という意味があります。
「肖像画」の「肖像」には人の顔や姿に似せて作った作品という意味があります。
「あやかる」にも、「肖像」と似た意味があります。
「あやかる」の意味
「あやかる」には、「幸運な人、好ましい人に、自分が似るように願う」という意味があります。
「肖像画」は誰かの顔や姿を絵にしたものですが、「あやかる」にも、誰かの顔や姿が、または性格やラッキーな部分に似せるという共通点があります。
意識的に似せるだけでなく、「願う」という部分があるのもポイントです。
「あやかる」には、「あの人に似たらいいな」という思いがあります。
そして似たいと思う人が、幸せでラッキーな人、感じが良い人、好ましい人に限定されるのもポイントです。
不運な人、感じの悪い人に似たいと思う人はいないという大前提があります。
まとめると、「ラッキーだったり、素敵だったりする人に、自分が似たらいいなと願う」事を「あやかる」という言葉は意味しています。
「あやかる」のもう一つの意味
「素敵な人や幸運な人に自分も似たらいいなと願う」この事は、どちらかと言えばポジティブな考え方だと思います。
しかし、「あやかる」の本来の意味が広がり、「幸運な人や素敵な人、魅力的な人の力を借りて、物事を成功させる」、「権力を持つ人の力を借りて、目的を達成する」という意味も出てきています。
例えば「△△が○○にあやかる」という言葉には、「△△は、○○の力を借りて目的を達成してずるい奴だ」という意味も含まれる事があります。
このように「あやかる」にはネガティブな意味もある事を知っておきましょう。
「あやかる」の言い換え
「あやかる」の言い換えや類語をチェックしてみましょう。
どのような言葉が「あやかる」に似た意味を持つのかチェックしましょう。
- 「似せる」【にせる】
- 「モノマネ」【ものまね】
- 「虎の威を借る狐」【とらのいをかるきつね】
「似せる」【にせる】
「似せる」には似るようにするという意味があります。
ちなみに「似る」には「形や性質が同じよう」という意味があります。
例えば「○○さんに『あやかる』」という言葉にも、「○○さんと同じようになりたい」という「似る」への願望があります。
「似せる」も同様で、誰かとボディラインやルックス、服のセンスや性格を同じようにしたいという意味があります。
「モノマネ」【ものまね】
誰かの姿や行動、性格などをそっくりそのままコピーする事を「モノマネ」と呼びます。
テレビで活躍する「モノマネ芸人」と呼ばれる人はそれが得意な人です。
ただしモノマネ芸人さんは、笑いを取るために一部分の特徴を誇張する事がありますが、「モノマネ」には誇張する意味はないです。
中学校や高校の生徒には、クラスの素敵な少女の髪型や服装をそっくり「モノマネ」する少女がいますが、まさに「モノマネ」という言葉を具現化したような行動です。
「虎の威を借る狐」【とらのいをかるきつね】
「あやかる」のネガティブな意味と似た言葉が「虎の威を借る狐」です。
力がある人に『あやかり』、目的を達成する人という意味があります。
語源になった話を見て行きましょう。
キツネがトラに襲われて、食べられそうになった時の事です。
キツネは「俺は神様から百獣の王に任命された。
だから食べてはいけない」とトラに言います。
さらに「もし信じないなら、俺の後ろについてこい」とトラに言いました。
トラがキツネの後をついて歩いていると、出会う動物がみな逃げて行きます。
トラは「本当にキツネは百獣の王だ」と思ってキツネを食べるのをやめますが、実は出会う動物は、キツネではなくトラを見て逃げていたのです…という話です。
キツネは上手にトラに「あやかっている」事が良く分かるエピソードです。
「あやかる」を使った例文
続いて「あやかる」を使った例文を見て行きましょう。
どの例も幸運な人、素敵な人に自分も似たいという思いを感じる文章です。
「素敵な奥さんを射止めたね、おめでとう。独身の僕も君に『あやかって』、素敵な奥さんが欲しいよ」、「宝くじで高額当せんなんてすごいね!君に『あやかって』100万円でいいから手に入れたいよ」などです。
また「人気者の○○さんに『あやかって』、高視聴率を狙います」、「○○ブームに『あやかって』、今年一番の売り上げを狙います」などという文章も作る事ができます。
近くに幸運な人、魅力的な人がいる人は、「あやかりたい」という気持ちが理解しやすく、「あやかる」を使った文章も作りやすいかもしれません。
「あやかる」を使った言葉
最後に「あやかる」を使った言葉を見て行きましょう。
すでに定型句のようになっていて、使う事が多い言葉ですので、覚えておくと便利です。
- 「ブームにあやかる」
- 「幸せにあやかる」
- 「ご利益にあやかる」
「ブームにあやかる」
「ブームにあやかる」という言葉があります。
「ブーム」とは流行の事で、世の中に広まっていて勢いがあり人気がある現象の事を言います。
「ブームにあやかる」とは、流行っている物や人気のあるものの力を借りて、目的を達しようとする事を意味します。
例えばテレビ番組で、流行している物を題材としたバラエティ番組やドラマを作る事は、まさに「ブームにあやかる」事を意味します。
「幸せにあやかる」
「幸せにあやかる」は、結婚したての人や大きな成功をしたばかりの人に、お祝いしたい時、「あやかりたい」時に使う言葉です。
例えば新婚ホヤホヤの人に「君の幸せに『あやかりたい』よ」などと言います。
私も新婚ホヤホヤの人のように、素敵な人をみつけたいとか、新婚当初の楽しい気持ちを持ちたいという意味です。
また新婚ホヤホヤの人のような幸せ真只中の人に向かって「あやかりたい」というのは、儀礼上ありがちな行為でもあります。
その場合「新婚の君の幸せに『あやかりたい』」という言葉は、「結婚おめでとう」と同じ意味を持っています。
また本当に「あやかりたい」と思っているかどうかは別の話になります。
「ご利益にあやかる」
「ご利益にあやかる」という言葉もあります。
神様やそれに準ずる立場の人々や物事に対して使う言葉です。
神社で手を合わせてお願い事をするような感じで、「ご利益に『あやかりたい』」と言う事もあります。
また本物の神様に願いを叶えて欲しいと思う時は、「ご利益に『あずかりたい』」「ご利益にあずかる」という言い回しの方が正解です。
「あやかる」という言葉には、幸運な人や魅力的な人、成功した人などに、自分も似せたいと思う事を意味します。
またそこから転じて、人気者や権力者の力を借りて目的を達する事も意味します。
「あやかる」にはポジティブな意味と、ネガティブな意味がありますので、上手に使い分けましょう。
そして自分の想いを相手に伝える事に役立てて下さい。