「勇み足」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
日本語には様々な形の言葉がありますが、物事の状態やありさま、人の心境などを比喩的に表現することができる言葉もあります。
そのような言葉の中で、「勇み足」という語句を使ったり、聞いたことがないでしょうか?
目次
- 「勇み足」の意味とは?
- 「勇み足」の類語や言い換え
- 「勇み足」の使い方
- 「勇み足」を使った例文
- 勇み足と早とちりの違い
- 「勇み足」を使った言葉
- 「勇み足」に多い誤用
「勇み足」の意味とは?
「勇み足」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか?
「勇み足」とは、「熱心のあまりに、言うことや行動のレベルが、常識の範疇を越えて、度が過ぎて失敗すること」という意味を持っています。
この「勇み足」という言葉は、日常生活の中だけでなく、ビジネスの中で、打ち合わせをしたり、商談の時でも、時おり、使われる言葉です。
- 相撲の場合
- 言葉の場合
- 「勇み足」の読み方
相撲の場合
「勇み足」は、思いが強すぎて、行き過ぎた言動になることですが、相撲の世界でも、この言葉が使われています。
相撲で言う「勇み足」とは、「相手を土俵ぎわに追い詰めながら勢い余って自分から土俵外に足を出してしまい負けになること」を言っています。
普段、相撲を見ない人でも、チャンネルを合わせて見てみると、「勇み足」という言葉が聞くことがあるかもしれませんね。
言葉の場合
「勇み足」を言葉で使う時は、相撲の「勇み足」が転じたとされています。
このことから、「勢いに乗って、やり過ぎた行動や振る舞いの結果、失敗してしまうこと」という意味でも使われるようになったのです。
- 相撲の場合
- 言葉の場合
- 「勇み足」の読み方
「勇み足」の読み方
「勇み足」の読み方は、「いさみあし」となります。
「勇み足」の類語や言い換え
あまりの勢いで、度を超えた行動で失敗する「勇み足」。
この言葉を他の言葉で表現すると、どのようになるのでしょうか?
- 「焦る」
- 「焦燥する」
- 「気持ちが先走る」
「焦る」
「勇み足」の同義語、あるいは置き換える言葉としては、「焦る」が、最も頭に浮かんでくる言葉でしょう。
意味としては、「思いどおりにならず、せいて気をもむこと」、「いらだち、じりじりとした気持ちになること」となります。
「気ばかりが焦って、何も手が付けられない」
このような経験は、仕事をしているビジネスマンにとっては、日常茶飯事のことでしょう。
しかし、焦るだけでは何も生まれることがありません。
ここで大切なことは焦りによって生まれてくる行動です。
問題を解決するために、対策をじっくりと考えて、行動すること。
これが何よりも大切なことではないでしょうか?
「焦燥する」
「焦燥する」も、「焦り」や「勇み足」と同じ意味を持っています。
「焦燥する」とは、「いらいらして、焦ること」なのですから。
「じっくりと落ち着いて勉強をしているのですが、成績が一向に伸びずに、次第に焦燥の念が大きくなっていったのです」
このように必死で頑張っているのに、全く成果が現れないので、焦る気持ちが膨らんでいくのが、理解できます。
しかし、落ち着いて考えてみると、勉強のやり方が間違っているということもあります。
「気持ちが先走る」
「気持ちが先走る」という言葉も「勇み足」と同じ意味で使われます。
この言葉の意味としては、「先に立って走ってしまうこと」が直接的な意味ですが、これから転じて、「他より先に物事を行うこと」という意味に変化していきました。
また、「勇み足」の同義語として考える場合には、「他に先んじようとして、独りよがりの判断をする」、「他を出し抜いて、かってに行動する」という意味として解釈することができます。
「あいつは時々、先走った考え方をするので、注意が必要だ」
「あまり先走っては困る」
このような使い方をされることが多いでしょう。
「勇み足」の使い方
かなり焦った心境で深く考えずに行動して失敗してしまう感がある「勇み足」。
この言葉を使うケースは、そのような行動をしてしまう人に対して、よく使うことになるのでしょう。
「勇み足」を使った例文
では、「勇み足」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「勇み足」の例文1
- 「勇み足」の例文2
- 「勇み足」の例文3
「勇み足」の例文1
「心の準備もできていないのに、すぐにあのような発言をしてしまったことは、勇み足だった」
このような経験をした人は、かなりいるのではないでしょうか?
社会人になってから、頑張ろうという気持ちが強すぎて、このようなことに行動を取ってしまうことが少なくありません。
また、ビジネスでの交渉事などが上手く行っていたのに、余計なこと一言を伝えた結果、交渉が破談になってしまうことや、プレゼンテーションの内容が受け入れられそうだったのに、最後の余分な説明を付け加えてしまって、上手く契約に結び付かなかったなど、成果を急いだことで、油断した結果に失敗する時に使われます。
「勇み足」の例文2
「経験もないのに、勇み足で専門書ばかり読んでも、頭でっかちになるだけだ」
何事にも勉強をすることは大切なのですが、実戦から学ぶことも必要です。
ノウハウや技術的なことだけを学んでも、知っているだけでは何もならないということになります。
「勇み足」の例文3
「早とちりというよりは、俺には勇み足に見える」
このような行動を取ってしまう人は、周りにも身近なところにも、かなりいるものです。
しかし、この手のタイプの人は、仕事を進める中で、詰めが甘くならないように「勇み足」には注意しなくてはなりません。
成果を上げることに必死になっているひとの陥りやすいパターンです。
勇み足と早とちりの違い
前項で、「早とちり」という言葉が出てきましたが、「勇み足」とよく誤解される使い方をしている人がいます。
「早とちり」とは、「物事の状態や内容をしっかりと確かめないで、勝手に分かったつもりになること」という意味を持っています。
早とちりは、「勘違い」と言う意味合いが強くなるのですが、一方の勇み足は、「結果を急ぐこと」や「勝ちを急いだ結果」というように、ここ「一番という勝負を急いだり、つい調子に乗り過ぎたりした時に、起こしてしまう失敗のこと」を意味しています。
ビジネスの会話の中では、十分に注意する必要があります。
「勇み足」を使った言葉
「勇み足」を使う言葉の表現を見ていくことにしましょう。
- 「勇み足になる」
- 「勇み足で失敗」
「勇み足になる」
「勇み足になる」とは、「思い早って先走った行動に出てしまう」という状態や心境を表しています。
ライバルと競争をしている人などは、このような状態になりやすく、つい行き過ぎた行動で悪い結果を呼び込んでしまうことが少なくありません。
「勇み足で失敗」
これも、調子に乗りすぎて、失敗することです。
あまりにも調子よくなり、つい仕事のアクセルを踏み込みすぎて、暴走してしまう車に例えることもできるでしょう。
適度にブレーキングを効かせながら、仕事のコントロールをすることが大切だというこのですね。
「勇み足」に多い誤用
「勇み足」は、「勇ましい足」と書きます。
このことから、「勇み足」を「集中して慎重、且つ、勇ましく大胆に思い切った事を運んだり、行動すること」という意味で使う人がいます。
しかし、これは間違った用法です。
「勇み足」の言葉の意味をあまり意識せずに、使ってしまっている人が意外にも、多いのです。
もしかすると、あなた自身もこの言葉の使い方を間違っている可能性があるかもしれませんので、悪い意味であることを理解して使い方には注意することです。
「勇み足」とは、「調子に乗りすぎて、自ら墓穴を掘るように失敗したり、やりすぎたりした時などに使われる表現」だということが分かったことでしょう。
元来、相撲用語の1つだった言葉で、「相手を土俵際に追い詰めながら、勢い余って自分から先に土俵の外に足を踏み出す」ことから、フライング的な行動だったり、余計な失言などで使われるようになったのですから、仕事をする上では慎重を期すことが大切だということです。