「苛まれる」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
人は生きていると、悩み苦しむ事が少なくありません。
また正義感や責任感が強く真面目な人ほど、失敗をしたり、他人を傷付けてしまうと、その事に頭を抱え苛まれる事も少なくありません。
今回はそんな「苛まれる」という言葉について解説していきたいと思います。
目次
- 「苛まれる」の意味とは?
- 「苛まれる」の類語や言い換えや熟語
- 「苛まれる」の使い方
- 「苛まれる」を使った例文
- 「苛まれる」を使った言葉を解釈
- 「苛まれる」の反対語や対義語
「苛まれる」の意味とは?
- 「苛まれる」の読み方や意味
- 「苛まれる」という言葉について
- 「苛まれる」の語源
「苛まれる」の読み方や意味
「苛まれる」は【さいなまれる】と読み、
- 激しく叱られ責められること
- 苦しめいじめられること
- 辛く思い詰める程その事で頭がいっぱいになること
という意味になります。
ポジティブな意味はなく、いいイメージの言葉ではないかもしれません。
「苛まれる」という言葉について
「苛まれる」は「苛む」という動詞の未然形になり受動的な意味に変化する言葉になります。
ですから「苛む」は能動的な意味があり、
- 厳しく叱る、責め立てる
- 苦しめ、いじめること
となります。
また「苛」という漢字には、トゲトゲしい・角張っている・チクチクする・むごいなどの意味があり、動詞になってもそのまま意味が継続されます。
また「苛む」「苛まれる」という表現は、古くは平安時代から使われており、枕草子などの有名な古典文学にも活用されています。
意味は現代語と同じで、身分や立場によって「苛まれる」登場人物が出てきます。
「苛まれる」の語源
「苛」という漢字自体が持つ意味は述べましたが、この漢字を使った単語は沢山あります。
- 苛酷【かこく】思いやりがなく、厳しいこと。無慈悲な行為のこと。
- 苛烈【かれつ】厳しく激しいことや、その様子のこと。
- 苛々【いらいら】思った通りにならず、気分が逆立ち、荒れること。余裕がなく落ち着かないようすのこと。
特に「苛々」が分かりやすいのですが、「苛む」も「苛まれる」も少しずつ心にトゲトゲした小さなものが蓄積して生まれる感情になります。
この「苛」という漢字は心の声や気持ちという意味の形成文字になるので、一気に感情が生まれて爆発するというよりは、徐々に芽生え居心地が悪くなり、蝕んでいく事を表した漢字になります。
苛々した時の心の状態がおそらくそうであるように、「苛まれる」時もチクチク・トゲトゲ不快感を感じていたものが大きくなり、激しい痛みに変わっていったという変化をこの漢字が表現しています。
「苛まれる」の類語や言い換えや熟語
- 「虐げられる」【しいたげられる】
- 「いびられる」【いびられる】
- 2-3.「 咎められる」【とがめられる】
「虐げられる」【しいたげられる】
酷い仕打ちにより圧力をかけられ、苦痛を与えられる事をいいます。
避けられたり嫌われる事もいいます。
- 「なぜかあの人はどこの会社に行っても虐げられてしまう」
- 「戦争によって、私達は虐げられたのでこの場所に逃げて来た」
など。
「いびられる」【いびられる】
酷い扱いを受けたり、嫌がらせをされる事をいいます。
仕打ちを受けたり意地悪をされたりする事をいいます。
- 「新人だからと相当いびられたけれど、その相手はクビになった」
- 「いびられるとトラウマになって身動きが取れなくなる」
など。
2-3.「 咎められる」【とがめられる】
悪事や認められていないこと、禁止されている事をして責められたり、なじったり非難する事をいいます。
- 「勝手にした行為を咎められた」
- 「何も咎められるような事はしていないのに、いちいち質問や検査をされて腹立たしい」
など。
「苛まれる」の使い方
「苛まれる」は心の中で起こる状態なので、実際に何かを起こして苛まれている場合は少ないかもしれません。
または他人から見ると大した事がないと感じる事でも本人には重大であり、次第に心を蝕み「苛まれ」ていく事も多いのではないでしょうか。
そのような苦しく、辛く、気持ちを締め付ける感情になった時に使う言葉になります。
「苛まれる」を使った例文
- 「苛まれる」の例文1
- 「苛まれる」の例文2
- 「苛まれる」の例文3
- 「苛まれる」の例文4
- 「苛まれる」の例文5
「苛まれる」の例文1
「一生懸命助けてくれたあの人を、あんな立場に追いやるなんて心が苛まれて仕方がない」
「苛まれる」の例文2
「反省を何回しても、良心の呵責に苛まれる」
「苛まれる」の例文3
「新しい未来だというのに不安に苛まれて仕方がない」
「苛まれる」の例文4
「自分がした事に苛まれるなんて、真面目で誠実で、まともな精神だからではないでしょうか」
「苛まれる」の例文5
「ずっと心の中で苛まれていたものから解放されて、やっと生きていると感じられる」
「苛まれる」を使った言葉を解釈
- 恐怖に苛まれる
- 良心の呵責に苛まれる
- 虚無感に苛まれる
恐怖に苛まれる
例えば天災なども恐怖の一つですし、人間関係などで圧力や弾圧を加えてくるような人物が側にいる場合なども恐怖に苛まれる事の一つでしょう。
実際に経験や体験した事がある場合や、現在まさにその状況であったり、もしくは想像したりテレビなどで情報を得てそうなっている場合もあります。
良心の呵責に苛まれる
「良心の呵責」とは人として「罪悪感」をしっかり持っているという事を表します。
「罪悪感」とは「罪の意識」のことであり、「良心の呵責」がないと湧かない感情になります。
何に対し罪悪感を抱くかは人によりますし、法に触れた時のみならず、自分の中にある倫理感や道徳心を犯してしまった時にも感じるものなので、苛まれてしまうキッカケや程度は他人にはわかりませんし、感じない人もいます。
罪悪感は自分の中の基準で決まるものなので、自分に厳しい人程良心の呵責に苛まれる事になるでしょう。
虚無感に苛まれる
「虚無感」とは《価値など何もなく、何かがごっそり抜け落ちて全く意味がないような、何の為に生きているのか分からない》といった感情の事をいいます。
誰にでも「虚無感」を抱える時はありますし、日常に疲れてしまってどうすればいいのかと路頭に迷う事もありますが、その状態がずっと続くようであれば考えものです。
なぜ生きているのか、自分には価値があるのかという思いが強くなると、ついには「虚無感」に苛まれるようになり精神面に破綻を来たしてしまいます。
また何かキッカケがあって「虚無感」に苛まれるようになる場合も多いので、その出来事と向き合わない事にはこの状況は続いてしまうでしょう。
「苛まれる」の反対語や対義語
「苛まれる」の元の言葉である「苛む」には、明確な反対語や対義語は存在しません。
ただネガティブな意味から想像して、逆の言葉を連想する事は可能です。
「苛む」は《いじめる・責め立てる》などの意味なので、その逆が反対語や対義語にふさわしいでしょう。
- 「赦される」【ゆるされる】
- 「解放される」【かいほうされる】
「赦される」【ゆるされる】
「赦される」は「赦す」のサ行変格活用の未然形になります。
【ゆるす】には「許す」と「赦す」があり、それぞれ意味が違います。
まず「許す」には「許可する」「許容する」などの言葉があります。
どちらも《認める・解除する》という意味があり、本来は認められない事や禁止されている事に対して使う言葉になります。
一方「赦す」には「恩赦」「容赦」などの言葉があり、《見逃す・咎めない》という意味を持ちます。
これはやってしまった事に受け入れ見逃したり、責任や失敗を責めずに咎めないという時に使います。
「苛まれる」の意味を考えると、具体的に何かの罪を犯したというよりは自分の心がそうしているという事になるので「許す」よりは「赦す」の方が近いのではないでしょうか。
「解放される」【かいほうされる】
「解放される」は文字通り、縛られていたり囚われていた状況や環境、もしくは、人物などから解き放たれる事をいいます。
つまり、何の縛りもなく自由になる事を表します。
「苛まれる」はその物事にずっと心身共に拘束される事をいうので、表現としては反対になります。
「苛まれる」について色々と述べてきましたが、意味としてはマイナス要素を持つ言葉なので、あまり出て来て欲しくない言葉だと思います。
ですから「苛まれる」ような生活とは無縁でいたいですが、言葉としての理解や使いこなし方は出来ていたいと思います。