「多岐にわたる」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
日本語の中には、語句の発音を聞いただけで少しばかり堅苦しい角ばったような語感の言葉があります。
その分だけ、何故か格調高いイントネーションで聞こえてくる感じもするのですが、日常会話の他に、ビジネスシーンでの会話でもよく使われる言葉がたくさんあります。
その中で、よく使われる使用の頻度の高い表現としてある言葉が、「多岐にわたる」というものです。
目次
- 「多岐にわたる」の意味とは?
- 「多岐にわたる」の類語や言い換え
- 「多岐にわたる」の使い方
- 「多岐にわたる」を使った例文
- 「多岐にわたる」を使った言葉
- 「多岐にわたる」の対義語
「多岐にわたる」の意味とは?
誰でも「多岐にわたる」という言葉を耳にすることや、話すことがあるでしょう。
「多岐にわたる」の元々の語源は、「道が幾筋にも分かれていること」や、「分かれている道が数多くあること」を指しています。
「多岐」の「岐」は、「分岐」や「分岐点」という言葉で使われています。
これらの言葉も「道が分かれる」や「道が分かれる地点」という意味を持っています。
「多岐にわたる」は、「岐」の漢字の意味からケースが広がってきて、ものの用途、利用方法、選択手段が色々と存在したり、その手段を実現する方法も多くの種類があることの意味合いを持つようになってきました。
「選択肢が複数ある」などの様々な場面で活用されている言葉なのです。
- 「多岐にわたる」の読み方
「多岐にわたる」の読み方
「多岐にわたる」の読み方は、「たきにわたる」となります。
「多岐にわたる」の類語や言い換え
「多岐にわたる」という言葉の類義語として、次のような言葉や表現ができるでしょう。
- 「多方面にわたる」
- 「多角的な」
- 「バラエティーに富む」
「多方面にわたる」
「多方面にわたる」は、使われている漢字の通りの意味を持っています。
「多くの方面や分野」、「色々な方面にわたっていること」や、「そのようなさま」を表しています。
「多方面わたる知識を持っている人」、「多方面にわたる人脈を持つ人」というような例え方があります。
「あらゆる方向に幅広く通している」という意味にも理解できるでしょう。
ある意味「マルチ的な」という例え方もできると思います。
「多角的な」
「多角的な」という言葉も「多岐にわたる」に似た言葉です。
「物ごとを様々な角度から見渡したり、分析する」というような分析的な使い方の意味を思い浮かべることと思いますが、対象となる物ごとの観察主体は、別のところにあり、2つ事柄の間で交わされる活動の意味を指すこともあります。
「多角的」の意味としては、「多方面に渡っているさま」、「いくつかの方面に派生するさま」の言葉です。
よく使われる表現としては、「多角的アプローチ」というものがあります。
この時の表現では、「さまざまな立場や観点から、対象へアプローチしていく」という意味合いで使われています。
「アプローチ」=「近づいていく」という行動的な意味において、様々な側面から取り組んでいくことになります。
「バラエティーに富む」
「バラエティに富む」も「多岐にわたる」に近い意味を持っています。
意味としては、「変化があること」や、「多様性」ということになります。
「バラエティーに富んだ食事を楽しむ」
「バラエティーに富んでいる興味深い人」
というような使い方ができます。
「多岐にわたる」の使い方
「多岐にわたる」という表現は、どのように使われるのでしょうか?
この表現で、重要なポイントは、「多」という文字にあります。
「多い」だけに選択肢がいくつもあるという意味合いが出てくるからです。
もし、これ、選択肢が「多」ではなく、2つしかなければ、「二者択一」となり「多」ではなくなります。
そのことから、選択肢は、3、4つ以上ある場合から、「多岐にわたる」という表現が使えると思うのです。
まさに「マルチ」と呼べる状況において使える言葉なのです。
「多岐にわたる」を使った例文
では、「多岐にわたる」を使う例文を見ていくことにしましょう。
- 「多岐にわたる」の例文1
- 「多岐にわたる」の例文2
- 「多岐にわたる」の例文3
「多岐にわたる」の例文1
「何でもそつなくこなすオールマイティタイプのタカオ君は、料理や、釣り、サッカー、ゴルフだけでなく、プログラミングや、書道、絵画など、多岐にわたる趣味を持っていっているからすごい」
世の中には、本当に多趣味というか、マルチ的な才能を持っている人がいますね。
武道であれば、「武芸百般に通じている」ということになるでしょうか。
「多岐にわたる」の例文2
「本校は、政治、経済、科学、芸術など、多岐にわたる分野の専攻学科を有している全国的でも有数の総合大学です」
大学もユニバーサルシティともなると、非常に多くの専門学科を持つようになります。
但し、大学に入る前には、自分の将来のビジョンをしっかりと確立しておきたいところです。
「多岐にわたる」の例文3
「十徳ナイフは、ナイフとしての使い方だけでなく、ドライバー、はさみ、やすり、のこぎりなど、その用途は多岐にわたるが、果たして十分に使いこなすことができるだろうか?」
アウトドアで必需品とも言える十棟ナイフは、とても便利ですが、こんなケースでも「多岐にわたる」という表現が使えます。
「多岐にわたる」を使った言葉
この表現を使った言葉のパターンをもう少し見ていくことにします。
- 「多岐にわたる分野」
- 「多岐にわたる事業」、「仕事」
- 「多岐にわたる活動」
「多岐にわたる分野」
「多岐にわたる分野」という表現がありますが、これは「物事の範囲や領域、人の活動範囲が色々なあらゆる分野・方面に分かれている」という意味を指しています。
「私の学校では、俳優やプロのミュージシャンだけでなく、政治家なども含めて、多岐にわたる分野で有名な人が多く輩出しています」
「当社は、医療分野のみならず、飲食などの関係でも事業も担当しており、多岐にわたる業界で事業を行っています」
「彼は自分の才能をより試したいという思いで、歌やダンス、舞踊など多岐にわたる分野にチャレンジ精神旺盛な人です」
「この製品の開発は、これから多岐にわたる分野で、評価されていくことになるでしょう」
このように「多岐にわたる分野」は、ビジネスでよく使われる言葉でもあります。
「多岐にわたる事業」、「仕事」
仕事や事業の中身を説明する時に、「多岐にわたる」という言葉が用いられます。
この意味は、「事業が広範囲に及んでいること」で、今まで「多岐にわたる」というように、さまざまな業務の経験がある人なら、「どのような業務の経験を持っており、どのように取り組んできたのか?」の説明を積極的にアピールすることができます。
転職でキャリアアップしたい人であれば、「多岐にわたる」経験をベースに今後の活動ビジョンを明確に伝えることもできます。
「多岐にわたる活動」
この表現は、あるグループ企業が、さまざまな活動を行っている場合に、「多岐にわたる活動」という言葉で表すことができます。
多岐にわたる活動とは、「専門分野が多いこと」、「活動内容が色々な分野に及ぶこと」を意味しています。
「今は医療関係の事業を担当しているが、これからは福祉やボランティアなど多岐にわたる活動にも力を入れていく予定です」
「私は大学時代に多岐にわたる活動をしており、その中には、海外でのボランティア活動の経験もあります」
「彼は高校時代から大学時代にかけて、多岐にわたる活動に参画してきた経験豊富な人材です」
「彼女の芸術に関するセンスは、抜群に優れていて、バレエだけではなく、衣装のデザインまで自分で行うほど、多岐にわたる活動を行っています」
このような用法として見ることができるのが、「多岐にわたる活動」です。
「多岐にわたる」の対義語
「多岐をわたる」の対義語としては、
「選択の余地なし」、「選びようがない」、「一択の」、「唯一の」という表現があります。
何れの表現も「オンリーワン」ということになりますが、貴重な存在であったり、「最後の手段」というような意味にも理解できるでしょう。
「多岐をわたる」という言葉には、色々な選択肢を持つことがありますが、私達が仕事をしていく上では、選択肢を持つことは、とても重要なことです。
そのために、これから新しい仕事をする人は、自分の特技も増やして行き、「多岐にわたる」と言えるようになれりたいものです。