「そつなくこなす」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
「そつなくこなす」の意味と類語を紹介します。
さらに「そつなくこなす」の例文や、そのような人の特徴を紹介します。

目次
- 「そつなくこなす」の意味とは?
- 「そつなくこなす」の類語や言い換え
- 「そつなくこなす」の使い方
- 「そつなくこなす」を使った例文
- 「そつなくこなす」人の性格や特徴
「そつなくこなす」の意味とは?

「そつなくこなす」という言葉があります。
人によっては「そつなくこなす人」と、他の人から言われた事があるかもしれません。
そこで「そつなくこなす」の言葉の意味を紹介します。
- 「そつなくこなす」の「そつなく」とは
- 「こなす」とは
- 「そつなくこなす」の意味
「そつなくこなす」の「そつなく」とは
「そつなくこなす」は「そつなく」と「こなす」の二つの言葉に分ける事ができます。
それぞれの言葉の意味を見て行きましょう。
まず「そつなく」ですが、「そつ」が「ない」という、「そつ」を打ち消す「ない」が付いてできた言葉です。
基本的に「そつ」は「ない」という打ち消す言葉を付けて使います。
そもそも「そつ」は、「ムダ」とか「手抜かり」などを意味する言葉です。
漢字で「卒業」の「卒」を当てはめる説もありますが、詳細は定かになっていません。
「そつなく」は「ムダ」や「手抜かり」を意味する「そつ」が「ない」わけですから、「ムダがない」「手抜かりがない」という意味になります。
「こなす」とは
続いて「そつなくこなす」の「こなす」を見て行きましょう。
「こなす」は漢字にすると「熟す」になります。
「成熟」とか「熟練」という言葉に使う感じです。
「こなす」の意味は、「熟」という意味が強い、「食べ物をすりつぶす」という意味があります。
また「道具などを自由自在に操る事」「物事を片づける事」を意味します。
「そつなくこなす」の場合の「こなす」は、後者の道具を自由自在に操ったり、物事を片づけるという意味を持っています。
「そつなくこなす」の意味
「そつなくこなす」の意味は、「へまをせずに道具を自由自在に操る」とか「ムダなく、物事を片づける」という意味になります。
「テキパキと物事を「そつなくこなす」」などという使い方をします。
過不足なく仕事をする事ができる人の事を「そつなくこなせる人」と表現しますし、ミスをせずにきちんと作業を終えられる人も「そつなくこなせる人」と言われます。
このように「そつなくこなす」には、「ミスをしない」「無駄を出さない」事に加えて、「上手に物事を進める事ができる」「仕事を片づける事ができる」という意味を含んでいます。
「そつなくこなす」の類語や言い換え

次に「そつなくこなす」の類語や言い換えを見て行きましょう。
どのような言葉が「そつなくこなす」の仲間なのかを知ると、「そつなくこなす」の意味がさらに分かりやすくなるでしょう。
- 「失敗しない」【しっぱいしない】
- 「手抜かりがない」【てぬかりがない】
「失敗しない」【しっぱいしない】
「そつなくこなす」という言葉に近い言葉として「失敗しない」があります。
テレビドラマなどのヒーローやヒロインの中には、物事を「失敗しない」完璧な人が登場します。
「そつなくこなす」の上方に位置するのが「失敗しない」ではないでしょうか。
「そつ」という言葉が「へま」や「ぽか」「失敗」などを意味する言葉で、「そつなく」は「ない」と打ち消す言葉が続いています。
「そつなく」は「失敗しない」と同じような意味の言葉になっています。
「手抜かりがない」【てぬかりがない】
「手抜かりがない」も「そつなくこなす」に近い言葉です。
「手抜かり」とは、手続きややり方などが、不十分であるという意味の言葉です。
「手続き」に「抜かり」があるという意味で、ポカをする「そつがある」という事になります。
「手抜かりがない」人は、「そつなくこなす」人でもあります。
どちらもミスをせずに、段取りよく物事を進められる人でしょう。
「そつなくこなす」の使い方

「そつなくこなす」を使う時は、相手を褒める時です。
ただし、無条件に褒めるというよりも、制限付きの褒め言葉という印象があります。
ものすごく仕事ができる人や、魅力的な人に対して褒め言葉を使おうとする時に、「そつなくこなす」という言葉は選ばないでしょう。
どちらかといえば、ミスなく段取りよく、仕事をこなせる以外に取り柄がない場合に「そつなくこなす」という褒め言葉を使う事が多いです。
また新卒社員などのように、まだ実力が未知数な相手に対し、「仕事を「そつなくこなす」能力はあるようだ」などと、現段階の評価として「そつなくこなす」を使う事もあります。
このような事情があるため、「あなたは『そつなくこなせる人だ』」と褒めた場合、相手がそれほど喜ばないケースがありますので、注意が必要です。
「そつなくこなす」を使った例文

続いて「そつなくこなす」を使った例文を見ていきます。
「そつなくこなす」をいちばん使用する機会が多い仕事の場面で、「そつなくこなす」を使った文章をチェックしてみましょう。
「A君は派手な仕事ぶりではないが、『そつなくこなす』能力がある」とか、「B君の取り柄は、物事を『そつなくこなす』くらいしかない」などです。
また「Cさんはまだ新人なのに、仕事を『そつなくこなす』事ができるので、とても助かる」などという文章になります。
「そつなくこなす」は、評された人の置かれている立場により、褒め言葉にも、けなす言葉にもなります。
相手が言われた時にどう思うかまで考えて使用するようにしましょう。
「そつなくこなす」人の性格や特徴

最後に「そつなくこなす」人に共通する、性格や特徴を見て行きましょう。
どのような人が「そつなくこなす」人なのかを知ると、身近にいる人を「そつなくこなす」人かどうかを判断できるようになるでしょう。
- 「真面目な人」【まじめなひと】
- 「言われた事しかしない人」【いわれたことしかしないひと】
- 「能力が高い人」【のうりょくがたかいひと】
「真面目な人」【まじめなひと】
「そつなくこなす」事ができる人は、「真面目な人」が多いです。
仕事を「そつなくこなす」ためには、きちんと段取りをして、一定の時間努力を続けて、結果を出す必要があるからです。
いい加減な性格の人は、段取りが甘かったり、勤務時間中にさぼるなどして、きちんと仕事をこなす事ができないかもしれません。
逆に言えば、真面目な性格の持ち主なら、例えそれほど能力が高くなくても、仕事をミスなく滞りなく終わらせる事ができるでしょう。
「言われた事しかしない人」【いわれたことしかしないひと】
「そつなくこなす」という言葉は、褒め言葉であり、けなす言葉でもあります。
ミスをせずに仕事をする事ができるのは、仕事をする人にとって大切な事ですが、「それ以上」を求める人からすると、物足りない面もあります。
例えば「言われた事しかしない人」は、「そつなくこなす」事はできるけど、「それ以上」がない人です。
思わぬ成果を出す事がないため、上司からそれほど高い評価をされない可能性があります。
このように仕事ぶりに意外性がなく、期待以上の成果を出さない人を褒める時に、「そつなくこなす」と、ある意味、嫌味のような言葉を掛ける事になります。
「能力が高い人」【のうりょくがたかいひと】
「そつなくこなす」事ができる人は、基本的に「能力が高い人」である可能性が高いです。
どのような仕事でも、ミスなくスケジュール通りに終わらせる事は難しく、能力が低い人には難しい事だからです。
ただし「そつなくこなす」という段階で留まってしまうのは、仕事に対するモチベーションの低さが原因かもしれません。
「能力が高い人」が仕事に対する高いモチベーションを持った時は、「仕事ができる人」「優秀な社員」などと呼ばれるような、素晴らしい成果を出せるようになるかもしれません。
「そつなくこなす」とは、ミスなく段取りよく仕事をしたり、物事を進める事ができる人です。
また「そつなくこなす」は、褒め言葉だったり、嫌味だったりします。
「そつなくこなす」を褒め言葉にする時は、嫌味を含まないように気を付ける必要があるでしょう。