「武士の情け」の意味とは?使い方や例文を紹介!
「武士の情け」の意味や読み方を紹介します。
さらに「武士の情け」の使い方や例文などを紹介して行きます。
目次
- 「武士の情け」の意味とは?
- 「武士の情け」の使い方
- 「武士の情け」を使った例文
- 「武士道精神」とは
- 「武士」を使った言葉
「武士の情け」の意味とは?
「武士の情け」という言葉を耳にした事があるかもしれません。
時代劇を観る人は、主人公や登場人物が「武士の情けだ」などと言う台詞を聞いたことがあるかもしれません。
また現代でもビジネスシーンを中心に、「武士の情け」という言葉は使われています。
そこで知っておきたい「武士の情け」の読み方や意味を紹介します。
- 「武士の情け」の読み方
- 「武士の情け」の「情け」とは
- 「武士」ならではの「情け」
- 「武士の情け」の意味
「武士の情け」の読み方
「武士の情け」は「ぶしのなさけ」と読みます。
「武士」は「ぶし」、「情け」は「なさけ」です。
難しい感じが出てこないので、間違えにくい言葉だと思います。
「武士」は、時代劇などに登場する、刀を携えてちょん髷を結っている人の事です。
正式には、鎌倉時代から江戸時代にかけて、「武士」という支配階級にいた人の事です。
またはこの時代の軍事的な仕事に就いていた人の事を、「武士」と呼びます。
「武士」には「侍」「御家人」など、様々な呼び方がありますが、「武士の情け」の武士は、そのあたりの人々をざっくりと含んだ階級の人たちを意味します。
「武士の情け」の「情け」とは
「武士の情け」の「情け」とはどのような意味でしょうか。
「情け」は他の人や物事に対して、憐れんだり愛したりする気持ちを意味します。
逆に「情け容赦ない」という表現で、愛情のかけらもない様子を言葉にする事もあります。
「武士の情け」とは、「武士が他の人を憐れんだり愛したりする様子」と直訳する事ができます。
「武士の優しさ」と言い換える事ができるかもしれません。
ただし、普通の人が持つ「優しさ」「思いやり」と、「武士」の持つ優しさや思いやりは少し違う事を知っておきましょう。
「武士」ならではの「情け」
「武士」は命がけで周囲の人を守ったり、世の中のルールを守る事を仕事にしています。
そのため、例えば処刑になる事が決まっている人が目の前にいたとして、「逃がしてあげる」という選択肢はありません。
もちろん、そのような選択をする人もいたでしょうが、本来の「武士の姿」とは違います。
もし武士なら、処刑になる人が苦しまないように、介錯をしてあげる事を選ぶでしょう。
また処刑になる人が武士の場合は、名誉のために打ち首ではなく切腹のチャンスを与えるかもしれません。
このような優しさが本来の意味の「武士の情け」です。
「武士の情け」の意味
「武士の情け」は基本的に、名誉のために切腹を選ばせるような、厳しい優しさとなります。
「武士」は何より名誉を重視するという側面があるからです。
この事から「武士の情け」には、「相手の誇りや名誉を尊重する」という意味があります。
また「武士」が当時の支配階級だった事から、「目上の人や立場が上の人が、立場の弱い人に優しさを見せる」ことも「武士の情け」と呼ぶ事があります。
いずれにせよ「武士の情け」という言葉を使う時は、「武士ならどのような行動を取るか」を考えてみると良いでしょう。
「武士の情け」の使い方
「武士の情け」を使う時は、自分が武士だと思うのがいちばんです。
「武士ならこうするだろう」と思いながら、相手に対して思いやりを持ってみましょう。
例えば、仕事をミスした同僚がいる時に、「気にするなよ」などと慰めてあげるのが「武士の情け」とはいえません。
それよりもミスをした同僚のプライドを尊重し、いつも通りに接してあげる事が「武士の情け」に近い考え方です。
さらにミスをした同僚に、仕事をやり直させる事が「武士の情け」になるかもしれません。
また、「武士の情け」という言葉を使う時は、登場人物が「武士らしい人」の方がしっくりきます。
「武士」には、「侍」「支配階級」「軍事力を持つ」などの意味があります。
できるだけ、そのような要素を持っている人が登場する時に、「武士の情け」という言葉を使いましょう。
「武士の情け」を使った例文
続いて「武士の情け」を使った例文をチェックしてみましょう。
いくつかの例文を見る事で「武士の情け」の意味や、使い方を理解する事ができるかもしれません。
- 「武士の情け」の例文1
- 「武士の情け」の例文2
「武士の情け」の例文1
誰かが何かミスをした時、または挫折を経験した時に、「見て見ぬふりをする」あるいは「知らないふりをする」という行動は、「武士の情け」という言葉を使う代表的なシーンです。
そこで「見て見ぬふりをする」ような場面を、「武士の情け」を使った文章にしてみましょう。
「彼が告白してフラれたシーンを目撃してしまったが、『武士の情け』で見なかった事にしよう」、「先生の社会の窓が開いているが、『武士の情け』で、気付かない振りをしよう」、「課長が部長にこっぴどく叱られている。「武士の情け」というから、気付かぬふりをして通り過ぎよう」などという感じです。
相手の事を思いやって、気付かないふりをする時は、「武士の情け」という言葉を使いやすいです。
「武士の情け」の例文2
自分から「武士の情け」を要求する事もできます。
もちろんそのお願いが受け入れられるかどうかは分かりませんが、頼む事だけはできます。
例えば、「『武士の情け』というものがあるだろ。今回の遅刻は見逃してくれ」とか、「『武士の情け』と言うじゃないか、浮気した事を妻には言わないでくれ」という感じです。
全然「武士」らしさがないのが、「武士の情け」を要求する人の特徴です。
そもそも「武士」のような人は、自分のミスや過ちを、見過ごしてくれなどと他の人に頼んだりしないからです。
本当の武士のような人なら、「今回のミスは自分でも許せません。『武士の情け』という言葉があります。ぜひ私に厳しい評価を下し、生き恥をかかせないでください」という頼みごとをするかもしれません。
プライドを何より大切にする人にしか言えないセリフです。
「武士道精神」とは
「武士の情け」という言葉の意味の主役である、「武士」はどのような考えを持っていたのかを知るために、「武士道精神」という言葉を知っておきましょう。
「武士道精神」は「侍スピリット」などとも呼ばれて、外国の方からも敬意を持たれている考え方です。
例えば、相撲取りが勝負に勝った後、「ガッツポーズ」をしないという点が、美徳とされています。
これも「武士の情け」の一種で、もともとは「武士道精神」から来ています。
負けた相手のプライドを考えて、むやみにはしゃいだりしない…それが武士だからです。
他にも、フェアプレイを重んじる事、命がけで物事に取り組む事など、武士道精神から学ぶ事は多いです。
「武士の情け」を通じて「武士」に興味が出た人は、「武士道精神」についても調べてみましょう。
「武士」を使った言葉
「武士の情け」のように「武士」という言葉が使われている言葉があります。
それが「武士に二言はない」で、「ぶしににごんはない」と読みます。
「武士」はプライドを重んじ、信義を大切にします。
そのため「二言はない」つまり「嘘をついたり、約束を破る事はない」という意味になります。
「武士の情け」と同様に、「武士に二言はない」にも「武士道精神」が見て取れます。
「武士の情け」の意味や使い方をチェックしました。
知っているようで知らなかった…そのような感想を持たれたのではないでしょうか。
正しい「武士の情け」の使い方を知って、様々な場面で目にするシーンを基に、「武士の情け」を使った文章を作って欲しいと思います。