「寄る辺ない」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
人は、感情で生きていく動物と例える人がいます。
普通の動物とは異なり、「言葉」を使い他の人とコミュニケーションを取りながら、自分の思いや意思、考えを伝えたり、共有することができます。
その分だけ、人とのつながりを大切して生きていける点が動物とは、大きく違っています。
そのために、人は感情で生きていく動物と言えるのかもしれません。
このようなことを考えると、「寄る辺ない」という言葉が頭に浮かんでくる人もいるかもしません。
目次
- 「寄る辺ない」の意味とは?
- 「寄る辺ない」の似た言葉や類語・言い換え
- 「寄る辺ない」の使い方
- 「寄る辺ない」を使った例文
- 「寄る辺ない」を分解して解釈
- 「寄る辺」を使ったその他の言葉
「寄る辺ない」の意味とは?
「寄る辺ない」という表現を、今の若い人達は日常生活の会話の中で使うことがあまりないことでしょう。
年配の方でも、この言葉を使う機会は、少ないのではないかと思います。
しかし、ふとした時にこの言葉が出てきたり、小説等の文章の中で目にすることがあります。
「寄る辺ない」という言葉には、「身を寄せるあてがない」、「頼りにできる類縁の者がいない」、「孤独であり不安である」という意味があります。
人は、孤独になることについては、非常に嫌う傾向があります。
自分1人になることで、何もできなくなる人や、急に思考がストップしてしまう人さえいます。
それだけに、「孤独」になることが、恐ろしいのです。
まさに、人は感情で生きていく動物の表れとも言えるでしょう。
また、「寄る辺ない」には、「孤独であり不安」という意味から転じて、「その場にいるにはどうにも気まずいさま」という解釈もできます。
- 「寄る辺ない」の読み方
「寄る辺ない」の読み方
「寄る辺ない」の読み方は、「よるべない」となります。
「寄る辺ない」の似た言葉や類語・言い換え
「寄る辺ない」に似た言葉や類義語では、「その場にいるにはどうにも気まずいさま」という意味での言い換えの言葉がいくつか見ることができます。
- 「行き場を失う」
- 「身の置きどころがない」
「行き場を失う」
「行き場を失う」とは、「行くべき所をなくしてしまうこと」や「見つけることができない」ことを指しています。
「戦争で行き場を失ってしまった孤児達」
「行き場を失ったことで、働くことができない」
このような使い方になるでしょう。
「行き場」とは、まさに「行くことができる場所」、「行く必要のなる場所」と言えるでしょうが、この言葉には、「手段」や「方法」という意味で使われることもあります。
「行き場を失ったことで、解決策が見当たらない」
この時は、「行き場」が「進むべき道」→「方向性」と解釈することができると思われます。
「身の置きどころがない」
「身の置きどころがない」という言葉には、「窮地に立たされたり、または恥ずかしさのあまり、その場から逃げ出したい気持ちになること」や、「そのような状態」を意味しています。
「親戚全員から、非難されるようになってから、身の置きどころがなくなった」
「会社で大きな心配をしてしまい、身の置きどころがない状態なのです」
このように自分の存在をひた隠したくなく気持ちになる時に使います。
誰でも周囲の人から、非難・中傷を浴びることで、辛くなってしまい、その場から逃げ出したくなる心境になるものです。
我慢してずっと、その場に留まることは、中々できることではありません。
しかし、耐えて再起をかけることも必要です。
非常に勇気のいることですが。
「寄る辺ない」の使い方
「寄る辺ない」の使い方としては、孤独になったり、気まずい状況に陥った時に使うことになりますが、例文を見ることで、より詳しく理解することができるでしょう。
「寄る辺ない」を使った例文
この表現の例文では、どのようなケースで使われることになるでしょうか?
- 「寄る辺ない」の例文1
- 「寄る辺ない」の例文2
- 「寄る辺ない」の例文3
「寄る辺ない」の例文1
「これまでの人生で、これほど寄る辺ないよるべない気持ちになったのは、今回が初めてだったのです」
人の人生には、実に色々な出来事が起こります。
うれしいことや悲しいこと、辛いこともたくさん遅いかかってきます。
今まで、順風満帆だった人でも、突然、不孝が襲うこともあります。
そのような時に、この例文が当てはまることでしょう。
「寄る辺ない」の例文2
「世界中の国々をさまよい歩いた結果、寄る辺ないことが、自分の状態だっだのです」
自分の見識を広げたり、深めることで、世界の国々を訪ね歩き回った結果、ふと気づいたことは、自分が孤独であったということ。
そのような心境になった、この人の心に去来するものは、孤独感でしかなかったのかもしれません。
「寄る辺ない」の例文3
「世の中でとても哀れだと思える女性は、捨てられてた女性よりも、寄る辺ない女性かもしれません」
女性の人でも、最高の恋愛から、突然、不幸になってしまう悲しい人生を送る人も少なくないでしょう。
しかし、それよりももっと辛いことは、孤独になってしまうことです。
「寄る辺ない」を分解して解釈
では、「寄る辺ない」を分解して解釈してみることにします。
- 「寄る辺」
- 「ない」
「寄る辺」
「寄る辺」とは、「頼りにして身を寄せる場所や環境」あるいは、「頼みにできる親類縁者」のことを意味しています。
「寄る辺なき身」などといった表現ができますが、人のつながりで一番、辛い言葉がこの「寄る辺」に含まれているような気がします。
誰でも、家族・親戚・友人・知人というつながりがあるものですが、その時のつながりを「寄る辺」と言っています。
「ない」
「ない」とは、「無い」という文字を使いますが、まさに「物事が存在しないこと」や「持っていないこと」、「時間・数量などがその表示された数に達していない」、「気持ちをもたない」、「心がはっきりしていない」、「経験していない」、「同じ物が二つと存在しない」、「類がない」、「すでに死んでこの世にいない」といったふうに多くのケースで使われる表現です。
「話し手」と「書き手」が、話をする事柄に対して、否定的なとらえ方をしている態度を表す時に使われます。
言葉の中で、最もよく使われる表現でしょう。
「寄る辺」を使ったその他の言葉
「寄る辺」を使う言葉には、次のような言葉もあります。
- 「寄る辺ない気持ち」
- 「寄る辺なき者」
「寄る辺ない気持ち」
寄る辺ない気持ち」とは、どこかぎこちない状態でその場にいることができない心境のことでしょう。
人には、性格的に苦手なタイプの人が存在します。
このような人を接することは、とでも嫌な気持ちになってしまいます。
また、喧嘩してしまった相手と感情が合わないこともあります。
このような時に「寄る辺ない気持ち」になってしまうのではないでしょうか?
「寄る辺なき者」
「寄る辺なき者」とは、「頼れる人がいない孤独な人」と解釈することができるでしょう。
どのような世界でも、孤独にさいなまれている人は必ずいます。
自分では、孤独になりたいと望んでいるわけではないのですが、それでも寂しい人生を送らざるを得ないのでしょう。
そのような人を「寄る辺なき者」で例えてしまうのです。
「寄る辺ない」という言葉の意味を調べていくと、いかに人生を大切に送るべきかをあらためて、見つめ直す心境になっていきます。
人は本当に孤独で生きていくことができない存在であることを、理解できるからです。
高齢化社会になって、孤独死する老齢者が後を絶ちません。
そのようにならないためには、日頃から社会との関わりを大切にすることや、困った人を助けるやさしさ、心のゆとりを持つことで、孤独感を感じない充実した生活を送ることができるのではないかと思います。
それだけに、何気ない人との触れ合いも1つ1つ大切にしていきたいと思うのです。