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「喜びもひとしお」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

「ひとしお」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

この言葉は、大和言葉の種類に分けられる言葉です。

大和言葉時代をあまり意識する人は、そんなに多くはないでしょうが、和歌で使われたりして、とても趣きの深い風情が漂っている言葉です。

「ひとしお」という言葉が含まれている表現としては、「喜びもひとしお」というものがありますが、日頃の日常会話の中では、意味を知らずに、流れで使っていることも少なくありません。

喜びもひとしお

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「喜びもひとしお」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「喜びもひとしお」の意味とは?
  • 「ひとしお」の由来
  • 「喜びもひとしお」の類語
  • 「喜びもひとしお」使い方
  • 「喜びもひとしお」を使った例文
  • 「喜びもひとしお」を分解して解釈
  • 「ひとしお」を使った言葉


「喜びもひとしお」の意味とは?

「喜びもひとしお」の意味とは?

「喜びもひとしお」という表現は、結婚式のスピーチで使われることが多く、誰でも1度は聞いたことのある言葉でしょう。

「ひとしお」という言葉は、耳にする言葉ではあるものの、詳しい意味は良く理解できていないという人も多いのではないかと思います。

「ひとしお」とは、ある状態がさらにレベルが高くなっていく状態になること」を指しています。

「さらに」「ひときわ」「より一層」「一段と」というような意味し持っており、良い表現でも、悪い表現をする時にも使われますが、多くは一良い意味で使われる印象が強いかもしれません。

これが「喜びもひとしお」として使われるですが、「さらに喜びが高まっていくこと」を意味してします。



「ひとしお」の由来

「ひとしお」の由来

「喜びもひとしお」「ひとしお」は、「一入」という漢字で書きます。

「ひといり」と呼んでしまいそうですが、驚きを感じる意味を持っています。

「ひとしお」とは、大和言葉のひとつで、飛鳥時代頃まで大和国や飛鳥地方を中心に使われていた日本古来の言葉なのです。

現在日本語においては、外来語が大陸から伝わってきたきた経緯があります。

しかし、これらの言葉が伝播する以前に、すでに日本で話されていたとされています。

平安時代の言葉に分類されることもあるのですが、ゆったりとした穏やかなイメージで、日本語本来の素晴らしさ、奥深さを感じることができる言語が、大和言葉なのかもしれません。

  • 「喜びもひとしお」の読み方
  • 「喜びもひとしお」の言い換え

「喜びもひとしお」の読み方

「喜びもひとしお」は、「よろこびもひとしお」と読みます。

「喜びもひとしお」の言い換え

「喜びもひとしお」は、人が感動するような心の大きな動きを例えている時に、使われる表現と言えるでしょう。

この言葉を他の言葉で例えるなら、どのような言葉で表現することができることでしょうか?

「喜びもひとしお」の類語

「喜びもひとしお」の類語
  • 「喜びが最高潮」
  • 「ひときわ嬉しさが増してくる」

「喜びが最高潮」

「最高潮」とは、「ある感情や状態が最も高まること」「その場面・時期」のことを言っています。

「クライマックス」とも言われていますが、「最高潮に達する」というような表現で使うことができます。

映画のワンシーンでも、ストーリーが佳境の向かっていき、最高潮に達する時が、スリルと興奮で盛り上がっていますが、喜びもMAXな状態になるのが、素敵です。

「ひときわ嬉しさが増してくる」

「ひときわ」という言葉も、喜びの度合いがさらに高まっていくことを表現できる言葉です。

「一際」という漢字で構成されますが、「他と比べて一段と高くなる」という意味があります。



「喜びもひとしお」使い方

「喜びもひとしお」使い方

「喜びとひとしお」を使う場面は、結婚式やお祝いのメール・電報などで、喜びの気持ちを相手に伝えたい時があります。

気持ちが高まっている状態を現したいなら、「いっそう」「ひときわ」などの言葉を使うこともできるのですが、「喜びもひとしお」と言葉を選んだ方が、とても深みのある柔らかな印象と優しさで、聞く相手も何となく心が穏やかになり、暖かな印象で伝わっていくのです。

「喜びもひとしお」を使った例文

「喜びもひとしお」を使った例文

では、この表現を使った場面を見ることにしましょう。

  • 「喜びもひとしお」の例文1
  • 「喜びもひとしお」の例文2
  • 「喜びもひとしお」の例文3

「喜びもひとしお」の例文1

「ご子息のご誕生は、ご家族の皆さまにおかれまして、喜びもひとしおのことと存じます」

お祝いのメールや電報で使う時の例として挙げることができます。

人が喜ぶ機会はたくさんありますが、この時の「喜びもひとしお」という伝え方は、とても柔らかみのある表現として、文章を見た人も、穏やかに聞こえてくるかもしれません。

「喜びもひとしお」の例文2

「ご両親が大切に育てられたお嬢さまが、晴れの日を迎えられて、喜びもひとしおのことと存じます」

これもお祝いの時に使われる典型的な言葉です。

披露宴の時のスピーチとして使えるセリフですし、花柄電報でお祝いのメッセージとして使える表現です。

「喜びもひとしお」の例文3

「ご長寿のお祝いをご家族の皆様と一緒にお祝いするができて、お母堂様と喜びもひとしおのことと存じます」

これも、喜びを伝える言葉として、参考になる表現でしょう。

「喜びもひとしお」を分解して解釈

「喜びもひとしお」を分解して解釈

この表現を2つの分けて意味を見ましょう。

  • 「喜び」
  • 「ひとしお」

「喜び」

「喜び」とは、「うれしく思う心や気持ち」「満足な思い」という意味になります。

人は喜怒哀楽の感情がありますが、その中で、「喜び」が一番、人の感情を高めてくれるものです。

「ひとしお」

前述したように、「ひとしお」には、「さらに」「ますます」というような、ある状態が高くなっていくことを指しています。

「ひとしお」を使った言葉

「ひとしお」を使った言葉

もう少し、「ひとしお」を使う言葉を調べてみることにしましょう。

  • 「寒さがひとしお」
  • 「悲しみもひとしお」

「寒さがひとしお」

「お元気ですか?ご家族を亡くされたこの年末は、寒さがひとしお身に染みることしょう」 「ひとしお」は、晴れがましい結婚式などで使われる印象が強いのですが、このようにご不幸があった時にも、使われるケースがあります。

「先日の同窓会では、懐かしい友人が集まることができて、懐かしさもひとしおだった。」

このようにうれしいことを、メールなどでで伝える場合にも「喜びもひとしお」は、よく使われることから、お祝い事にマッチした言葉です。

特に、目上の人や高齢の方にあらたまった表現で挨拶を伝える場合には、とても柔らかみのある言葉なので、品格を重んじるお悔やみなどの場面でも、相手を思いやるいたわりや慰めの言葉としても、しっかりと使える表現なのです。

「悲しみもひとしお」

「ご母堂様をご逝去には、悲しみもひとしおのことと存じます」

前項のように「ひとしお」は、お悔やみでも使うことができる言葉です。

「喜びもひとしお」と全く正反対の使い方になりますが、この言葉を聞く人は、とても穏やかに落ち着いて、受け止めることができるでしょう。

icon まとめ

「ひとしお」の意味を理解してくると、日本語本来の良さを感じる大和言葉の素晴らしさが見えてくるようです。

「ひとしお」だけでなく、大和言葉は、全般に渡り、風情があり、女性的なとても優しいイメージを相手に与えてくれる効果があります。

そのために、他人への思いやりを伝えたり、励ますように使えるので、普段、行き来が少なかった人とも、コミュニケーションを深めるきっかけにになるのではないでしょうか。

日本には古くから、「言霊を重んじる国」として呼ばれていた経緯がありました。

言霊が人を栄えさせている国という意味も持っており、言葉が持つ力によって、国や人に幸福が訪れるということで、「平安が続く」という意味があります。

古代の日本人は、言葉に霊力が宿ると考えており、言葉を「言霊」として大切にしてきたのです。

それだけに言葉を粗末に扱ったり、乱暴な言葉は、人や国に大きな災いをもたらすとも信じられていました。

その結果、言葉が人の霊性まで高める存在として、大切に使われ続けてきたのです。

そのような流れを知った上で、大和言葉を観ると、また、違った観察ができると思うのです。

言葉は人の心を豊かにさせてくれる力があるのです。