「叙述」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
「叙述」の意味と読み方、類語を紹介します。
さらに「叙述」の使い方や、「叙述」を使った例文を紹介していきます。
目次
- 「叙述」の意味とは?
- 「叙述」の類語や言い換え
- 「叙述」の使い方
- 「叙述」を使った例文
「叙述」の意味とは?
「叙述」という言葉を目にした事があるでしょうか。
文章を好きな人、文芸書などを定期的に購読している人、小説を読むのが好きな人などにとっては、身近な言葉かもしれません。
また大学の卒業論文などを書いた経験がある人も、「叙述」という言葉を目にした事があるかもしれません。
このような文章に関係する言葉「叙述」について、言葉の意味や読み方を紹介して行きます。
- 「叙述」の読み方
- 「叙述」の意味とは
- 「叙述」の意味2
「叙述」の読み方
「叙述」は「じょじゅつ」と読みます。
難しい漢字が使われているわけではありませんが、「叙述」となると、難しいイメージの言葉になります。
「叙述」は「述べる」という言葉と、「叙する」という言葉が、合体してできています。
そこで「述べる」と「叙する」の、それぞれの意味を見て行きましょう。
「叙述」の意味とは
「叙述」の「述」の元になっている「述べる」は、「順序立てて文章に書きあらわす」という意味があります。
「述べる」という言葉を使う時は、「順序立てる」というところ、「文章に書く」というところがポイントになります。
つまり「述べる」を使う時は、思いついたものを紙に書き出したようなケースや、雑記のようなものを含みません。
また買い物に出かける時にメモする、料理の材料のように、単語を羅列したものは指しません。
あくまでも順序立てて、きちんと文章にするという行為が伴わないと「述べる」とは言わないので注意しましょう。
一方で「叙する」という言葉は、文章や詩歌などに述べあらわす事を言います。
「述べる」とほとんど同じ意味ですが、さらに完成度の高い文章や、詩歌などを書く時に使う言葉です。
このような2つの言葉があわさって「叙述」となります。
「順序立て」「文章にする」「ある程度完成度の高い状態まで仕上げる」という条件がそろった時「叙述」という言葉を用います。
そのため「叙述」は物事の様子やありかたを、文章などに書きあらわす事を意味します。
簡易的な意味では「文章を書く」と「叙述する」は同じ意味となります。
「叙述」の意味2
「叙述」には、きちんと文章のルールを守って記述するという意味もあります。
「小説」なら小説の作法を守り、「詩歌」なら、詩歌のルールを守りながら、文章を作っていく時に「叙述する」という言葉がしっくりきます。
真摯な気持ちで文章に向き合うという、書く人の正しい姿勢がある事も、「叙述」の条件になるでしょう。
文章を書く時の、ほとんどのケースでは「文章を書く」と表現して問題がないでしょう。
ただし、きちんとした文章を書く時や、正式な手続きで文章に向き合う時は「叙述する」という言葉を選んだ方が、書く事に対する心の持ち方や、文章に対する気持ちの向き合い方とピッタリくるでしょう。
「叙述」の類語や言い換え
続いて「叙述」の類語や言い換えた言葉をチェックしてみましょう。
「叙述」のように、世の中の出来事を書き述べる時に使う意味の言葉が揃っています。
- 「叙事」【じょじ】
- 「論及」【ろんきゅう】
- 「描写」【びょうしゃ】
「叙事」【じょじ】
「叙事」という言葉があります。
「叙事」は「叙事的な文章」などと使われる言葉です。
「叙事的な文章」とは感情を交えずに、起こった出来事や物事について、ありのままに文章で表現する事です。
つまり「叙事」は、感情を交えずありのままを「叙述」する事を意味します。
そのため、「叙事的な文章」はとても客観的で、公正なイメージがあります。
一般的な小説や詩歌は、作者の感情がこもっていた方がおもしろいかもしれません。
しかし歴史書を編纂する時は、あまり作者の感情がこもっていない方が、後世で読む人にとってありがたいのではないでしょうか。
あまりにも贔屓がすごすぎる文章では、何が本当で、どちらが正しいのか伝わりにくいからです。
ある歴史小説を「叙事詩」などという時は、「客観的事実が叙述されています」という謳い文句のようなものでもあります。
「論及」【ろんきゅう】
「論及」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「論理」の「論」と、「言及」の「及」が組み合わさった、少し難しい意味の言葉です。
読み方は「ろんきゅう」になります。
文章にしっかりと向き合う姿勢では、「叙述」と同じ意味の言葉といっても過言ではありません。
「論及」は文章を読んだ時に、細かい部分にも注目して、その事に対して言い及ぶ事をいいます。
例えば国語のテストで、「作者はどのような気持ちでこの文章を書いたか、その心情を書きなさい」という設問がありますが、「論及」という言葉を使えば、「作者の気持を論及しなさい」という設問になるでしょう。
「論及」はこのように、文章の深い部分にも焦点を当てて、言い及ぶ事を意味します。
「叙述」に対して「論及」という言葉を覚えておくと、より文章に対する真摯な姿勢を言い表す事ができるかもしれません。
「描写」【びょうしゃ】
「描写」という言葉があります。
誰でも目にした事があるような、とてもメジャーな言葉のひとつではないでしょうか。
「描写」は「ある物事を描きだす事」を意味する言葉です。
「叙述」は文章に限られる言葉ですが、「描写」は様々な表現に使われる言葉です。
例えば絵画を描く事を「描写」と言います。
また写真撮影をして、被写体の様子をリアルに描き出す事を、同様に「描写」と言います。
またリアルな文章や、見たままの出来事や物事を文章にする時も「描写」という言葉を使う事があります。
このように「描写」は、様々な場面で用いられる、何かを描きだす時に使われる言葉です。
「叙述」の使い方
「叙述」という言葉を使う時は、「順序立てて、きちんとした文章を書く」時に使います。
そのため、「叙述」を使う時は、形式ばった場面で文章を書く時に限られます。
友達同士で交換日記をするような時の、比較的気楽な文章を書く時は「叙述」という言葉は似合わないでしょう。
一方で卒業論文を書く時のような、気合を入れて論理的な文章を書こうという姿勢がある時は「叙述」という言葉がしっくりくると思います。
「叙述」を使う時は、文章を書く場面に限られますが、さらにきちんとした感じか、そうでなく気楽な感じかを考えてみましょう。
書く人の姿勢によって「叙述」か、単に「文章を書く」かを、使い分けるようにしましょう。
「叙述」を使った例文
「叙述」を使った例文をチェックして、「叙述」を文章に組み込む方法を知りましょう。
文章を書く時に「叙述」という言葉を使いますが、「きちんと書く」事が大切な時に、「叙述」という言葉を使います。
例えば卒業論文を書いた生徒がいて、締め切り前に文章をチェックする場面では、「叙述」という言葉が使われます。
担当の教授は生徒の卒業論文を読んで、きちんと書く事ができているか、順序立てて論理的に書く事ができているかをチェックします。
そして「この論文は『叙述』が不十分だな」と指摘したり、「この章をもっと細かく『叙述』した方がいいな」などとアドバイスします。
「叙述」という言葉は、日常的には使わないため、なじみがない人も多いかもしれません。
しかし「叙述」の意味を知ってみると、文章を書く機会が多い人は、実際にした事がある行動で、なじみやすい言葉かもしれません。
基本的には「叙述」は「文章を書く」という意味で覚えておきましょう。
その上で、「正式に」「きちんとした雰囲気で」文章を書く時は、「叙述」を使ってみるとしっくりくるかもしれないと知っておきましょう。