「丁々発止」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
「丁々発止」の意味と読み方を紹介します。
さらに「丁々発止」の類語や使い方を紹介します。
目次
- 「丁々発止」の意味とは?
- 「丁々発止」の類語や言い換え
- 「丁々発止」の使い方
- 「丁々発止」を使った例文
- 「丁々」を使った言葉
「丁々発止」の意味とは?
「丁々発止」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
普通に生活していると目にする事や耳にする事が無い言葉かもしれません。
これを機会に「丁々発止」の読み方や意味を知り、使いこなせるようにしましょう。
- 「丁々発止」の読み方
- 「丁々発止」の語源
- 「丁々発止」の意味
「丁々発止」の読み方
「丁々発止」は「ちょうちょうはっし」と読みます。
ほとんど応用が効かないような、珍しい言葉だと思います。
「丁々」は「ちょうちょう」、「発止」は「はっし」です。
読み間違えないように注意しましょう。
「丁々発止」の語源
「丁々発止」とは「刀を持った者同士が戦う時に響き渡る音を言葉」にしたものです。
刀と刀がぶつかり合う時に音が出ますが、その音の事を「丁々発止」と言います。
ちなみに「丁々発止」の「丁々」は「丁丁」という単語として、単独で使われる事があります。
「丁丁」は硬い物同士がぶつかり合う音の事を意味します。
また「丁丁」は「打打」とも書きます。
こちらの方が、打撃音を表現する言葉として理解しやすいかもしれません。
さらに「丁と」いう言葉で、勢いよく物を打つという意味があります。
例えば、「相手の刀めがけて『丁と』自分の刀を振り下ろす」などという文章にする事ができます。
「丁々発止」の意味
基本的に「丁々発止」とは、刀を持った者同士が戦っている時に、刀と刀がぶつかる時の音を意味します。
例えば「刀を持った者同士が『丁々発止』する」という感じです。
そこから意味が広がって、「言葉を激しくぶつかり合わせる」という意味も生まれました。
例えば討論番組でコメンテーター同士が激しい議論をする様子は、「丁々発止」と呼ぶのにふさわしい場面です。
「丁々発止」の「対決する」という点、さらに「激しい音が出る」という点と、討論や議論には共通点があります。
現在の日本では剣を持ってぶつかり合うというシーンが、剣道などの剣術以外のシーンでは見かけなくなりました。
そのため「丁々発止」といえば、議論をするシーン、激しく意見を戦わせるシーンを指す言葉になりつつあります。
「丁々発止」の類語や言い換え
次に「丁々発止」の類語や似た意味の言葉を見て行きましょう。
「丁々発止」とはどのような意味がある言葉なのかが、似た意味の言葉と並べる事で、より理解しやすくなるかもしれません。
- 「どんどん」【どんどん】
- 「こんこん」【こんこん】
- 「かちゃかちゃ」【かちゃかちゃ】
「どんどん」【どんどん】
何かがぶつかる音、連続して響き渡る音を「どんどん」と言います。
みなさんも使った事がある言葉ではないでしょうか。
このような音を言葉に表現したものを「擬声語」と呼びます。
聞いた音を、それらしい言葉に変換したものです。
「どんどん」の程度の軽い音をあらわすのが「とんとん」です。
「『とんとん』と肩を叩く」、「『どんどん』と足を踏み鳴らす」などと使います。
「とんとん」や「どんどん」が正しい日本語だと思うと、これからさらに使ってみたいと思えるのではないでしょうか。
「こんこん」【こんこん】
「丁々発止」のように、硬いもの同士がぶつかる音をあらわす言葉に「こんこん」があります。
「こんこん」も自然と使っている人が多い言葉です。
例えば、釘を金づちで打つ時の様子を「こんこん」と言います。
釘も金づちも硬いので、「こんこん」と表現するのが正解です。
また扉を拳でノックする時も「こんこん」と表現します。
このように硬いもの同士がぶつかる様子は、「こんこん」と表現しましょう。
「かちゃかちゃ」【かちゃかちゃ】
「かちゃかちゃ」も硬いもの同士がぶつかる音を表現した、擬声語のひとつです。
「かちゃかちゃ」というニュアンスから伝わると思いますが、硬いもの同士の中でも、「軽い物」がぶつかり合う音を、「かちゃかちゃ」と表現します。
例えば、お弁当箱を持って歩いている時に、アルマイトの弁当箱と、アルミのスプーンがぶつかって「かちゃかちゃ」と音を立てると思います。
このように、軽いもので、硬いもの同士がぶつかり合う音を、上手に表現しています。
「丁々発止」の使い方
「丁々発止」の使い方をチェックして行きましょう。
現在使う事が多い場面は、議論をしている場面です。
例えば政治家同士が言い争う、テレビ討論の場面では「丁々発止」という言葉が頻繁に使われます。
日常的なシーンでは、八百屋さんが野菜を売る時、さらに常連のお客さんが値引きを要求する時場面などを「丁々発止」のやりとりと言います。
ビジネスシーンでは会議の場面で、「丁々発止」という言葉にピッタリなシーンを見る事ができます。
誰かが激しく言い争う時、または子気味良く、激しいトークが行われる時に「丁々発止」を使って文章にしてみましょう。
「丁々発止」を使った例文
「丁々発止」を使った例文を紹介します。
どのように「丁々発止」を文章に組み込めばいいか、そのコツを知りましょう。
- 「丁々発止」を使った例文1
- 「丁々発止」を使った例文2
「丁々発止」を使った例文1
ビジネスシーンで週に一度以上行われるのが「会議」です。
会議における議論の場面は、「丁々発止」を使った文章にするのにぴったりな場面です。
「A課長と、B課長は同期入社で、ずっとライバルだと言われている。そのためか議論にも熱を帯びる事が多く、『丁々発止』のやりとりが頻繁に見られる」という感じです。
「CさんとD君の議論は、議論というよりも口喧嘩のようで、その「丁々発止」はとても見応えがある」などという文章にもできます。
「丁々発止」を使った例文2
「丁々発止」の言葉の基になっている、剣術のシーンは、もちろん「丁々発止」という言葉を使うとしっくりきます。
「剣道の達人同士が『丁々発止』とやり合うシーンは壮観だ」とか、「戦国時代の武士のような古風な剣士が『丁々発止』する場面は、とても見応えがある」などという感じです。
剣道を趣味にしている人や、フェンシングを趣味にしている人は「丁々発止」という言葉を使うチャンスがいっぱいあります。
「丁々」を使った言葉
最後に「丁々発止」を使った言葉を紹介します。
実は間違っている言葉や、使いやすい言い回しを紹介しますのでチェックしてみてください。
- 「丁々発信」?【ちょうちょうはっしん】?
- 「丁々発止のやりとり」【ちょうちょうはっしのやりとり】
「丁々発信」?【ちょうちょうはっしん】?
「丁々発信」という言葉があると思っている人がいます。
ラジオなど字幕が出ない媒体で「丁々発止」という言葉を聞いた時に、勘違いする人がいるようです。
場合によっては「町長発信」と聞き間違え、町長が何かメッセージを発信しているような意味の言葉だと思っている人もいます。
もちろんこれらは「丁々発止」を聞き間違えたものです。
「丁々」は刀などを振り下ろす様子、「発止」は硬い物が当たる音を意味し、「丁々発止」で、刀などが当たる音を意味します。
また激しい議論を意味する事もあります。
勘違いをして覚えた人は早い段階で、正しい言葉に覚え直しましょう。
「丁々発止のやりとり」【ちょうちょうはっしのやりとり】
「丁々発止のやりとり」という言葉で、剣術の達人同士が戦っている打撃音を表したり、論客同士が言い争っている様子を言葉にする事ができます。
「丁々発止」に「やりとり」という言葉を付けると、言葉の意味を知らない人にも正しい意味が伝わりやすいかもしれません。
「丁々発止のやりとり」を、単純に「激しいやり取り」「すごいやり取り」などと覚える事ができるでしょう。
「丁々発止」は、現在では議論をする場面で頻繁に使われます。
会社の会議などで、誰かが激しい口論をした時は、心の中で「丁々発止」という言葉を使って文章にしてみましょう。