「毀誉褒貶」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
人は、褒められると素直にうれしくなるものです。
また、けなされると、怒りの念を覚えたり、落ち込んで気持ちがフ座木込んでしまうこともあります。
それだけに、人は他人からの一言で気持ちが大きく揺さぶられてくることが少なくありません。
このようなことを考えた時に、「毀誉褒貶」という言葉が浮かんでくるかもしれません。
とは言っても、この言葉を実際に、日常会話の中や仕事で打ち合わせしている時に、聞く機会はそんなに多くでしょう。
もし、言葉のボキャブラーを増やしたいと思うなら、「毀誉褒貶」を理解すると、会話に厚みが増してくるかもしれません。
目次
- 「毀誉褒貶」の意味とは?
- 「毀誉褒貶」の言い換え
- 「毀誉褒貶」の類語
- 「毀誉褒貶」の使い方
- 「毀誉褒貶」を使った例文
- 「毀誉褒貶」を分解して解釈
- 「毀誉褒貶」を使った言葉
「毀誉褒貶」の意味とは?
「毀誉褒貶」の意味は、「賞賛したり悪口を言ったりすること」や「褒めたりけなしたりする」ということを指しています。
この四字熟語で使われている「毀」や「貶」は、両方とも、「そしる(非難する)こと」や「けなすこと」を意味する漢字です。
また、「誉」、「褒」は、「褒める」という意味を持っています。
このように「毀誉褒貶」を構成する漢字は、各々相反する意味を持つ漢字が2回使われていることで、それぞれの意味をさらに強調していることになります。
このように、同じ意味を持つ漢字を繰り返し使うことで、その意味を強くさせることは、四字熟語では、特長的な表現方法かもしれません。
「戦々恐々」と言った熟語も同じ漢字を繰り返し使うことで、意味合いが強まっています。
- 「毀誉褒貶」の読み方
「毀誉褒貶」の読み方
「毀誉褒貶」は、「きよほうへん」と読むことになります。
この言葉自体を知らない人は、おそらく読み方さえ分からないかもしれませんね。
「毀誉褒貶」の言い換え
「褒めたり、けなす」という」意味の「毀誉褒貶」は、「良し悪い」や「賛否両論」という言葉で言い換えることもできるでしょう。
「毀誉褒貶」の類語
- 「善し悪し」
- 「賛否両論」
「善し悪し」
「善し悪し」の意味は、「善いことと悪いこと」です。
「善悪」という反する漢字で構成されています。
「緊急事態に陥り、事の原因や善し悪しをのんびりと分析・判断している場合ではなく、対策を講じることが最優先なのだ」
仕事でも、トラブルが発生した時には、「善し悪し」を判断したり、原因を追及することが必要です。
しかし、まず、最優先にしなくてはならないことは、その対策を検討し、早急に実行することです。
「賛否両論」
「賛否両論」も「毀誉褒貶」に近い意味を持つ類語として、挙げることができるでしょう。
この言葉の意味としては、「賛成と反対の両方の意見のこと」や「両方の意見がどちらも沢山あるような状態のこと」を指しています。
尚、「毀誉褒貶」は、「褒める」と「けなす」という相反する評価なり、意見があることですが、「賛否両論」は、「賛成」と「反対」があることを言っています。
例えば、
「地元住民は地域活性化プランの見直しについて、賛否両論がある」
「今度の計画に対しては、社内でも賛否両論があり、議論が進まない」
人の意見には、賛成派もあれば、反対派があることが珍しくはありません。
このような状態で、1つの方向にまとめていくことは、非常に難しいのですが、最終的には、投票的な手段を選択しなかればならない場合もあります。
「毀誉褒貶」の使い方
「毀誉褒貶」は、人や物事など、評判や評価に対して使う表現です。
したがって、人に対して褒めたり、悪口を言ったりする人の性格や癖を指し示すような意味で使うことはありません。
「毀誉褒貶」は、「毀誉」、「褒貶」と独立した言葉でも使われています。
どちらも同じ意味を持っていますので、「悪口と賞賛」を意味する「毀誉」や「褒めることと貶すこと」となる「毀誉」を1つの言葉として、日常会話の中で用いることをできるのです。
このことから、繰り返しの表現方法を取ることで、さらに強い意味になることは、前述の通りです。
「毀誉褒貶」を使った例文
では、「毀誉褒貶」での例文を見ていくことにします。
- 「毀誉褒貶」の例文1
- 「毀誉褒貶」の例文2
- 「毀誉褒貶」の例文3
「毀誉褒貶」の例文1
「毀誉褒貶を自分の成長の肥やしとして、正しいと思うことに進んでいくことが大事だと思う」
褒められることや、けなされることで、人は一喜一憂するものです。
しかし、それで心も動揺を抑えつつ沈着冷静に、物事の善悪を判断して進んでいくことが、大切なのです。
「毀誉褒貶」の例文2
「世間の毀誉褒貶を気にせずに、常に自分を信じて努力を続けることが大切です」
世間からの評価とは、風のようにコロコロを向きを変えていくものです。
その流れに惑わされていると、正しい道に進むことが難しくなってきます。
このことから、他人からどのようなことを言われたとしても、ブレることなく、自分の信じる道を進む努力を継続することが重要です。
「毀誉褒貶」の例文3
「毀誉褒貶の多いだけに、彼には友人が少ない」
褒められることが多い人がいます。
しかし、この人は、けなされることも多く、ある意味、彼の存在や行いには、「賛否両論」があるのかもしれません。
このようなタイプの人は、人からの信頼・信望が薄く、友人が少ないのでしょう。
「毀誉褒貶」を分解して解釈
「毀誉褒貶」を「毀誉」、「褒貶」に分解して、言葉の意味を見ると、
全く同じ意味になることは、興味深いことです。
- 「毀誉」
- 「褒貶」
「毀誉」
「毀誉」は、「けなすことと褒めること」となります。
簡単に言うと、「悪口と称賛」と言うことになるでしょう。
「褒貶」
「褒貶」も同じ意味ですが、「褒める」ことが先に来て、後から「けなす」意味が来ます。
「毀誉褒貶」を使った言葉
- 「毀誉褒貶相半ばする」
- 「毀誉褒貶の激しい」
- 「毀誉褒貶を顧みない」
「毀誉褒貶相半ばする」
「毀誉褒貶」では、「毀誉褒貶相半ばする」という表現で、よく使われることがあります。
「相半ばする」とは、「半々ずつ」、「同じ程度」と言う意味になります。
「毀誉褒貶相半ばする」には、「巷からの評価は、良くも悪いもなく、半々くらいの状態ということ」の意味があります。
この表現の使い方としては、
「部長は、頭の回転が速くても、仕事の遅い者に対して、厳しい指導をしているので、彼の評価は、毀誉褒貶相半ばするものがある」
「素晴らしい業績を上げたにも関わらず、自己顕示欲が強すぎる社長は、毀誉褒貶相半ばする人物だ」
となるでしょう。
「毀誉褒貶の激しい」
「毀誉褒貶の激しい」は、「ある人や事柄に対して褒める人も多いがけなす人も多い」という意味になります。
簡単に言うと、「世間の評価が、とても分かれる人」、「そのような事象や事柄」を指しています。
「先月出版された小説は、毀誉褒貶の激しい書物となった」
「あの教授は、毒舌家なので、毀誉褒貶の激しい人物であり、批判に指されるも少なくありません」
このような使い方になるでしょう。
「毀誉褒貶を顧みない」
「毀誉褒貶を顧みない」には、「世間の評判を強く意識したり、世間からの風評を一切気にしない」と意味があります。
しかし、意味の解釈次第で、「どう見られようが、自分の好きなようにする」といった自己中心的なニュアンスにも取ることができます。
「毀誉褒貶を顧みずに、自分の道を信じて突き進む」
「権力を手中にした彼は、全く毀誉褒貶を顧みない」
この場合の意味合いも良い解釈もできますし、悪い理解につながることをありそうです。
「毀誉褒貶」の典型的な表現に、前述のような「毀誉褒貶相半ばする人物」がありました。
この表現は、「良い評判と悪い評判が半分程度あり、評価の分かれる人物」や、「良く言う人もいれば、悪く言う人もいるタイプの人」を指しています。
「仕事は出来るが厳しすぎる」カリスマ的な経営者だったなら、「仕事ができるので素晴らしい」と評価する人がいれば、「厳しい人間性が悪い」という評価で、評価が分かれる人物となります。
このように「毀誉褒貶」は、半分半分の意味を持つことから、色々なm場面で使うことができる言葉なのです。