「恩恵」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
「恩恵を受ける」など私たちの生活の中で「恩恵」という言葉を用いることがあります。
では、実際にこの「恩恵」にはどのような意味があるのでしょうか?
正確な意味、読み方、似ている言葉との意味の違いを理解して、正しく「恩恵」という言葉を用いるために、考察してみましょう。
目次
- 「恩恵」の意味とは?
- 「恩恵」の類語や言い換え
- 「恩恵」の使い方
- 「恩恵」を使った例文
- 「恩恵」を使った言葉を解釈
- 「恩恵」の反対語や似た対義語
「恩恵」の意味とは?
「恩恵」とはその漢字からも読み取ることが出来るように、恵みという意味があります。
もしくは慈しみという意味ですが、「恩恵」によって利益や良い影響を得ていることを指します。
多くの場合、目上の人から受けるものを指します。
またキリスト教の教義において、神からの恵みを受けることに関してもこの「恩恵」という言葉が用いられていることがあります。
- 「恩恵」の読み方
「恩恵」の読み方
「恩恵」は「おんけい」と読みます。
恩は音読みで「オン」と読みますが、訓読みでは「めぐみ」と読むこともあります。
「恩恵」の場合は「おん」と読みますが、「恩恵」の「恵」と同じ意味としてこの「恩」が使われていることが分かります。
「恩恵」の「恵」は「けい」と読みます。
もちろん「恵み」という意味がありますが、音読みでは「おん」か「知恵」の「え」と読みます。
この二つの「恩」と「恵」の文字を合わせて読むと「おんけい」になります。
「恩恵」の類語や言い換え
「恩恵」には似たような言葉があります。
もちろん似てはいても、まったく同じ意味というわけではありませんから、その違いから、「恩恵」という言葉の真髄に迫っていきましょう。
- 「恵み」
- 「お蔭」
- 「恩寵」
- 「便益」
- 「恩情」
「恵み」
「恩恵」にも「恵」という言葉が用いられていることから分かる通り、「恩恵」と「恵み」には非常に近い意味があります。
実際に「恩恵」の直接の意味として「恵み」という意味があるくらいです。
しかし「恵み」には「恵む」という動詞からの活用形から来ており、「恩恵」よりは、比較的、分かりやすく、日常生活でも使われやすい言葉となっています。
「お蔭」
「お蔭」は「だれかのお蔭」や「お蔭さまです」などと使われています。
「お蔭」は誰かによって、利益を得ることが出来たり、良い結果を得ることが出来た時に用います。
その意味は良い意味で、悪い影響を受けた時にはこの「お蔭」という言葉は用いません。
「お蔭」も「恩恵」も第三者によって受けた益の事を指し、それによって感謝の念がわいた時に用いられるでしょう。
「恩寵」
「恩寵」は「おんちょう」と読みます。
これは「恩恵」とよく似た言葉ですが、誰から恵みを受けたかという観点が異なります。
「恩恵」は人や自然界を含めた第三者ですが、「恩寵」は特に、神や、主、王からの恵みを指します。
また「恩寵」はキリスト教の中での神からの恵みという意味でも用いられています。
「便益」
「便益」は便利になり益があるという意味があります。
これは、自分で生み出すこともできる種類のものです。
しかし「恩恵」は自分で生み出すことが出来るものでなく、他者から受けるものですから、意味が異なっていることが分かるでしょう。
もちろん「恩恵」を受けたことによって「便益」が生じるなどと表現することもでき、この二つの言葉は似ている意味があります。
「恩情」
「恩情」には「恩恵」の「恩」という言葉が用いられています。
これら分かる通り「恩情」と「恩恵」には似ている意味があります。
「恩恵」が何か形に見える恵みを指示しているのに対し、「恩情」は「情」という感情に関係した言葉が用いられているように、形に見えないものを指す場合が多いでしょう。
もちろん、「恩情」があるゆえに「恩恵」を施すという事があるように、この二つの言葉には密接な関係があります。
「恩恵」の使い方
ではこの「恩恵」という言葉を日常生活の中でどのように用いることが出来るのでしょうか?例文を用いて考えてみましょう。
「恩恵」を使った例文
「今年の春の好天の恩恵で、リンゴの収穫が良い事が望まれている。」
「恩恵」は第三者の人間だけでなく、この例文のように、自然界からの影響も含まれます、この例文にあるように、「恩恵」という言葉を用いた時には、必ず、良い影響、良い結果があると考えることが出来るでしょう。
「この政策から誰が恩恵を受けるのだろうか?」
この例文の場合も恩恵を施すのは誰か人ではなく、政策になっています。
政策が良いかどうかによって、それから「恩恵」つまり「利益」を受けることが出来るかどうかを尋ねています。
この例文で「恩恵」という言葉が使われており、「利益」という言葉が使われていない理由は「利益」には金銭的なことが関係していることが多いですが、「恩恵」には金銭的なものだけでなく、気持ちや、状況など多くの事柄を含む場合が多いからです。
「恩恵」を使った言葉を解釈
- 「恩恵をもたらす」
- 「この恩恵に値しない」
- 「地理的恩恵」
「恩恵をもたらす」
「恩恵」は上方向から下方向に流れていくというイメージを持つことが出来るでしょう。
ですから「恩恵を持っている」もしくは「恩恵を以前持っていた」と表現するのは間違っています。
それで、恩恵が与えられる、恩恵を施す、恩恵をもたらすという言葉を用いるなら、正しくこの「恩恵」という言葉を用いていることになるでしょう。
「この恩恵に値しない」
誰かから「恩恵」を施してもらった時などに、それが自分の行動などに値しない時にこの言葉を用います。
「恩恵」は「恩情」から出ている場合がほとんどですから、その「恩恵」を受けることが出来るかどうかを、考えているときにこの文章を使うでしょう。
「地理的恩恵」
住んでいる地区が非常に良く、交通の便が良い場合にはこのように「地理的恩恵」という言葉を用います。
または、住んでいる地域の気候が良くて、農作物などの育ちがよく、健康にも良い場合にも「地理的恩恵」という言葉を用います。
しかしその際には「地理的恩恵」を受け取ったとか、「地理的恩恵」があると表現するよりも、「地理的恩恵」によって、良い結果を受けた、などと表現するほうがスマートでしょう。
なぜなら、「恩恵」は自分から得るものでも、そこにあるものでもなく、受けることが出来るものだからです。
「恩恵」の反対語や似た対義語
「恩恵」の反対語にはどのようなものがあるでしょうか?
- 「損害」
- 「呪い」
- 「仇」
「損害」
「損害」は第三者によってこうむってしまう害という意味があります。
これは自分で得た物でも、自分が欲していたものでもありません。
「恩恵」も自分で得るものでないのと同じように、この「損害」も自分で得るものではないものの、結果が「恩恵」とは全く異なっています。
「損害」がマイナスの意味で使われて「恩恵」がプラスの意味でつかわれると覚えておきましょう。
「呪い」
「呪い」は第三者が他の人に向かって、不幸になるように仕向ける行為の事です。
「恩恵」は第三者が他の人に対して幸福になるように仕向ける行為の事ですから、この二つの言葉は全く反対の意味を持っているということが出来るでしょう。
「仇」
「恩を仇で返す」という言葉があります。
この言葉には「恩」もしくは「恩恵」を受けたのに、それに対する感謝を示さずに、逆に相手に対して害となることを行うという意味があります。
この意味からも分かるように、「仇」は「恩恵」とは言葉の意味において、まったく正反対の言葉であることが分かります。
今回は「恩恵」という言葉について考えてみました。
その後の意味、読み方、そして類語や反対語、例文を考えることによって、「恩恵」の真の意味を知ることが出来ました。
これからも「恩恵」を与えてくれるすべてに感謝を示して、他の人に「恩恵」を与えるように努力していきましょう。