意味解説の読み物

meaning-book

meaning-bookは意味解説の読み物です

「備えあれば憂いなし」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!

災害に備えて「非常袋」を用意しているご家庭も多いことかと思います。

防災や災害についての知識を高める意味でも備えておくことは大切ですよね。

何が起ころうとも落ち着いて行動ができるようになるために、「備えあれば憂いなし」の言葉の意味について考えてみましょう。

備えあれば憂いなし

Meaning-Book
「備えあれば憂いなし」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!>


目次

  • 「備えあれば憂いなし」の意味とは?
  • 「備えあれば憂いなし」の類語のことわざや四文字熟語
  • 「備えあれば憂いなし」の使い方
  • 「備えあれば憂いなし」の反対語や似た対義語はどんな言葉があるの?
  • 「備えあれば憂いなし」を分解して解釈してみると…
  • 「備えあれば憂いなし」の英語にすると?英語での名言は?


「備えあれば憂いなし」の意味とは?

「備えあれば憂いなし」とは、普段から準備をしておけば、いざというときに慌てないですむ、焦って失敗しなくなることをいうたとえです。

出かけるときには前日から持ち物をそろえておけば、当日には忘れ物もすることもないし、余裕をもってでかけられますよね。

「備えあれば憂いなし」は日常でも役に立つ心構えなのです。

  • 「備えあれば憂いなし」の読み方
  • 「備えあれば憂いなし」の由来は?

「備えあれば憂いなし」の読み方

「備(そな)えあれば憂(うれ)いなし」と読みます。

「備えあれば憂いなし」の由来は?

「これ事(こと)を事(こと)とする乃(すなわ)ち其(そ)れ備(そな)え有(あ)り備(そ)えあれば憂(うれ)い無(な)し」「備えあれば憂いなし」とは、中国最古の歴史書『書経』におさめられた演説の一節で、中国最古の王朝、殷(いん)の宰相である傳説(ふえつ)の言葉だとされています。

「これ事を事とする」とは、「するべきことをしておく」という意味です。

殷の国王は呪術の力を利用して国を統治したといわれています。

戦に出かけるときも巫女をつれていき、呪術でも敵を倒していたといわれていますが、呪術で守られていると思っていつ兵士たちは、しっかりと戦いの準備が整っているため、敵地でも慌てることなく堂々と戦えたのではないでしょうか。



「備えあれば憂いなし」の類語のことわざや四文字熟語

「備えあれば憂いなし」と同じ意味を持つことわざはとても多くありますが、それはなぜかと思いますか?もしかすると、先人たちが私たちに事前の準備をしておけば、なんとか生き抜くことがあるのだからと色々な方法で教えようとしているからなのではないでしょうか。

「備えあれば憂いなし」と同じ意味を持つことわざや四文字熟語をご紹介します。

  • 「転ばぬ先の杖」
  • 「濡れぬ先の傘」
  • 「後悔先に立たず」
  • 「用意周到」

「転ばぬ先の杖」

「転(ころ)ばぬ先(さき)の杖(つえ)」とは、失敗しないように前もって準備しておく、という意味です。

「杖」は足腰の弱ったお年寄りや足が不自由な人が使う身体を支える道具ですよね。

杖があれば多少の段差でも転ばずに歩けます。

「杖」とは、事前に準備しておくこと。

日頃の備えの大切さを伝える、ことわざです。

「濡れぬ先の傘」

「濡(ぬ)れぬ先(さき)の傘(かさ)」は、雨が降る前に傘を用意すれば濡れないで済む、つまり、何事をするにも、失敗しないように事前の準備を怠らないようにしなさいという教えです。

「転ばぬ先の杖」と同じく、具体的なものと状況で準備することの大切さを教えることわざですね。

「濡れぬ先の傘」「降らぬ先の傘」とも言います。

「後悔先に立たず」

「後悔(こうかい)先(さき)に立(た)たず」は、終わってしまったことを後から後悔しても取り返しがつかないから、事前に十分に注意しておきましょう、という教えを含んだことわざです。

「備えあれば憂いなし」が事前に準備しておけば心配することはないよ、という肯定的なたとえなのに対し、後から「ああしておけばよかった、こうしておけばよかった」と思わないように、日頃から気を配っておきましょうね、という、少しばかりプレッシャーを感じることわざですね。

「用意周到」

用意が十分に行き届いて、手ぬかりがないことや行われている状態を「用意周到(よういしゅうとう)」といいます。

しっかり事前に備えておけば、何が起きようと安心していられますね。

「用意」は、前もって必要なものをそろえることに重点を置いている言葉で、物品を用立てるという意味でも使われる言葉です。

「心の準備が整った」のように精神的な意味で使用する場合、「準備」「用意」を置き換えると不自然な表現になってしまいます。

「備えあれば憂いなし」の使い方

注意を喚起することわざ「備えあれば憂いなし」

事前の準備や用意が大切だということを考えながら使い方を考えてみましょう。

  • 「備えあれば憂いなし」の例文1
  • 「備えあれば憂いなし」の例文2

「備えあれば憂いなし」の例文1

「いくら天気予報で晴れだといっていても、山の天気は変わりやすいのだから、『備えあれば憂いなし』、雨具はちゃんと持っていきなさいよ」

準備を整えておきなさいね、と注意を促す時に「備えあれば憂いなし」とよく表現します。

困ることのないように、相手を思いやる気持ちが入っている表現です。

「備えあれば憂いなし」の例文2

「大学受験のために、この一年間、毎日勉強してきたんだぞ。模試の結果も上々だけど、どんな問題がでるかは分からないんだ。『備えあれば憂いなし』、まだまだ勉強頑張るぞ」

このように、自分に喝をいれ、しゃんとさせる場合にも「備えあれば憂いなし」を使えます。

下準備を欠かさずにいれば、どんなことが起きようとも慌てることなく対処できるのだから、という意味ですね。



「備えあれば憂いなし」の反対語や似た対義語はどんな言葉があるの?

では、準備万端な様子を表すことわざ「備えあれば憂いなし」の反対語や対義語も数多くあります。

その中のいくつかをご紹介します。

  • 「渇して井を穿つ」
  • 「泥棒を捕らえて縄を綯う」
  • 「はまった後で井戸の蓋をする」
  • 「一か八か」

「渇して井を穿つ」

「渇(かっ)して井(い)を穿(うが)つ」とは、必要になったからと慌てて準備をしたとしても、もう間に合わないことのたとえです。

「渇(かっ)して」とは、のどが渇く、「井(い)」は井戸、「穿(うが)つ」は(井戸を)ほる、という意味です。

のどが渇いてから井戸をほっても、のどが渇いている今、水を飲むことができない、つまり、すでに時遅しなのだということです。

「泥棒を捕らえて縄を綯う」

「泥棒(どろぼう)を捕(と)らえて縄(なわ)を綯(な)う」と読みます。

こちらも泥棒を捕まえてから、泥棒をくくりつけるための縄を用意する、つまり、事が起きてから大急ぎで準備をはじめることのたとえです。

慌てふためいて準備をはじめても間に合うはずがないぞ、という教訓でもあるのです。

「はまった後で井戸の蓋をする」

「はまった後(あと)で井戸(いど)の蓋(ふた)をする」は、危険な井戸にはまってしまってから慌てて蓋をする、つまり、物事が済んだ後に用心することをいいます。

今からやってもしょうがない、遅すぎるぞという表現です。

「一か八か」

「一(いち)か八(ばち)か」とは、結果はどうなろうと構わないから運を天に任せてやってみることをいいます。

「のるかそるか」も同じような意味を持つ言葉です。

元々はばくち用語で、サイコロの目に一が出るか、しくじるか、が由来しているとも、「丁(ちょう)」「半(はん)」の上部をとったものが「一」「八」の形をしているので、それが由来だともいわれています。

事前に備えることなしに一発勝負の神頼みは「備えあれば憂いなし」とは反対の意味ですね。

「備えあれば憂いなし」を分解して解釈してみると…

よく似ている表現が数多くあるということは、事前の準備、用意不足で数多くの人々が後悔してきたのではないでしょうか。

「備え」「憂い」を中心にして深く考えてみれば先人たちの知恵の言葉をより一層感じられるかもしれません。

  • 「備え」の解釈
  • 「憂い」の解釈
  • 「備えあれば憂いなし」がプラス思考のサイクルを作る

「備え」の解釈

「備え」と聞いて何を想像しますか?

災害用の非常袋、老後を過ごすための預貯金のような物質的なものでしょうか。

それとも、「心構え」でしょうか。

「備え」には色々ありますが、どれもすぐに集まるものではありません。

預貯金も直ぐに貯められるないのと同じように、心構えだって今すぐに身につくものありません。

少しずつコツコツと励んで積み上げていくものではないでしょうか。

「憂い」の解釈

「憂い」を辞書で引くと

  • 悪い状態になることを予想し心配すること。不安。
  • 心中にいだくもの悲しい思い。憂愁。
  • 災い。難儀。

とあります。

(三省堂 大辞林 第三版)

「憂いがない状態」とは、心配や不安もないために「リラックスしている状態」なのではないでしょうか。

「備えあれば憂いなし」がプラス思考のサイクルを作る

長期間にわたって熱心に取り込むと、「自分はこれだけやったのだからきっと大丈夫だ」という自信がつきます。

自信がつくと、力が抜けて問題を広い視野でみられるので、成功しやすくなります。

成功すると、より一層の自信がつき、やる気も出てきます。

すると、また、努力を重ねようというモチベーションになるのです。

つまり、事前に準備しておけば、プラス思考のサイクルが出来上がるのです。

「備えあれば憂いなし」の英語にすると?英語での名言は?

備えあれば憂いなし meaning in english

事前の用意、準備が大切であるという「備えあれば憂いなし」とよく似ている意味のことわざが世界中にあります。

「備えあれば憂いなし」の英訳や事前準備の大切さを教えてくれる名言をご紹介しましょう。

  • “Providing is preventing.”
  • “Ready money is a ready medicine.”
  • “Continuous effort - not strength or intelligence - is the key to unlocking our potential.”

“Providing is preventing.”

「供給することが予防である」“Providing”(供給) とは、食料や衣服などを意味します。

つまり、食料不足になるかもしれないと推測して前もって供給しておくと飢えを避けられるというたとえです。

「備えあれば憂いなし」の英訳としても知られています。

“Ready money is a ready medicine.”

「現金は薬である」

“ready money”とは現金、“medicine”は薬という意味です。

つまり、十分な蓄えがあれば、何が起ころうが安心していられることのたとえです。

“Continuous effort - not strength or intelligence - is the key to unlocking our potential.”

(ウィンストン・チャーチル、Winston Churchill 1874-1965)

「力や知性ではない、地道な努力こそが能力を解き放つ鍵なのです」

イギリスの政治家で二次世界大戦中に首相となり、ノーベル文学賞を受賞したチャーチルの言葉です。

一見すると「備えあれば憂いなし」とは関係がないように思えるかもしれませんが「地道な努力」は何が起ころうが慌てなくても済む「備え」なのではないでしょうか。

この言葉の本質は、事前の用意や準備の大切さを伝える「備えあれば憂いなし」と同じだと考えられます。

icon まとめ

目的をかなえるための下準備や用意を整えておくことはとても重要なことです。

また、いつでも状況を知ろうとする気持ちや自分を磨いてよりよものを目指す心持ちを持てば、何が起きようと動揺することなく対処できるのです。

とにもかくにも「備えあれば憂いなし」です。

向上心を持って人生を豊かにしていきたいものですね。