「逐一」とは?意味や使い方!例文や解釈
ビジネスで「逐一」という言葉を耳にすることがあります。
一体どの様な意味なのか、類語や例文なども併せて詳しく紹介します。
目次
- 「逐一」とは?
- 「逐一」の表現の使い方
- 「逐一」を使った言葉と意味を解釈
- 「逐一」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「逐一」の反対語
- 「逐一」の類語や類義語・言い換え
- 「逐一」の英語と解釈
「逐一」とは?
「逐一」の概要について紹介します。
- 「逐一」の読み方
- 「逐一」の意味
- 「逐一」の語源や由来
- 「逐一」と「逐次」の違い
「逐一」の読み方
「逐一」は「ちくいち」と読みます。
読み方はさほど難しくないのですが、「逐」のつくりを「隊」のつくりと書き間違わない様に注意しましょう。
「逐一」の意味
「逐一」の意味は、「順番に一つずつ全て取り上げて行くこと」という意味です。
最初から最後まで順番通りにものごとを継続して進めていくことを表します。
その中では漏れがなく、全てのことが取り上げられて明らかにされるという意味も含みます。
短い言葉なから、ものごとが動く時に「順番」と「全て」という意味が存在する非常にコンパクトな表現です。
「逐一」の語源や由来
「逐一」の語源は、漢字の成り立ちに由来しています。
「逐」は音読みでは「ちく」、訓読みでは「おう」と読み、「追いかける」「順番にすすめる」「一つずつ対応していく」という意味があります。
「逐」の漢字に「順番」という意味が含まれているのです。
「一」は「ひとつ」「個」という意味を表す言葉です。
これらの漢字が組み合わさり「順番通りにひとつずつものごとがすすめられていくこと」という意味で使われる様になりました。
「逐一」と「逐次」の違い
「逐一」と似た言葉に「逐次」があります。
「一」と「次」の違いで関連性はありますが、持っているニュアンスが多少違います。
「逐一」は「ひとつずつ順番に従って残さず取り上げられること」という意味です。
「逐次」は「次々と順番に従って取り上げられること」という意味です。
この2つの言葉の違いは「残さず、漏らさず取り上げられるかどうか」という点です。
「逐次」の場合は対象となる人やものごとの中で次々と対応していくことで、中には取り上げられず残るものもある、というニュアンスを含みます。
「逐一」の表現の使い方
「逐一」は副詞として動詞の前に使われるのが一般的で、「逐一○○をする」という形が多くなります。
ビジネスで使うとものごとに対する姿勢や責任感が強調されるので良い意味の言葉です。
但し、順番通りではない、ランダムに手を付けている時などには「逐一」は使われません。
また、あまり何度も使うと信頼性を疑われてしまう可能性があるので程々にしましょう。
「逐一」を使った言葉と意味を解釈
「逐一」を使った言葉と解釈を紹介します。
- 「逐一報告する」
- 「逐一把握している」
- 「逐一説明する」
「逐一報告する」
ビジネスシーンで上司に対して使われます。
仕事の状況に関して何か変化があった時に、順番通りにひとつずつ全て伝えることを言います。
ビジネスでは「報告・連絡・相談」が基本ですが、トラブルが発生した時や重要な契約を取りつける時には特に上司への連絡を密に取る必要があるのです。
「逐一把握している」
最初から全てを知っている時に使います。
ビジネスにおいて、担当者が誰かから質問された時に「分りません」では信頼性に欠けるものです。
自分が手掛けた仕事に関しては常に内容や状況を掴んでおく必要があります。
人から何か訊かれた時に「逐一把握しています」と言えば、相手も安心することでしょう。
「逐一説明する」
ビジネスでは、相手に説明する時には「知っていて当然」の態度はNGです。
相手が知りたいと思ったことを的確に読み取り、それに対して懇切丁寧に説明するべきなのです。
会議や打ち合わせで相手が質問してきた時には、最初からことの次第を説明できれば、相手も納得して次の段階に進んで行けるでしょう。
「逐一」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「逐一」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「逐一」を使った例文1
- 「逐一」を使った例文2
「逐一」を使った例文1
「相手に逐一説明する必要はない」
ビジネスでは駆け引きが大切です。
相手に対してあまり手の内を見せてしまうと、足元を見られてしまう可能性があります。
最初からひとつ残らず全て説明してしまわずに、小出しにして相手が「もっと知りたい」と興味を持つ様なテクニックが必要なのです。
「逐一」を使った例文2
「必要なことはマニュアルに逐一書かれている」
分らないことがあった時には、すぐに人に訊かずにマニュアルを見れば、最初からひとつずつもらさず説明されているということを表しています。
「逐一」の反対語
「逐一」に反対語はありませんが、似た意味に言葉を紹介します。
- 「適当」【てきとう】
- 「ざっくり」
「適当」【てきとう】
「適当」には「その条件にふさわしいこと」「ほどよくすること」と言う2つの意味があります。
「逐一」の反対の意味は「ほどよくすること」の方です。
「ざっくり」
「ざっくり」は、元々は「力を込めて物を大きく切ったり割ったりする様子」「手触りが粗い様子」という意味でしたが、そこから転じて現代では「大ざっぱで全体的にとらえること」という意味で使われています。
こちらの意味が「逐一」の反対の意味と言えます。
「逐一」の類語や類義語・言い換え
「逐一」の類語を紹介します。
- 「つぶさに」
- 「まんべんなく」
- 「洗いざらい」【あらいざらい】
「つぶさに」
漢字では「具に・備に・悉に」と書きます。
意味は「もれなく細かい様子」ということで、「つぶさに語る」などに使われます。
「まんべんなく」
漢字では「万遍なく」「満遍なく」と書きます。
「隅々まで行き渡っていること」という意味で、「まんべんなく伝わる」などに使われます。
行き届かぬところがない。
あまねく行きわたっている。
「洗いざらい」【あらいざらい】
「何もかもすっかり出し尽くしてしまい、何も残らない様子」という意味で、「洗いざらいぶちまける」などに使われます。
「逐一」の英語と解釈
「逐一」はその時のシーンにより英語表現が違ってきます。
- “Please keep me informed.”
- “He explained in detail on this matter to me.”
“Please keep me informed.”
「連絡をし続けて下さい=逐一連絡をして下さい」になります。
“He explained in detail on this matter to me.”
「彼はその件について私に逐一説明した」になります。
“in detail”で「逐一」という意味になります。
「逐一」は「順番に一つずつ全て取り上げて行くこと」という意味があります。
ビジネスで機会があれば是非使ってみましょう。