「大義名分」の意味とは?漢字、類語や使い方、例文を紹介!
「大義名分」という四文字熟語は少し難しいように感じるのではないでしょうか?実際この言葉は古く昔から使われており、今の意味と昔の意味が異なってきている場合もありますので、こんがらがってしまうかもしれません。
それで「大義名分」という言葉を見た時にも文脈を見て、その意味を判断する必要があります。
今回はこの「大義名分」という言葉の意味、読み方、正しい使い方を調査していきましょう。
目次
- 「大義名分」の意味とは?
- 「大義名分」の言い換え
- 「大義名分」の類語
- 「大義名分」の使い方
- 「大義名分」を使った例文
- 「大義名分」を使った言葉
「大義名分」の意味とは?
「大義名分」には二つの意味があります。
最初の意味は「人としての節義」という意味があります。
この言葉は儒教の考えを強く受けており、王や君に仕える人としての正しい考え方を説いています。
つまり、ある支配者に仕える自分の身分としての心得を持つようにという事です。
もう一つの意味は「ある決定をするにあたっての正当な根拠」という意味があります。
「大義」には「人が守り行うべき同義」という意味があり、その同義を持って行動しているならば「大義名分」を持って行動しているという事になります。
あれで、何らかの決定をした時に、それが高尚な目標を持っているときにこの「大義名分」という言葉を使うことが出来るでしょう。
以上「大義名分」の二つの意味を考えましたが、現代においてはこの二つ目の意味を使うことがほとんどであると考えて間違いないでしょう。
- 「大義名分」の読み方
「大義名分」の読み方
「大義名分」は「たいぎめいぶん」と読みます。
「大義名分」は「大義」と「名分」の二つの言葉から成り立っています。
「大義」は大きな義という意味で、非常に正しい事、その基準を意味していますが、「おおぎ」と読むことはせず「たいぎ」と読ませます。
「名分」の「名」は「な」とも読むことがおおですが「分」と合わせて読むときには「名」と読みます。
「分」も「分ける」という言葉もあるように「わ」とも読みますが、「名」の言葉と合わせることによって「めいぶん」と読みます。
「大義名分」の言い換え
「大義名分」という言葉をほかの言葉で言い換えたらどのような言葉になるのでしょうか?
先ほども考えてように「大義名分」の今日の使い方は、「ある決定や行動を促すための正当な根拠と言えるもの」ですから「決定の理由」と簡単に言うことが出来るでしょう。
「決定の理由」では「大義名分」のように深く重い響きはありませんが、同じ意味を伝えることが出来ます。
それ以外にも「よりどころ」という言葉も使うことが出来ます。
「よりどころ」とは根拠となるものという意味があります。
それで「大義名分によって今回の決定に至った」という文章を、今回の決定に至ったよりどころは○○である」と同じような文章を作ることが出来るでしょう。
「大義名分」の類語
「大義名分」に非常に似ている類語として「錦の御旗」があります。
この言葉の読み方は「にしきのみはた」です。
もともとこの言葉は官軍、つまり天皇の軍隊の旗という意味です。
この旗を掲げているなら、天皇の指示のもとに動いている軍隊であるという事を証明することが出来ますので、それには向かうものは天皇の敵であるということが出来たのです。
この言葉の現代の意味は「こちら側には明確で正しい根拠を持っている」という事です。
または「相手の間違いを証明する」という意味もあります。
「大義名分」にも「こちら側の正しさを証明する」という意味がありますから、この二つの言葉は非常に似ていると言えるでしょう。
「大義名分」の使い方
「大義名分」は何らかの決定や行動をした時に、それが考えなしに行動したものではなく、明確な理由があって行動したものであることを証明したいときに使用します。
それで、誰かからある決定に関して批判を受けた時にも「私たちの大義名分とは」と反論することが出来ます。
また会社である一つの決定をした時にも、その決定に至った理由は何かを伝える時にも「大義名分」という言葉を用いることが出来るでしょう。
「大義名分」を使った例文
では実際に「大義名分」を使った例文を考えることによって、正しく「大義名分」を使えるようになりましょう。
- 「大義名分」の例文1
- 「大義名分」の例文2
- 「大義名分」の例文3
「大義名分」の例文1
「この戦いには大義名分が存在しなかった」
最初からかなり重い例文ですが、戦争という非常に重い決定に至るには、何らかの理由が必要です。
たとえば国益を守るため、その地区の治安を守るためなどです。
しかし、そのような明確で納得できる根拠がなかった場合には、「大義名分」がないという判断を下されてしまうのです。
私たちの重要な決定も「大義名分」がないと言われないようにしましょう。
「大義名分」の例文2
「家族サービスという大義名分の下に休暇をたくさん取る」
休暇をたくさん取るときには、勇気が必要かもしれません。
上司からは「そんなに休暇をとって遊んでばかりだな」とちくちく嫌味を言われるかもしれません。
しかし、「今回の休暇は自分のためではありませんよ。
家族サービスのためなんです」という理由付けがあれば、嫌味を言いたい上司も何も言うことが出来ません。
この時には上手に「大義名分」を示したという事になるでしょう。
「大義名分」の例文3
「今必死に大義名分を整えているところだから待ってて」
この例文の場合には、まだ「大義名分」が存在していません。
ある決定をしたもののも、多くの人を納得させるには、その理由をはっきりと示さなければなりません。
しかし、その決定の本当の理由は、他のところにあるのにそれを隠して、「大義名分」を作らなければならない時もあります。
たとえば、スーパーである商品を安売りするとしましょう。
本当はその商品を間違えて普通の倍以上の量を注文してしまったゆえに、在庫過多になってしまったから安売りするのです。
しかし、その本当の理由を安売りの「大義名分」にすることは出来ません。
それで、その商品が健康に良いという「大義名分」を作り出し安売りしたりするのです。
「大義名分」を使った言葉
- 「大義名分を与える」
- 「大義名分として」
「大義名分を与える」
「大義名分」がどのようなものかを教えたり、授けたりするときにこの言葉を使います。
たとえばある政治家が、ある決定をした時に、その決定に沿って多くの人が行動することを促すために「大義名分を与える」ことがあります。
「大義名分として」
この用い方が非常に一般的だと思われますが、今回の行動に至る根拠としてという意味で使います。
このように表現することによって「正しい決定をしている」という事を強調することが出来ます。
今回は「大義名分」という言葉について調べることが出来ました。
この言葉の歴史が古く、二つの意味に分かれていることを知りました。
現在では、「正しい根拠を持つ」という意味が幅広く使われていますので、その意味を中心に考えました。
正しい意味、読み方、例文や類語を考えましたので「大義名分」の意味を十分に理解していただけたのではないでしょうか?
今回あげた例文からもわかるように、「大義名分」という言葉を使うときには少しマイナスの意味を持つことが多いようです。
つまり本音は見せられないけれども、建前を示して、多くの人を納得させようというものです。
もちろんこのようなマイナスの意味での使い方もありますが、非常に正しい意味でも使うことが出来ます。
たとえば「人道援助という大義名分でボランティア活動に励もう」などです。
では、これからも自分の言葉に責任を持ち、すべての行動に「大義名分」を持つことが出来るようにしていきましょう。