「汚名をそそぐ」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
人は目的を持って生活をしています。
仕事をする時も目的・目標を持って、それを達成するために頑張って前向きに生きています。
その過程においては、プライドも持って積極果敢に大きな問題や課題を乗り越えて、立ち向かう力があります。
このようなことを繰り返すことによって、成長し、進化することができると思います。
しかし、時として、そのプライドが傷付けられることもあるでしょう。
それだけ人は、プライドや名誉を重んじる生き物でもあります。
目次
- 「汚名をそそぐ」の意味とは?
- 「汚名をそそぐ」の似た言葉や類語・言い換え
- 「汚名をそそぐ」の使い方
- 「汚名をそそぐ」を使った例文
- 「汚名をそそぐ」を分解して解釈
- 「汚名をそそぐ」と他の言葉の違い
「汚名をそそぐ」の意味とは?
このような生き方の中で、「汚名」ということにぶつかることがあるかもしれません。
巷では、「汚名をそそぐ」という言葉があります。
特に名誉のある人や地位の高い人、これまで多くの実績や成果を残して人は、この「汚名」という表現を一番嫌うのではないでしょうか?
「汚名をそそぐ」という言葉の「そそぐ」は、漢字で書くと、「雪ぐ」や「濯ぐ」と書きます。
「そそぐ」の意味は「水で汚れを洗い落とす」
ことや「恥や汚名を新たな名誉を得ることによって消し去る」ということになります。
このとこから、「汚名をそそぐ」とは、名誉によって汚名をなかったことにしよう、という意味になってきます。
それだけにそれまで名誉ある人が、「汚名」のイメージが植え付けることは、「不名誉」なことなのです。
- 「汚名をそそぐ」の読み方
「汚名をそそぐ」の読み方
「汚名をそそぐ」の読み方は、「おめいをそそぐ」となります。
「汚名をそそぐ」の似た言葉や類語・言い換え
「汚名をそそぐ」には、他にどのような類義語があるでしょうか?
- 「屈辱をそそぐ」
- 「雪辱を果たす」
「屈辱をそそぐ」
「屈辱をそそぐ」という表現にも、「汚名をそそぐ」という言葉があります。
この場合の「屈辱をそそぐ」の意味としては、「屈服させられて恥ずかしい思いをさせられること」や、「恥ずかしめられて、面目を失うこと」ということになるでしょう。
「屈辱に耐える」や「屈辱感」という言葉の表現もあります。
「僕は屈辱を感じながら、これまで苦しい毎日を過ごしてきた」
「これまで言われのないことをされて、どのくらいの屈辱に価するかわかりません」
このような例え方があるのですが、「屈辱をそそぐ」は、この屈辱を跳ね返すことになります。
「雪辱を果たす」
「雪辱する」もあります。
「雪辱」という言葉を耳にしたことがある人も結構いると思いますが、「雪辱を誓う」や「雪辱に燃える」という言い方をすることがあります。
「雪辱」(せつじょく)の「雪」は、音読みで「セツ」、訓読みで「ゆき・すすぐ・そそぐ」と読みますが、「雪」には、「洗い清める」、「浄化する」という意味を持っています。
もう1つの「辱」は、音読みで「ジョク・ニク」、訓読みで「恥ずかしめる・はじる・はじ・かたじけない」と読みます。
この「辱」には、「体裁を傷つけ、うなだれた気持ちにさせること」を意味しています。
このことから、「雪辱」の意味は、「受けた恥を拭い取ること」や「汚名を晴らすこと」、あるいは「試合や勝負において、前に負けた相手に勝つこと」となります。
言い換えると、「悔しい思いをバネにして」というニュアンスを感じ取ることができるでしょう。
ここで、「雪辱を晴らす」は、誤った使い方ななり、本節の「雪辱を果たす」が正しい表現となります。
これは、「屈辱を晴らす」という表現と混同したことから、「雪辱を晴らす」という言うようになったと見られています。
「屈辱を晴らす」は、「恥をかかされたことをなくして、晴れ晴れとした気持ちになること」という理解になってきます。
「雪辱」という言葉そのものに、「除き払う」という意味があることから、「雪辱を晴らす」とすると意味が重なって誤解を招きやすくなっていることも少なくありません。
かなりややこしそうに思えますが、正しく理解すれば、あまり難しくはありません。
「汚名をそそぐ」の使い方
では、「汚名をそそぐ」は、どのようなケースで使うことができるのでしょうか?
言われのない不名誉的なことをなくす場合に使うことになりますが、次項の例文を見ていくことで、使い方が見えてきます。
「汚名をそそぐ」を使った例文
この表現の使い方をいくつか見ることにさましょう。
- 「汚名をそそぐ」の例文1
- 「汚名をそそぐ」の例文2
- 「汚名をそそぐ」の例文3
「汚名をそそぐ」の例文1
「兄の汚名をそそぎたい彼女はは、再審請求ができないかと弁護士に相談することにした」
これは冤罪とも言えることで、名誉を傷つけられたお兄さんの汚名をなくすために、弁護士の先生と相談をすることにしたのです。
「汚名をそそぐ」の例文2
「自分のためのサッカーではなく、僕はチームの汚名をそそぐためのみに死に物狂いになって練習したのです」
汚名は必ずしも特定の人物だけを指すものではありません。
このようにチームや団体も汚名を着せられることがあります。
その時に1人の人間が汚名をそそぐために頑張ることもあります。
「汚名をそそぐ」の例文3
「彼は軍隊に入って戦争に参加したのですが、勇敢に戦って名誉の戦死を遂げした。そうやって、自分の汚名をそそいだのです」
戦争中は、このような思いで戦い、尊い命を落として行った人も数多くいます。
それこそが、「汚名をそそぐ」ことでしかなかったのかもしれません。
「汚名をそそぐ」を分解して解釈
「汚名をそそぐ」を「汚名」と「そそぐ」に分けて意味を見てみましょう。
- 「汚名」
- 「そそぐ」
「汚名」
「汚名」とは、「悪い評判」、「不名誉な評判」という意味があります。
「汚名を着せられる」、「汚名返上」という使い方がありますが、
「汚名挽回」や「汚名を挽回する」という使い方は、正しくない用法です。
「汚名返上」、「汚名を返上する」、「名誉挽回」、「名誉を挽回する」が正しい用法となりますので、注意が必要です。
ちなみに、「汚名挽回」を誤まりとする考え方ら、正しいとする考え方があるのですが、これには「挽回」の解釈の相違によるものと見られています。
誤まりとする説では、「失ったものを取り戻す」いう意味になり、正しい説とは、「もとのよい状態を取り戻す」意味と解釈する見方を取っています。
「そそぐ」
「そそぐ」は、「けがれや汚れを除き去る」や「不名誉や汚名を、名誉・功績によって消し去る」という意味をなしています。
「汚名をそそぐ」と他の言葉の違い
「汚名をそそぐ」と他の表現法の違いも見ていきましょう。
- 「汚名を返す」
- 「恨みを晴らす」
「汚名を返す」
「汚名を返す(汚名返上)」は、「汚名をそそぐ」と意味が似ていますが、「返上する」こととは「返す」という意味です。
これは、「一度受けた汚名を退けようとすること」というニュアンスがあります。
「恨みを晴らす」
「恨みを晴らす」は、「復讐する」や「仕返しする」という意味になります。
特に「心のわだかまりの原因を取り除いてすっきりした気持ちになる」という自分の積年の辛い思いを晴らす意味合いが色濃く出ています。
「汚名をそそぐ」という言葉を意識して見てみると、実に多様な表現があることが分かってきます。
それだけこの言葉に関連した表現があることが見えてきます。
それだけ人の思いや考え方には、色々な受け止め方や感じ方がたくさんあると言えるのかもしれません。
また、人がプライドを持って、生き甲斐にしていることもよく理解できることと思います。
それだけに周りの人から、誹謗中傷を入れられることは、とても辛いことなのです。
したがって、私たちが人のことを話題する時は、決して避難するような発言を慎まなければならないのかもしれません。
それができることで、「汚名をそそぐ」というような行為がなくなっていくと思うのです。