「詰まるところ」の意味とは?漢字、類語や使い方、例文を紹介!
話をまとめる時、なんらかの議題を締める時に「詰まるところ」と結論を述べることはよくあります。
しかし、その使い方を誤ると、相手に失礼になったり、シーンにそぐわなくて違和感を感じさせたりします。
「詰まるところ」の意味を理解し、言い換え方法などを知ることで相手に失礼のないような使い方をマスターしましょう。
目次
- 「詰まるところ」の意味とは?
- 「詰まるところ」の言い換え
- 「詰まるところ」の類語
- 「詰まるところ」の使い方
- 「詰まるところ」を使った例文
- 「詰まるところ」を分解して解釈
- 「詰まるところ」と「つまり」の違い
「詰まるところ」の意味とは?
詰まるところは、要するに、と要約する言葉です。
あるいは「結局」という意味でも使われます。
少々回りくどい言い方になりますが、断定力のある言葉なのでビジネスなどのシーンで使うことがよくあります。
- 「詰まるところ」の読み方
「詰まるところ」の読み方
「詰まるところ」は「つまるところ」と読みます。
詰まるはほかに「キツ」という音読みや、「詰む」と書いて「ツム」と読む読み方もあります。
詰むという言葉はネットスラングでもよく見られます。
色々困難が立ちはだかり、それ以上の行動が不能になることを「詰んだ」と表現します。
「詰まるところ」の言い換え
「詰まるところ」はビジネス文書などでよく使われる言葉です。
そのため、いくつかの段落仕立てで文書作成をした場合、段落の結びの句が毎回「詰まるところ」になってしまう可能性があります。
同じように使え、かつ特にビジネス文書で使えるような言葉を3つ挙げます。
- 「結論としては」
- 「要約すると」
- 「最終的に」
「結論としては」
「詰まるところ」と同様、話を要約して総括できるのが「結論としては」です。
ビジネス文書でこちらの締めの仕方を見ることも多いでしょう。
「詰まるところ」と同様使用頻度の高い言葉ですので、「結論としては」と交互に使うように調整すると同じ句が続き過ぎず、単調な文章になりません。
「要約すると」
詰まるところの意味でもある「要約すると」。
こちらの方がやや固いイメージになります。
ただし、「要約すると」には自らの手で要約したという動的なイメージが付きます。
そのため、目上の人の言葉をまとめる時などは、編集の手をかけたということで失礼に当たります。
その場合は「最終的に」など、他の言葉を使う方が無難です。
「最終的に」
ビジネス文書の結びとしてよく使われるのが「最終的に」という言葉です。
利用頻度が高く、また固いイメージも少ないため使いやすいですが、「最終」が示す通り、その議題の本当の最後、あるいは文書の最後にだけ使用が許されています。
文書の中でちょくちょくまとめてから次の議題に移るような構成の場合は、文中に使用せずに最後のまとめにだけ使用するようにしましょう。
「詰まるところ」の類語
「詰まるところ」に類語という類語は存在しません。
なぜなら、その要素は「結論を示す言葉」であり、それはすべて類語ではなく言い換えになってしまうからです。
あえて類するとするなら、「はじめに」「それから」「ところで」といった、起承転結の枕詞が該当します。
「詰まるところ」の使い方
「詰まるところ」は硬い文章であり、プライベートに使うのは適していません。
また、会話の中で使うことも、回りくどい言い方になってしまうのでお勧めできない言葉です。
少々箔を付けたいシーンで使うのが最も効果的です。
「詰まるところ」を使った例文
「詰まるところ」は、あまり多様な使い方はありません。
しかし、その使い方を知ることで、失礼になる場合を避け、また誤用と間違いやすい言い方を理解することができます。
使いやすい例、失礼にあたる例、また間違いやすい例をそれぞれ挙げます。
- 「詰まるところ」の例文1
- 「詰まるところ」の例文2
- 「詰まるところ」の例文3
「詰まるところ」の例文1
「詰まるところ、今回は見送りを決定した」
ビジネスで会議の結びに使われることが多い「詰まるところ」ですが、その会議が長く、かつ議題が飛びがちなら飛びがちなほど効果的に使うことができます。
特に、言いにくいことや不利な条件での会議は各々明確な言葉で表すことがなかなかできず、ふんわりとした雰囲気重視の言葉で話しがちです。
それにより誤解を招く、曲解される可能性があるので、最後に結論をきちんと明示するために使うことができます。
「詰まるところ」を枕詞にするだけで、結論であることの前振りができるので便利なキーワードです。
「詰まるところ」の例文2
「詰まるところは母の早とちりだった」
プライベートでも議題が飛びがち、話のキモが拡散してしまうことはよくあります。
それが急いでいたり慌てていたりすればなおのこと可能性は高くなるでしょう。
この例文では、「母が慌てて何かを訴えてきた」という想定での会話の結びとしています。
様々なことを口角をとばしながら告げてくるので、聞いている側は混乱してしまいますが、落ち着いてよく聞き、内容を整理すればなんのことはない「早とちりだった」という結論を示しています。
このように便利な「詰まるところ」ですが、相手によっては他人に自分の話を要約されることを嫌う人もいます。
気を付けて使うようにしましょう。
「詰まるところ」の例文3
「詰まるところ冤罪ではなかったのか?」
話をかいつまみ、まとめることのできる枕詞「詰まるところ」ですが、この例文のように疑問符の頭につけることもできます。
この場合は、様々な検証結果の下、冤罪であるという結論に紐づけてはいますが、まだ確証はないため疑問符をつけている状態です。
物事がすべて決まりきった後でなくとも、「詰まるところ」と使うのは誤りではありません。
「詰まるところ」を分解して解釈
単語から言葉を切り離し、別々で解釈するとその分解した単語の意味を改めて理解できます。
遠回りな方法ではありますが、誤用が少なくなるメリットがあります。
- 「詰まる」
- 「ところ」
「詰まる」
詰まるとは、「隙間なく、びっしりと入っていること」であったり、管など長いものが「途中でふさがれてしまい、進行が滞ること」などを言います。
また詰ると書いて「なじる」とも読み、これは「問い詰めること」などです。
どのイメージも、ふさがれる、入っている(入ってしまっている)といったネガティブな充填のイメージです。
「ところ」
物、ことが存在する、あるいは行われるといった位置のことを言います。
もともとは場所のことを意味していましたが、「おいそがしいところ恐縮です」などと時間のことを指したりもします。
「詰まる」と組み合わされたときには「概念」を表します。
物事が詰まって結論となった、要約してこのようになったという抽象的なキーポイントを指すことに使用されています。
「詰まるところ」と「つまり」の違い
「詰まるところ」と「つまり」に、意味的な違いは存在しません。
全く同じ意味合いではありますが、その使用シーンが異なってきます。
詰まるところは文書、特にビジネスなど堅めの文章内で使用されるのに対し、「つまり」は口語、言葉で話すような文章で使います。
もちろんこれは決まりではありませんが、ビジネス文書、口語の文書の特性上、使う単語を固いものにするか柔らかいものにするかのセレクトは重要です。
そのため、プライベートでは「つまり」を、ビジネス、式典などの硬めのシーンにおいては「詰まるところ」を使うのがベターとされています。
「詰まるところ」は、多用すると要約の多い文書となります。
それはそもそも、文書の内容が取り散らかっており、ある程度の形を成していないということの表れです。
「詰まるところ」を多用しなくても良いように、結論の見えやすい議題、まとまった文章を用意するように心がけましょう。